1. 企業情報

ブックオフグループホールディングス(9278)は、中古書籍販売で国内最大手の企業です。書籍だけでなく、衣料品、家電、トレカなど幅広いリユース品を扱い、実店舗とオンラインストアを連携させたビジネスを展開しています。

2. 業界のポジションと市場シェア

ブックオフは、中古書籍販売市場において圧倒的なシェアを誇っています。リユース市場全体の拡大を背景に、総合リユース企業としての地位を確立しつつあります。

競争優位性:

  • ブランド力:長年の実績と知名度による顧客からの信頼。
  • 多店舗展開:全国に広がる店舗網による集客力。
  • ECとの連携:オンライン販売チャネルの強化。

課題:

  • 競合他社との差別化:多様なリユース品を扱う競合との競争激化。
  • 店舗運営コスト:人件費や賃料の高騰。
  • 市場ニーズの変化への対応:顧客の嗜好やテクノロジーの進化への迅速な対応。

3. 経営戦略と重点分野

経営ビジョン:

  • 中期経営方針において、事業規模拡大と利益成長を目指しています。

中期経営計画:

  • 2028年5月期を最終年度とする中期経営方針において、経常利益5,000百万円を目指しています。
  • 国内ブックオフ事業の再発防止への取り組み、店舗拡大。
  • プレミアムサービス事業(hugall、aidect)の新規出店、リブランディング。
  • 海外事業(Jalan Jalan Japan、BOOKOFF)の拡大。

4. 事業モデルの持続可能性

ブックオフの事業モデルは、リユース市場の成長という追い風を受けており、持続可能性は高いと考えられます。

収益モデル:

  • 中古品の仕入れと販売による差益。
  • フランチャイズからのロイヤリティ収入。
  • ECサイトでの販売。

市場ニーズの変化への適応力:

  • 顧客ニーズに合わせた商品ラインナップの拡充(衣料品、家電、トレカなど)。
  • ECサイトの強化によるオンライン販売の拡大。
  • 店舗とECの連携強化による顧客体験の向上。

5. 技術革新と主力製品

ブックオフは、技術革新に直接的に大きく依存するビジネスモデルではありませんが、以下の点で技術を活用しています。

技術開発の動向と独自性:

  • ECサイトの利便性向上。
  • 在庫管理システムの効率化。
  • 商品査定の効率化。

収益を牽引している製品やサービス:

  • 中古書籍。
  • 衣料品、家電、トレカなどのリユース品。
  • ECサイトでの販売。

6. 株価の評価

EPS(会社予想): 125.38円
PER(会社予想): 13.35倍
BPS(実績): 1,061.56円
PBR(実績): 1.29倍
* PER: 13.35倍は、業界平均PERの21.3と比較して割安感があります。
* PBR: 1.29倍は、一般的に割安と判断される水準です。

7. テクニカル分析

  • 株価: 1,418.0円 (2025年7月10日終値)
  • 年初来高値: 1,550円
  • 年初来安値: 1,297円
  • 50日移動平均: 1430.56円
  • 200日移動平均: 1429.20円

直近の株価は、年初来高値には及ばないものの、50日、200日移動平均線付近で推移しており、底堅い動きを見せています。

8. 財務諸表分析

売上高: 過去12ヶ月で111,657百万円、2025年5月期決算では119,205百万円(前年同期比+6.8%)と増収傾向です。
営業利益: 過去12ヶ月で3,055百万円、2025年5月期決算では3,448百万円(前年同期比+13.0%)と増益傾向です。
当期純利益: 2025年5月期決算では2,101百万円(前年同期比+23.2%)と増益です。
ROE(実績): 8.72%
自己資本比率(実績): 37.1%
売上高、利益ともに増加しており、財務体質も安定しています。

9. 株主還元と配当方針

配当利回り(会社予想): 1.76%
1株配当(会社予想): 25.00円
配当性向: 25.84%
* 2026年5月期の配当予想は30.00円と増配を予定しています。

10. 株価モメンタムと投資家関心

株価の直近の変動:

  • 直近10日間の株価は、1,404円から1,437円の間を推移しており、方向感に欠ける展開です。
  • 出来高は、平均62,740株と、活況とは言えません。

株価への影響を与える要因:

  • リユース市場全体の動向。
  • ブックオフの業績(売上高、利益、店舗展開など)。
  • 競合他社の動向。
  • 株式市場全体の地合い。

11. 総評

ブックオフグループホールディングスは、中古書籍販売で国内最大手であり、リユース市場の成長を背景に安定した業績を上げています。増収増益を達成し、配当も増配を予定するなど、株主還元にも積極的です。PER、PBRは割安であり、テクニカル面でも底堅い動きを見せています。
ただし、リユース市場における競争激化や、店舗運営コストの上昇などの課題も存在します。今後の成長には、ECとの連携強化や、顧客ニーズへの対応が重要となります。


企業情報

銘柄コード 9278
企業名 ブックオフグループホールディングス
URL https://www.bookoffgroup.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 小売 – 小売業

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