1. 企業情報
キャリアリンクは、人材派遣と業務請負を主な事業とする企業です。特に、BPO（ビジネス・プロセス・アウトソーシング）関連、CRM（顧客関係管理）関連、一般事務、営業支援といった分野に強みを持っています。官公庁関連や大手企業向けのビジネスプロセスアウトソーシング、人材派遣が収益の柱であり、近年は食品加工分野への進出も行っています。
2. 業界のポジションと市場シェア
人材サービス業界に属しており、競争が激しい市場です。キャリアリンクは、BPOやコールセンター業務に強みを持つことで、差別化を図っています。市場シェアに関する具体的なデータは開示されていませんが、官公庁関連や大手企業との取引実績は、一定の競争優位性を示唆しています。課題としては、景気変動や労働市場の変化による影響を受けやすい点が挙げられます。
3. 経営戦略と重点分野
2025年3月期の決算短信からは、中期経営計画に関する具体的な情報は開示されていません。しかし、セグメント別の戦略として、事務系人材サービス事業では地方自治体との取引基盤拡大、民間企業との取引拡大を、製造系人材サービス事業では食品加工部門の受注増加、製造加工部門の受注増加を掲げています。
4. 事業モデルの持続可能性
キャリアリンクの収益モデルは、企業の人材ニーズに応えることで成り立っています。労働力不足が深刻化する中で、人材派遣や業務請負の需要は底堅く、事業の持続可能性は高いと考えられます。ただし、景気変動や法改正、テクノロジーの進化による業務の自動化など、市場ニーズの変化への対応が重要となります。
5. 技術革新と主力製品
キャリアリンクは、人材サービスを提供する企業であり、技術革新よりも、顧客ニーズへの対応力や、質の高い人材の確保が重要となります。主力製品は、人材派遣サービス、業務請負サービスであり、顧客の業務効率化やコスト削減に貢献しています。
6. 株価の評価
- 株価: 2,210.0円
- EPS（会社予想）: 155.66円
- PER（会社予想）: 14.18倍 (業界平均: 17.0倍)
- BPS（実績）: 1,242.97円
- PBR（実績）: 1.78倍 (業界平均: 1.8倍)
PERは業界平均よりも低く、割安感があります。PBRは業界平均と同程度です。EPSとBPSから、企業の収益性と資産効率が評価できます。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、2,161円から2,217円の間を推移しており、2,210円で取引されています。年初来高値は2,497円、年初来安値は1,860円であり、52週高値からは約11.5%下落、52週安値からは約18.8%上昇しています。50日移動平均線は2135.98円、200日移動平均線は2315.64円であり、200日移動平均線を下回っています。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2025年3月期は403.98億円（前年比7.7%減）
- 営業利益: 2025年3月期は26.93億円（前年比17.9%減）
- 当期純利益: 2025年3月期は18.29億円（前年比16.9%減）
- ROE（実績）: 12.57%
- ROA（過去12か月）: 8.19%
- 自己資本比率（実績）: 74.2%
売上高、利益ともに減少傾向にあります。ROEは12.57%と、高い水準を維持しています。自己資本比率も74.2%と高く、財務基盤は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 5.43%
- 1株配当（会社予想）: 120.00円
- 配当性向: 78.48%
- 自社株買い: 記載なし
高い配当利回りは魅力的ですが、配当性向が高い点は注意が必要です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近10日間の株価は、2,161円から2,217円の間を推移しており、方向感は明確ではありません。信用買残は増加傾向にあり、個人投資家の関心は高いと考えられます。
11. 総評
キャリアリンクは、人材派遣・業務請負を主力とする企業であり、高い配当利回りと、安定した財務基盤が魅力です。PERは業界平均より低く、割安感があります。ただし、売上高と利益の減少、配当性向の高さは、今後の業績動向を注視する必要がある点です。今後の成長戦略や、労働市場の変化への対応が、株価の行方を左右するでしょう。
企業情報
| 銘柄コード | 6070 |
| 企業名 | キャリアリンク |
| URL | http://www.careerlink.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
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