1. 企業情報
株式会社シーティーエス（CTS）は、建設業界向けのICT（情報通信技術）ソリューションを提供する企業です。主な事業は、建設現場向けのITインフラのレンタル、測量計測機器の販売・レンタル、および関連サービスです。具体的には、クラウドストレージ、モバイルIP電話、遠隔作業支援ツール、3D測量、ICT建設、建設管理、電子納品など、多岐にわたるサービスを提供しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
CTSは、建設ICT分野に特化した専門企業として、一定の競争優位性を持っています。建設業界のICT化が進む中で、同社の提供するソリューションは、建設現場の生産性向上や効率化に貢献し、需要は堅調に推移しています。
課題としては、競合他社との差別化、技術革新への対応、建設業界全体の景気変動の影響などが挙げられます。
3. 経営戦略と重点分野
CTSは、中期経営計画において、ハードレンタル中心のビジネスから、データ・情報関連サービスを統合的に提供するビジネスへの転換を目指しています。具体的には、建設ICTの専門企業としての地位を確立し、売上高の増加、営業利益率の向上、ROEの向上、リピート率の向上を目標としています。
2025年3月期第3四半期決算短信によると、DDS事業とSMS事業が好調に推移しており、中期経営計画の達成に向けて順調に進んでいると考えられます。
4. 事業モデルの持続可能性
CTSの事業モデルは、建設業界のICT化という構造的な変化に対応しており、一定の持続性があります。建設現場の生産性向上、省人化ニーズの高まりから、同社の提供するICTソリューションの需要は今後も継続的に見込まれます。
しかし、建設業界の景気変動や、競合他社の台頭、技術革新への対応が、事業の持続可能性を左右する要因となります。
5. 技術革新と主力製品
CTSは、建設ICT分野における技術革新に対応し、3D測量、ICT建設、遠隔作業支援ツールなど、最新の技術を活用した製品やサービスを提供しています。
主力製品としては、建設現場向けのITインフラレンタル、測量計測機器、遠隔作業支援ツールなどが挙げられます。これらの製品は、建設現場の効率化、安全性向上に貢献し、収益を牽引しています。
6. 株価の評価
- 株価: 819.0円（2025年7月11日終値）
- PER（会社予想）: 14.10倍（業界平均：17.0）
- PBR（実績）: 2.63倍（業界平均：1.8）
- EPS（会社予想）: 58.09円
- BPS（実績）: 311.58円
PERは業界平均を下回っており、割安感があります。PBRは業界平均を上回っています。
EPSとBPSから、企業の収益性と資産効率を評価できます。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、2025年7月7日に840円の高値をつけた後、株価は調整局面に入り、2025年7月11日の終値は819円となっています。
50日移動平均線は814.14円、200日移動平均線は843.33円です。
株価は、50日移動平均線を上回っていますが、200日移動平均線を下回っており、中長期的なトレンドは判断が難しい状況です。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去12ヶ月で118.2億円、前期比で増加傾向にあります。
- 営業利益: 過去12ヶ月で30.78億円、増益傾向です。
- ROE（実績）: 17.45%と高い水準を維持しています。
- 自己資本比率（実績）: 75.4%と財務体質は良好です。
過去数年間の財務データから、売上高、利益ともに増加傾向にあり、収益性が向上していることがわかります。自己資本比率も高く、財務基盤は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 3.42%
- 1株配当（会社予想）: 28.00円
- 配当性向: 47.66%
CTSは、安定的な配当を実施しており、配当利回りも魅力的な水準です。
2025年9月29日が配当落ち日です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、上昇と下降を繰り返しており、方向感に欠ける展開となっています。
信用買残は増加傾向にあり、個人投資家の関心は高いと考えられます。
2025年7月29日～8月4日に決算発表が予定されており、業績発表の内容が株価に影響を与える可能性があります。
11. 総評
CTSは、建設ICT分野に特化した専門企業であり、高い収益性と財務安定性を誇っています。中期経営計画に基づき、データ・情報関連サービスへの転換を進めており、今後の成長も期待できます。
株価は、PERで割安感があり、配当利回りも魅力的です。
ただし、建設業界の景気変動や、競合他社の動向、技術革新への対応など、注意すべき点もあります。
企業情報
| 銘柄コード | 4345 |
| 企業名 | シーティーエス |
| URL | http://www.cts-h.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
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