1. 企業情報

  • 企業名: ダイドーグループホールディングス株式会社
  • 設立: 1975年1月27日
  • 本社所在地: 大阪市北区中之島2-2-7
  • 事業内容:
    • 主力は自動販売機を通じた飲料(コーヒー、緑茶、炭酸飲料、ミネラルウォーター、ジュース、スープ、甘味飲料)の販売
    • OEMによるエナジードリンクの製造、果実ゼリー等の食品、医薬品・医療機器の製造販売
    • 海外事業はトルコを中心に展開
  • 従業員数: 5,555人

2. 業界のポジションと市場シェア

  • 業界内ポジション: 国内飲料業界の大手。特に自動販売機チャネルでの販売比率が高い点が特徴。
  • 競争優位性: コーヒー飲料に強み。自販機網を活用した独自の販売体制。
  • 課題: 国内市場の縮小、消費者の節約志向、原材料高騰、価格改定による販売数量減少。海外(特にトルコ)依存度の上昇と為替・インフレリスク。

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン・戦略:
    • 中期経営計画「中期経営計画2026」を推進
    • 重点分野は「国内飲料事業の再成長」「海外飲料事業戦略の再構築」「非飲料領域の強化・育成」
  • 具体的施策:
    • 国内飲料:自販機の効率化・商品力強化、価格戦略の見直し
    • 海外飲料:トルコ市場での販売拡大、為替・インフレ対応
    • 医薬・食品:新規事業の育成、希少疾病用医薬品の拡大

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル: 自販機を中心とした飲料販売が主軸。海外(トルコ)や医薬品、食品事業も展開。
  • 市場ニーズ変化への対応: 国内市場の成熟化への対応が課題。海外成長と新規分野での収益多様化を目指す。自販機依存からの脱却も中長期的なテーマ。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術開発の動向: 自販機の効率化や新商品開発、パウチ製品等の医薬品製造技術。
  • 主力製品・サービス: DyDo DRINCOブランドのコーヒー、トルコでの現地飲料、OEMエナジードリンク、果実ゼリー、希少疾病用医薬品。

6. 株価の評価

  • 株価: 2,733円
  • BPS(実績): 2,787.14円
  • PBR: 0.98倍(業界平均1.3倍より低い)
  • EPS(会社予想): 未開示(直近12か月は赤字)
  • PER: 算出不可(赤字のため)
  • 業界平均PER/PBR: 19.5倍/1.3倍
  • 評価: PBRは業界平均を下回る水準。EPSがマイナスのためPER評価は不可。

7. テクニカル分析

  • 株価推移: 直近10日間は2,650~2,750円台で推移し、やや横ばい傾向。
  • 年初来高値/安値: 3,445円 / 2,593円
  • 移動平均:
    • 50日: 2,665.78円
    • 200日: 2,953.29円
  • 現在株価位置: 50日線付近、200日線を下回る。年初来安値圏に近い。
  • 信用取引: 信用倍率0.67倍と売り残が多い状況。

8. 財務諸表分析

  • 売上高: 増加傾向(2023年1月期1601億→2025年1月期2371億円)
  • 営業利益: 低水準で推移、2025年1月期は47.9億円(営業利益率約2%)
  • 純利益: 2025年1月期は38.0億円(前期44.2億円)、直近四半期は赤字
  • ROE/ROA: ROE 4.19%、ROA 1.31%(低い水準)
  • 自己資本比率: 46.7~49.6%(安定)
  • キャッシュフロー: 直近開示なし。現金保有は厚め(407億円)。
  • 負債: 総負債340億円、Debt/Equity 38.18%(健全)

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り: 1.10%(予想)
  • 配当性向: 24.86%
  • 配当推移: 2025年1月期40円→2026年1月期予想30円(減配見通し)
  • 自社株買い: 自己株式保有あり(3.88%)
  • 方針: 安定配当志向だが、業績により変動あり

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 直近の株価変動: 2,600円台後半~2,700円台で横ばい、やや下値圏
  • 出来高: 直近10日平均12万株程度で安定
  • 投資家構成: インサイダー保有比率高い(43%)、機関投資家は8.8%
  • 影響要因: 国内飲料事業の不振、海外事業の成長、為替・インフレリスク、減配見通し

11. 総評

  • ダイドーグループHDは自販機を中心とした飲料大手で、コーヒー飲料に強みを持つ一方、国内市場の成熟化や消費者の節約志向、原材料高騰などの課題に直面しています。直近では国内飲料事業の減収・損失拡大が目立つ一方、トルコを中心とした海外飲料事業が増収増益で全体を下支えしています。財務基盤は安定しているものの、利益率は低く、ROE/ROAも業界平均を下回る水準です。株価は年初来安値圏に近く、PBRも業界平均を下回っています。配当は減配傾向。今後は国内飲料事業の立て直しと海外・新規事業の成長が重要なテーマとなります。

本レポートは情報整理を目的としたものであり、投資判断を目的とするものではありません。


企業情報

銘柄コード 2590
企業名 ダイドーグループホールディングス
URL https://www.dydo-ghd.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 食品 – 食料品

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By シャーロット

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