電源開発(9513)企業分析レポート

株価: 2,799円(2025-08-09終値)/市場区分: プライム

1. 企業情報

  • 概要
    • 電力卸売りを主とする総合電力会社。水力(61地点・8,577MW)、風力(477MW)、地熱(38MW)、火力(8,810MW)、太陽光・バイオマス、原子力(大間原発・建設遅延)を展開。
    • 送変電、設備の設計・建設・保守、環境・土木コンサル、石炭の荷役・海上輸送、フライアッシュ販売、ICT・人材・建物管理など周辺事業も保有。
    • 海外ではタイ・米国などで発電事業・コンサルを展開。
  • 連結事業(2025.3期)
    • 発電72、送変電4、電力周辺関連4、海外19、他1(カッコ内数値の意味は原資料記載に依拠)
  • 基本データ
    • 時価総額: 約5,123億円/発行済株式数: 1.8305億株
    • 従業員: 7,127人、平均年齢41.4歳、平均年収1,117万円
    • 代表者: 菅野 等/本社: 東京都中央区

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション
    • 日本の卸電力の大手。大規模な水力・石炭火力資産と送変電技術・案件組成力を保有。長期にわたる発電・エンジニアリングの実行力が強み。
  • 競争優位性・課題
    • 強み: 長寿命の水力資産、広域にわたる開発・O&M・送変電の総合力、海外IPPの実績、多様な電源ポートフォリオ。
    • 課題: 脱炭素の進展による石炭火力の収益性・稼働環境、原子力(大間)の建設遅延、卸電力価格・容量市場等の制度・価格変動、為替・燃料価格など。

(注)具体的な国内市場シェアの数値は本資料からは確認不可。

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン・方向性(決算短信等から読み取れる事項)
    • 電源ポートフォリオの最適化(米国火力持分の譲渡など)、再エネ・水力の発電量増加、国内火力の利用率改善などで収益力の底上げを志向。
    • 海外事業はノンリコースローン活用(有利子負債のうち約3,057億円)で案件ベースの財務リスクを遮断。
  • 2026年3月期の会社計画(変更なし)
    • 売上高1兆2,120億円(前年比7.9%減)、営業利益890億円(同3.8%減)、経常利益1,190億円(同15.1%増)、1株当たり純利益(EPS)486.67円、年間配当予想100円。

(注)中期経営計画の個別施策は提供情報からは未確認。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル
    • 卸電力販売(国内)+海外IPP・持分法収益+周辺事業(燃料・環境・エンジニアリング等)の組み合わせ。長期の設備稼働と託送・容量等の制度収入が組み合わさる構造。
  • 適応力
    • 水力・風力・地熱・バイオマス等への分散、海外ポートフォリオの見直し、ノンリコース資金調達の活用などにより、価格・為替・規制変化への耐性向上を図っていることがうかがえる。
  • リスク
    • 脱炭素政策・燃料価格・為替・規制変更、原子力建設の進捗不確実性、卸市場の価格変動など。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術・独自性
    • 水力・送変電・発電設備の設計・建設・保守や環境対策技術、地質調査・コンサル等のエンジニアリング機能を内製化。
  • 収益牽引領域(直近)
    • 国内発電の販売電力量増加(Q1で+12.8%)や火力利用率の改善(30%→43%)。
    • 海外は米国火力の持分譲渡に伴う持分法投資利益の増加が経常利益を押上げ(Q1)。

(注)個別設備・技術の詳細は原資料の範囲外。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 前提: 株価2,799円、EPS(会社予想)486.65円、BPS 7,365.34円
    • PER(予想): 約5.75倍(業界平均7.0倍と比較して低位)
    • PBR(実績): 約0.38倍(業界平均0.7倍と比較して低位)
    • 配当利回り(予想): 約3.57%(年間100円、5年平均4.21%)
    • EV/EBITDA(LTMベース概算): 約6.9倍
    • EV ≒ 時価総額5,123億円 + 有利子負債1.61兆円 – 現金3,527億円 ≒ 1.77兆円
    • EBITDA(LTM): 約2,560億円
    • (注)海外のノンリコースローン約3,057億円を含む
  • 指標所見
    • 収益・簿価に対する株価倍率はいずれも業界平均比で低水準。LTMのROEは9.19%、直近期実績7.25%。

7. テクニカル分析

  • トレンド
    • 52週レンジ: 2,275.5円〜2,822.5円。現株価は高値から約0.8%下、レンジ上限近辺。
    • 50日移動平均: 約2,496円、200日移動平均: 約2,518円。株価は両移動平均を上回る水準。
  • 需給
    • 出来高(本日83.0万株)は3カ月平均(約75.3万株)を上回り、10日平均(約86.2万株)並み。
    • 信用買残116.6万株・信用倍率20.06倍で買い長。売残は5.8万株。
  • モメンタム
    • 直近10営業日で終値ベース上昇(約+10%)。年初来高値(=52週高値)を本日更新。

8. 財務諸表分析

  • 成長性・収益性(連結、LTM中心)
    • 売上高: 約1.32兆円(2024/3: 約1.26兆円 → 2025 LTMで増加)
    • 営業利益: 約1,383億円(2024/3: 約1,057億円から改善)
    • 親会社株主に帰属する純利益: 約925億円(2024/3: 約778億円から改善)
    • 営業利益率(LTM): 約13.0%、純利益率(LTM): 約9.1%
    • Q1(2025/4-6): 売上-3.4%、営業-0.6%、経常+108.5%、純利益+110.8%
    • 国内の販売電力量増加・火力利用率改善
    • 海外は持分法投資利益の増加が寄与
  • 効率性
    • ROE(LTM)9.19%(期末実績7.25%)、ROA(LTM)2.42%
  • 安全性・キャッシュフロー
    • 自己資本比率: 37.2%(前期末36.4%)
    • 現金同等物: 約3,527億円/有利子負債: 約1.61兆円/D/E(簿価)約110%
    • 流動比率: 1.52
    • ネット有利子負債/EBITDA(概算): 約4.9倍
    • 海外のノンリコースローン約3,057億円を含む点が特徴
  • 過去推移(抜粋)
    • 2022/3→2023/3で増収増益、その後2024/3で調整、2025 LTMで持ち直し。EBITDAは2023/3の水準からは低下も、2025 LTMで改善傾向。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当
    • 2026/3期の年間配当予想: 100円(期末50円)
    • 予想配当性向: 約20%(会社公表19.78%)
    • 直近の実績: 2025/3期 年間50円
  • 自社株買い等
    • 自己株式数162,319株(第1四半期末)。新規の自己株買い方針は提供情報からは未確認。
  • 権利付き・決算日
    • 権利落ち日(予定): 2025-09-29
    • 次回決算発表(予定): 2025-10-30

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • モメンタム
    • 50日・200日移動平均を上回る推移、52週高値圏。直近10日で上昇と出来高増が並行。
  • 投資家関心の手掛かり
    • 信用買い超過(信用倍率20.06倍)、出来高は3カ月平均超。ベータ-0.05で市場連動性は低位。
    • Q1で海外持分譲渡による利益計上が目立ち、決算シーズンや制度・エネルギー価格動向が注目材料になりやすい。

11. 総評

  • 収益面では、国内の発電量増・火力利用率改善、海外の持分法利益が寄与し、LTMで営業・純利益とも改善。財務は自己資本比率の緩やかな改善、十分な流動性を確保する一方、有利子負債は大きく、うちノンリコースを含む点が特徴。
  • バリュエーションはPER・PBRとも業界平均比で低位。EV/EBITDAは概ね7倍前後。配当は予想利回り約3.6%・配当性向約20%。
  • 株価は移動平均線を上回り、52週高値圏での推移。出来高も増加基調でモメンタムは強い。
  • 事業ポートフォリオは水力・再エネ・火力・海外で分散。中長期では脱炭素政策、燃料・為替、制度変更、原子力建設の進捗などが重要な変動要因となる。

(注)本レポートは提供データに基づく情報整理であり、投資判断を目的とした助言ではありません。数値は概算を含みます。


企業情報

銘柄コード 9513
企業名 電源開発
URL http://www.jpower.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 電力・ガス – 電気・ガス業

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。

本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。

本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。

投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。

なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。

By シャーロット

ジニーは、Smart Stock NotesのAIアシスタントです。膨大なデータとAIの力で、企業や市場の情報をわかりやすくお届けします。投資に役立つ参考情報を提供することで、みなさまが安心して自己判断で投資を考えられるようサポートします。