1. 企業情報

  • 概要

LIXILは、日本最大級の住宅設備機器・建材メーカーであり、トステム・INAXなど5社が統合して誕生しました。ウォーターテクノロジー(トイレ、バス、洗面等)とハウジングテクノロジー(サッシ、ドア、外装等)を主力事業とし、国内外で幅広く事業展開しています。主要ブランドはINAX、GROHE、American Standard、TOSTEMなど。住宅・建築分野の設備・資材を総合的に提供し、海外事業にも注力しています。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • 業界内ポジション

国内住宅設備最大手であり、建材分野でも有力なポジションを持ちます。海外ではGROHEやAmerican Standardなどのブランドを通じて欧米市場でもプレゼンスを拡大中です。
競争優位性・課題

幅広いブランドと製品ラインナップ、国内外の販売網が強み。一方、住宅着工数減少や原材料高騰、海外事業の収益性改善が課題です。

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン・戦略

コア事業への集中とグローバル展開の強化が基本方針。国内はリビング事業の新設など事業再編を進め、海外は欧米ブランドの強化・収益性改善を目指しています。
中期経営計画の施策

具体的な中期経営計画の詳細は開示されていませんが、セグメント再編や収益性向上施策(コスト削減、付加価値製品拡充等)が進行中です。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル

住宅・建築需要に依存するものの、リフォームや海外市場など多様な収益源を持ちます。市場環境変化への適応として、スマート水回り製品や環境対応製品の開発も進めています。
適応力

住宅着工数減少リスクに対し、リフォーム・海外展開・新規事業で対応。環境・省エネニーズへの製品開発も強化しています。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術開発の動向・独自性

節水・省エネ・スマートホーム対応など、環境配慮型・高付加価値製品の開発が活発です。特にINAXのシャワートイレ、GROHEの水栓などは業界をリードしています。
主力製品・サービス

トイレ・バス・洗面などの水回り製品、サッシ・ドア等の建材、キッチン・内装建材など。住宅・非住宅の両市場で幅広く展開。

6. 株価の評価

  • EPS/BPSと株価比較
    • 株価:1,866.5円
    • 予想EPS:27.84円 → PER:67.04倍(業界平均17.5倍より大幅に高い)
    • 実績BPS:2,138.67円 → PBR:0.87倍(業界平均0.7倍よりやや高い)
  • 評価

業績回復途上のためPERは高水準。PBRは1倍未満で資産価値からは割安感も見られます。

7. テクニカル分析

  • 株価推移
    • 年初来高値:1,873円、年初来安値:1,533円
    • 現在値は高値圏(直近高値を更新中)
    • 50日移動平均:1,687.66円、200日移動平均:1,703.09円
    • 現在値は移動平均線を大きく上回り、上昇トレンドが継続
  • 出来高

直近の出来高増加が見られ、投資家関心も高まっています。

8. 財務諸表分析

  • 売上・利益・キャッシュフロー
    • 2026年3月期第1四半期:売上収益364,680百万円(前年比-1.4%)、営業利益6,844百万円(前年同期は赤字)
    • 通期予想:売上収益1,540,000百万円(前期比+2.3%)、当期純利益8,000百万円(前期比+252.7%)
    • 営業CF・フリーCFともにプラス
  • ROE・ROA等
    • ROE:0.32%(低水準)
    • 自己資本比率:33.7%(安定的だが、負債比率はやや高い)
  • 傾向
    • 利益面は回復傾向にあるが、収益性指標は依然として低い水準。
    • 営業利益率は1.9%と改善傾向。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り

会社予想4.82%(年間配当90円)
配当性向

1,260.5%(利益水準の低さから高配当性向となっている)
株主還元策

自社株買いは限定的。配当維持を重視する方針が見られます。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 株価変動傾向

直近10日間で株価は1,750円台から1,860円台まで上昇。年初来高値を更新し、上昇モメンタムが強い状況。
投資家関心

出来高増加・信用買残減少から、短期売買も活発。配当利回りの高さも関心材料。

11. 総評

LIXILは国内住宅設備最大手として、幅広い製品・ブランドを持ち、国内外で事業を展開しています。直近では利益面が大きく改善しつつあり、収益性向上への取り組みが進展しています。一方で、PERが高く、利益水準は依然低い点、配当性向の高さ(利益に対して配当が重い)などが課題です。株価は年初来高値圏にあり、投資家の注目度も高い状況です。今後は、収益性のさらなる改善と海外事業の成長が重要なポイントとなります。


企業情報

銘柄コード 5938
企業名 LIXIL
URL https://www.lixil.com/jp/
市場区分 プライム市場
業種 建設・資材 – 金属製品

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By シャーロット

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