1. 企業情報

  • 事業内容

東鉄工業は、主に鉄道関連の土木・建築工事を手掛ける総合建設会社です。特にJR東日本関連の線路維持補修や駅舎工事が中心で、鉄道工事に強みを持っています。加えて、環境事業(太陽光発電システム、建物緑化、アスベスト除去等)や不動産賃貸、鉄道関連製品の製造・販売も展開しています。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • 業界内での競争優位性

鉄道関連工事に特化し、JR東日本が主要株主(18.56%)であることから、安定した受注基盤を有します。土木・建築ともに鉄道事業者との強い関係性が競争優位性の源泉です。
課題

鉄道関連需要への依存度が高く、鉄道新設・メンテナンス需要の変動や公共投資の動向が業績に影響しやすい点が課題です。

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン・戦略

鉄道工事分野でのリーディングカンパニーとしての地位を維持・強化しつつ、環境事業や民間建築分野の拡大を図っています。累進配当・DOE3%以上を掲げ、株主還元も重視しています。
中期経営計画

・鉄道・土木・建築の基盤強化
・環境事業の拡大
・技術開発による高付加価値化
・安定配当政策の継続

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル

鉄道インフラの保守・更新需要は中長期的に安定しており、加えて環境分野や民間建築の拡大で収益源の多様化を進めています。
市場ニーズへの適応力

環境技術や省エネ、駅舎の安全対策(ホームドア設置等)など、社会的要請への対応力を高めています。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術開発動向・独自性

鉄道工事の効率化・省力化技術、駅舎の耐震・省エネ改修、環境配慮型建築など、独自技術の開発に注力しています。
主力製品・サービス

・鉄道線路・駅舎工事
・ホームドア設置
・太陽光発電システム・建物緑化
・鉄道関連製品の製造・販売

6. 株価の評価

  • EPS(1株当たり利益)
    • 直近12か月: 335.86円
    • 2026年3月期予想: 348.52円
  • BPS(1株当たり純資産)
    • 直近: 3,458.89円
  • PER(株価収益率)
    • 現在株価: 4,375円
    • 予想PER: 4,375 ÷ 348.52 ≒ 12.56倍(業界平均14.0倍よりやや割安圏)
  • PBR(株価純資産倍率)
    • 4,375 ÷ 3,458.89 ≒ 1.26倍(業界平均1.1倍をやや上回る)

7. テクニカル分析

  • 株価推移
    • 直近高値: 4,450円(52週高値と同水準)
    • 直近安値: 2,652円(52週安値)
    • 50日移動平均: 3,895.6円、200日移動平均: 3,352.6円
    • 現在株価は高値圏にあり、上昇トレンドが継続中とみられます。

8. 財務諸表分析

  • 売上・利益の推移
    • 売上高(過去4年): 114,718百万円 → 124,661百万円 → 141,845百万円 → 160,047百万円(増加傾向)
    • 営業利益: 7,261百万円 → 9,070百万円 → 11,751百万円 → 15,526百万円(増加傾向)
    • 純利益: 5,326百万円 → 7,905百万円 → 8,297百万円 → 11,564百万円(増加傾向)
  • ROE・ROA
    • ROE: 10.36%(建設業としては良好)
    • ROA: 6.88%
  • キャッシュフロー
    • 現金保有高: 32,560百万円、流動比率: 3.80(財務健全性高い)
  • 利益率
    • 営業利益率: 8.01%、純利益率: 7.28%(堅調)

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り
    • 予想年間配当: 140円
    • 配当利回り: 3.16%(直近株価基準)
  • 配当性向
    • 40.19%(安定的)
  • 自社株買い等
    • 自己株式保有比率: 4.36%
  • 方針
    • 累進配当、DOE3%以上を掲げ、株主還元を重視

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 株価の変動傾向
    • 直近10日で株価は4,000円前後から4,400円台へ上昇し、出来高も増加傾向
    • 52週で42.74%上昇と、業界平均・市場平均を上回る
  • 影響要因
    • 業績の堅調推移、安定配当政策、鉄道インフラ需要の安定、株主構成の安定性(JR東日本等)などが株価を支えています

11. 総評

東鉄工業は、鉄道関連工事に強みを持ち、安定した受注基盤と堅実な財務体質を有する建設会社です。近年は売上・利益ともに増加傾向で、ROEや利益率も良好な水準となっています。配当利回りも3%台と安定的で、累進配当・DOE重視の株主還元方針を継続しています。株価は直近高値圏にあり、上昇モメンタムが続いていますが、業界平均PERと比較しても割高感は限定的です。今後も鉄道インフラの維持更新需要や環境事業の拡大が収益を下支えする見通しです。


企業情報

銘柄コード 1835
企業名 東鉄工業
URL http://www.totetsu.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 建設・資材 – 建設業

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By シャーロット

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