モスフードサービス(8153)企業分析レポート
株価:3,970円(2025-08-08終値)/市場:東証プライム
1. 企業情報
- 概要:主力のハンバーガーチェーン「モスバーガー」をFC(フランチャイズ)中心に国内外で展開。紅茶専門の「マザーリーフ」など周辺飲食事業も運営。商品開発力に定評があり、「注文後調理」など品質志向の業態特性を持つ。提携先にダスキン。
- 事業構成(会社開示の表記に基づく):【連結事業】国内モスバーガー80、海外17、他飲食2、その他1(カッコ内は営業利益率を示唆する表記とみられる:8、3、-6、23/2025.3)
- 従業員:1,362人(平均年齢41.7歳、平均年収665万円)
- 本社:東京都品川区大崎2-1-1 ThinkPark Tower
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:国内ハンバーガー系ファストフードで上位(業界2位とされる)。FC比率8割強でロイヤリティ収入を基盤とする運営が特徴。
- 競争優位性:
- 商品力・新商品投入の速さと品質志向(地域限定含む)が集客に寄与。
- 注文後調理や原材料へのこだわりによるブランド差別化。
- 高い自己資本比率とネットキャッシュを背景にした投資余力。
- 課題:
- 人件費・原材料・エネルギーコストの上昇、為替変動の影響。
- 価格競争/提供スピード重視の競合環境。
- 海外事業の収益性改善・店舗網最適化の継続課題。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン(中期):2025–2027年度の中期経営計画で「世界が注目するアジアオンリーワン企業」を目指す。
- 重点施策(短信・会社開示より)
- 国内:商品開発・マーケティング強化、価格のグラデーション化(価格帯の最適化)、地域密着型運営、在庫回転率向上などのコスト抑制。
- 海外:定番×ローカライズ商品の両立、店舗の収益性改善とブランド強化、店舗網の最適化(Q1で4店減)。
- 新規飲食:サービスレベル向上、テイクアウト・デリバリー拡大、紅茶の卸売強化。
- サステナビリティ:4つのマテリアリティを特定しESG推進。
- 業績計画(変更なし)
- 売上高970億円、営業利益52.5億円、経常利益54.5億円、純利益29億円、EPS 94円(いずれも通期予想)
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:FC中心のため、ロイヤリティ収入が基盤。設備投資負担が相対的に軽く、景気局面やコスト変動に対して一定の耐性。
- 適応力:
- 価格帯の最適化、新商品投入、地域限定企画により需要の微調整が可能。
- デリバリー・テイクアウトの強化で需要変動に対応。
- コスト高・為替に対してはメニュー設計・調達最適化・在庫回転改善で吸収を図る。
- リスク:輸入原材料価格・為替、労働需給、海外ローカルリスク。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・運営面:商品開発力、オペレーション改善(在庫回転率の改善等)、デリバリー対応などの運営最適化。
- 主力:モスバーガーの定番・新商品・地域限定商品が収益を牽引。周辺領域として「マザーリーフ」(紅茶・スイーツ)や関連カフェ業態を展開。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提(主に「各種指標(過去12か月)」準拠)
- 株価:3,970円、時価総額:約1,270億円、BPS:1,773.59円
- EPS(会社予想):93.99円、EPS(過去12か月):約102.03円
- EBITDA(LTM):約101億円、現金248億円、純有利子負債:実質ネットキャッシュ(有利子負債49億円<現金)
- 指標(計算値)
- 予想PER:3,970円 ÷ 93.99円 ≈ 42.2倍(会社開示と一致)
- 実績P/E(LTM):3,970円 ÷ 102.03円 ≈ 38.9倍
- PBR:3,970円 ÷ 1,773.59円 ≈ 2.24倍(公表2.27倍)
- EV/EBITDA:EV(約1,271-248+49=1,072億円)÷ 101億円 ≈ 10.6倍(注:LTM・四半期基準の差異あり)
- 参考P/S:時価総額約1,270億円 ÷ 売上約975億円 ≈ 1.3倍
- 業界平均との比較(参考)
- 業界平均PER:約12.1倍、PBR:約1.0倍
- 同社は平均比で高位水準に位置。
- 配当利回り:30円/株(会社予想)→ 約0.76%(配当性向:約29%)
7. テクニカル分析
- 株価レンジ:52週高値3,980円/安値3,335円。現状は52週高値圏(年初来高値付近)。
- トレンド:50日移動平均3,744円、200日移動平均3,655円をいずれも上回る上昇基調。直近10日でジリ高。
- 需給(信用):信用倍率0.65倍(売り残>買い残)。短期的な需給の偏りがある一方、出来高は3カ月平均(約4.6万株)と同程度。
- 直近イベント:8/8に第1四半期決算開示、株価は高値圏を試す動き。
8. 財務諸表分析
- 成長推移(通期ベース)
- 売上高:784億円(2022)→ 851億円(2023)→ 930億円(2024)→ 962億円(過去12か月/表中)と拡大基調。
- 営業利益:34.7億(2022)→ 0.4億(2023)→ 41.9億(2024)→ 52.2億(LTM)へ回復。
- 純利益:34.2億(2022)→ ▲3.2億(2023)→ 25.7億(2024)→ 31.5億(LTM)。
- 収益性
- 営業利益率:LTMで約5–7%台(公表指標7.24%、損益表ベース約5.4%とデータ差あり)。
- 純利益率:LTM約3.6%(公表指標)。
- 効率・安全性
- ROE(実績):5.95%、ROA(LTM):4.74%。
- 自己資本比率:67.1%(実績)、Q1時点69.1%と上昇。
- 流動比率:2.46、D/E(総負債/資本):約9%台。現金248億円・有利子負債49億円でネットキャッシュ。
- セグメント(2026年3月期第1四半期)
- 国内モスバーガー:売上191.0億円(+8.0%)、セグメント利益20.1億円(+40.3%)。
- 海外:売上38.7億円(▲5.6%)、セグメント利益1.46億円(+248%)。
- 新規飲食:売上5.0億円、セグメント損失0.61億円(損失拡大)。
- その他:売上3.16億円、セグメント利益1.29億円。
- キャッシュフロー:当第1四半期のCF計算書は未作成(短信記載)。
9. 株主還元と配当方針
- 配当:会社予想30円(利回り約0.76%、5年平均利回り0.82%)。短信上は「期末15円予想」表記があり、四半期配当等との組合せで年間相当30円と解されるデータが併存。最新の正式発表を要確認。
- 配当性向:約29%(予想)。
- 自己株式・株主還元:ESOP信託の継続と追加拠出、株式報酬としての自己株式の処分を決議(自己株式比率2.2%)。自社株買いの新規記載は確認できず。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:決算後に年初来高値圏を試す展開。50日・200日線上で上昇モメンタム維持。
- 関心材料:
- Q1で売上・各段階利益が前年同期比で増加、販管費抑制や在庫回転改善が寄与。
- 価格のグラデーション化や新商品・地域限定の効果。
- インバウンド回復や雇用・所得環境の改善の追い風。
- 留意点:国際情勢による景況感、原材料・エネルギー価格の高止まり、為替変動、海外店舗最適化の進捗など。
11. 総評
- 事業面:FC比率の高い収益構造と商品開発力を背景に、国内主力の堅調さが確認できる。海外は店舗最適化を進めつつ収益性が改善。
- 財務面:高い自己資本比率とネットキャッシュで安全性は高位。売上・利益とも回復基調。
- バリュエーション:PER・PBRは業界平均比で高位水準。EV/EBITDAやP/Sでもプレミアムが示唆される。
- 株価テクニカル:52週高値圏、主要移動平均線の上に位置。信用需給は売り超。
- 総合所見:品質志向×FCモデルという特性で安定性と成長投資の両立を図る一方、コスト・為替・海外展開の変動要因に対するモニタリングが重要。配当は安定的だが、短信と各種データの記載差異(配当時期・年額表記など)は最新開示の確認が必要。
注記:
– 本資料は提供データに基づく客観的な情報整理であり、投資勧誘・投資助言を目的としたものではありません。
– 一部の数値は情報源により期間や算定基準が異なり差異が生じています(特にLTMの売上・利益率、EBITDA、配当表記等)。最新の有価証券報告書・決算短信等でご確認ください。
企業情報
銘柄コード | 8153 |
企業名 | モスフードサービス |
URL | http://www.mos.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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