富士製薬工業(4554)企業分析レポート
株価:1,397円(2025-08-08終値基準)/市場:東証プライム/業種:医薬品
1. 企業情報
- 概要
- 後発医薬品(ジェネリック)大手。注射剤に強みを持ち、女性医療(不妊治療剤など)と急性期医療(血管造影剤など)を主力に展開。
- バイオ後続品(バイオシミラー)、新薬、受託製造(CMO)も手がけ、国内外で製造・販売。
- 1959年創業、東京本社。連結従業員1,659人。
- 事業構成(2024.9期)
- 女性医療 44%/急性期医療 37%/海外 9%/その他 10%(単一セグメント:医薬品)
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 国内ジェネリック市場で、注射剤・女性医療領域に特化したプレイヤー。製剤技術(無菌・注射)や薬事対応、安定供給力が参入障壁。
- 競争環境・課題
- 日本は薬価抑制が継続し、年次薬価改定により価格下落圧力が強い。
- 2020年以降の供給問題を背景に、品質・安定供給の信頼性確保が重視される一方、原材料・エネルギーコスト上昇や為替影響が収益を圧迫。
- 競合:沢井製薬、東和薬品、日医工、ニプロファーマ等(バイオシミラーは内外大手との競合)。
- 市場シェア
- 定量的なシェアは開示情報からは不明。
3. 経営戦略と重点分野
- 長期ビジョン2035の4本柱
- 女性医療での貢献拡大
- バイオシミラー事業の拡大
- グローバルCMO事業による収益貢献
- 次の成長ドライバーの仕込み・見極め
- 経営基盤強化
- 人財の強化、組織機能の高度化、デジタルの推進
- 2025年9月期の方針(通期予想据え置き)
- 売上 533.6億円(+15.7%)、営業益 48.5億円(+25.0%)、純利益 33.8億円(+45.0%)、EPS 139.07円
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 主力の注射ジェネリック・女性医療薬・造影剤で安定収益を確保しつつ、バイオシミラーとCMOで成長性を補完。
- 適応力
- 薬価改定による価格下落は構造的。新製品導入、ポートフォリオ再構築、製造効率化・原価低減、CMO外部収益でバッファを確保するモデル。
- 為替・原材料価格のボラティリティに対して、調達・生産の最適化が重要。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性
- 無菌注射製剤技術・品質管理を強みとし、女性医療および急性期領域の製剤ノウハウを蓄積。
- バイオ後続品の開発・製造、体外診断やCMOのケイパビリティを拡張中。
- 収益ドライバー(カテゴリ)
- 不妊治療関連、血管造影剤、バイオシミラー、受託製造(CMO)
- 個別品目の売上寄与は非開示。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 指標(予想ベース)
- 予想EPS:138.59円/BPS(実績):1,863.21円
- PER:約10.1倍(業界平均 27.8倍)
- PBR:約0.75倍(業界平均 1.4倍)
- 配当利回り(予想):約3.26%、配当性向(予想):約32.6%
- 参考
- ROE(実績):14.17%、自己資本比率(実績):50.6%
- 期間・算定基準の違いにより、LTMベースの外部指標と乖離が見られる点に留意。
7. テクニカル分析
- トレンドと位置
- 50日移動平均:1,348.76円、200日移動平均:1,393.49円。終値1,397円は両移動平均の上にあり、200日線付近での推移。
- 直近10日レンジ:1,366~1,430円程度での持ち合い。
- レンジ感
- 52週高値:1,643円、52週安値:1,180円。終値は52週レンジの中位付近。
- 需給
- 信用倍率:39.92倍(買い長)。出来高は直近で増加傾向(当日11.7万株、3カ月平均約5.9万株)。
8. 財務諸表分析
- 成長性
- 売上高推移(百万円):33,990(2021)→35,426(2022)→40,889(2023)→46,138(2024)と増加基調。2025年9月期3Q累計は前年同期比+11.5%。
- 収益性
- 粗利率:約38.7%(2024実績ベース)。
- 営業利益:3,883百万円(2024)で安定。LTM営業利益率は約8.3%。
- 2025年9月期3Q:売上増と販管費抑制で営業益+52.0%。純利益は前年の売却益等の一過性要因剥落で-62.7%。
- 効率・安全性
- ROE(実績):14.17%/ROA(LTM):約3.46%。
- 自己資本比率:48.7~50.6%(やや低下)。
- 流動比率:1.53倍。総有利子負債:約315.9億円、現金約69.1億円。
- キャッシュフロー
- EBITDAは増加傾向(開示値あり)。詳細CFは四半期短信では非開示。
※ 一部LTM値と実績値で期間差があり、指標に乖離が見られます。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2024年:年間42.5円。2025年予想:年間45.5円(期末25.5円)。
- 予想配当性向:約32.6%。5年平均利回り:約2.84%。
- 自己株式
- 自己株式比率:約1.6%。足元の新規自己株買い情報は不明。
- 株主構成
- インサイダー保有:約48.6%、機関投資家保有:約10.8%。浮動株は限定的(約1,233万株)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 52週変化率:約+15.2%。直近は1,380~1,420円での往来で方向感は限定的。
- 需給・イベント
- 信用買い残が多く、短期の値動きに影響する可能性。
- 直近イベント:決算(2025/8/6~12予定)、配当落ち日(2025/9/29)。新製品・BS(バイオシミラー)進捗、薬価改定や原材料価格・為替動向が注目要因。
11. 総評
- 事業面
- 女性医療と急性期の注射剤に強み。ジェネリックの価格下落圧力に対し、バイオシミラーやCMOでの成長・分散を図る戦略。
- 財務・収益
- 売上は堅調に拡大。2025年は営業面で改善が進む一方、前年の一過性益剥落により純利益の前年比評価には注意が必要。
- バリュエーションと株価位置
- 予想PER約10倍、PBR約0.75倍。配当利回りは約3.3%。株価は200日線近傍で、52週レンジ中位に位置。
- リスク・留意点
- 薬価改定、原材料・エネルギー価格、為替動向、供給安定性が主なリスク。データはLTM・実績・会社予想で期間が異なるため指標比較時の整合に留意。
本レポートは公開情報に基づく客観的な整理であり、投資判断を目的とした助言を行うものではありません。
企業情報
銘柄コード | 4554 |
企業名 | 富士製薬工業 |
URL | http://www.fujipharma.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 医薬品 – 医薬品 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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