日本高純度化学(4973)企業分析レポート

株価:3,205円(2025-08-08終値)/市場:東証プライム/業種:化学(スペシャリティ化学)

1. 企業情報

  • 概要・事業内容
    • 貴金属(Au、Pd、Ag)を中心とした電子部品向けめっき薬品の開発・製造・販売の専業メーカー。プリント基板(PWB)・半導体搭載基板、コネクタ、マイクロスイッチ、リードフレーム向けが主力。
    • 製品例:半導体・接続部位用の金めっき(電解/フラッシュ/ストライク)、パラジウム電解/無電解、銀めっき(非シアン置換銀など)、ワイヤボンディング/はんだ付け対応薬品、タンク向け抗菌剤、不純物除去樹脂、カーボンフィルター等。
    • ファブレス色が強く、開発・品質管理・顧客サポートに集中。
    • 売上構成(単独/2025.3):PWB・半導体搭載基板 45%、コネクタ・マイクロスイッチ 15%、リードフレーム 38%、他 2%。海外売上比率 49%。
    • 特徴:電子部品の接続信頼性に直結する高純度・高信頼の処方設計。売上原価は貴金属市況に連動。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション
    • 電子部品接続部位向けの貴金属めっき薬品に特化するニッチプレーヤー。評価・採用には長期間と高い品質保証が必要で、スイッチングコストは相対的に高い。
  • 競争優位性
    • ワイヤボンディングや微細配線など高信頼分野での処方・不純物管理ノウハウ。
    • 顧客ライン適合・立上げ支援・トラブルシューティング等のアプリケーションエンジニアリング能力。
  • 課題
    • 貴金属価格の変動が粗利率に影響(完全なパススルーが困難な局面も想定)。
    • エンド市場(スマホ/PC、メモリ、車載・産機)の景気循環の影響。
    • 規制対応(環境・薬品安全)と技術高度化への継続投資。

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン・基本方針
    • 主力の貴金属めっき薬品に経営資源を集中し、信頼性・生産性・環境適合性を高める製品開発で需要変動に対応。
  • 中期経営計画(FY2025–FY2027)抜粋
    • 政策保有株式の純資産比率を20%未満へ縮減(資本効率・財務の透明性向上、評価変動リスク低減)。
    • 配当方針:配当性向に加えDOE(自己資本配当率)5%を下限として導入(2024年期から)。
  • 重点分野(会社開示・足元動向から)
    • AIサーバ/データセンター関連の高信頼接続領域での需要取り込み。
    • 環境対応(非シアン・省資源)と不純物管理ソリューションの強化。
    • 海外需要の取り込み(海外売上比率49%)。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル
    • 薬品販売(継続的な補充需要)+周辺資材(不純物除去樹脂・フィルター等)。顧客ラインに適合したレシピ・運転条件の継続サポートが関係維持に寄与。
  • 持続性評価
    • 長期評価・品質要求の高さは参入障壁として機能。一方で、貴金属市況やエンド市場サイクルの影響を受けやすい。環境規制・歩留まり改善の潮流は高付加価値処方への需要を喚起。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術動向・独自性
    • 非シアン系銀置換、無電解Pdなど環境・プロセス負荷低減技術。
    • 微細・高密度化に対応する金系処方(ワイヤボンド/はんだ接合両対応)と不純物管理技術。
  • 収益牽引
    • PWB/半導体搭載基板、リードフレーム、コネクタ向けのAu/Pd/Ag系めっき薬品群が主力。AIサーバ/データセンター関連の需要が足元の売上を押上げ(Q1売上+10.7%)。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 現在株価:3,205円
  • 会社予想EPS:86.56円 → 予想PER:約37.0倍
  • 実績BPS:2,389.64円 → PBR:約1.34倍
  • 配当:年126円(予想)→ 配当利回り:約3.93%、配当性向:約46%
  • 業界平均との比較
    • 業界平均PER:20.4倍に対し同社予想PERは高位。
    • 業界平均PBR:1.1倍に対し同社PBRはやや上位。
  • 参考情報
    • 過去12か月EPS(希薄化後):約271円は、特別要因(投資有価証券関連など)を含む可能性が高く、会社の通期予想(86.56円)とは水準が大きく異なる点に留意。

7. テクニカル分析

  • トレンド・水準
    • 50日線:3,164円、200日線:3,140円。現値は両移動平均線を上回る推移。
    • 直近レンジ:3,125–3,240円程度でのもみ合い。終値はレンジ上部近辺。
    • 52週:高値3,540円(現値は高値比約-9%)、安値2,681円(現値は安値比約+19%)。
  • 売買動向
    • 3カ月平均出来高:約1.16万株、直近10日平均:約1.00万株と同程度。
    • 信用取引:信用買残8,000株(前週比-1,900)、信用売残ほぼゼロ(倍率は算出不可)。レバレッジ需給の影響は限定的。

8. 財務諸表分析

  • 売上・利益(単独)
    • 売上高推移:18,714百万円(2022)→16,255(2023)→11,420(2024)→12,611(2025)
    • 営業利益:1,202(2022)→568(2023)→354(2024)→503(2025)
    • 粗利率:2022約11.7% → 2025約12.9%(市況・ミックスで変動)
    • 2025期の当期純利益は特別要因を含み高水準(特別損益1,511百万円)。Normalized Incomeは約479百万円。
  • 収益性
    • LTM営業利益率(会社データ):2.73%
    • 2025期営業利益率(計算値):約4.0%
    • LTM純利益率(会社データ):11.16%(特別要因影響含む可能性)
    • ROE:実績11.29%(LTM参考10.10%)
    • ROA(LTM):1.68%
  • キャッシュフロー・財務安全性
    • 現金等:70億円(直近四半期)。流動比率:26.88と厚い流動性。
    • 自己資本比率:86.4%(2026年3月期Q1)/実績85.2%(前期)と堅健。
    • 政策保有株式の縮減方針により、評価変動・特別利益の影響は段階的に平準化の可能性。
  • 四半期(2026年3月期Q1)
    • 売上:+10.7%(AIサーバ/データセンター向け好調)
    • 営業利益:-37.8%、純利益:-50.2%(民生・メモリ、車載・産機の弱含みや在庫調整の影響)

9. 株主還元と配当方針

  • 配当実績・予想:年間126円(2025期・2026期予想)、予想利回り約3.93%。
  • 方針:配当性向にDOE5%下限を併用。内部留保と成長投資を勘案しつつ柔軟に還元。
  • 自社株:自己株式比率約4.8%(290,700株)。自己株買いの有無は記載なし。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • モメンタム
    • 50日線・200日線とも上回り、短中期は緩やかな上向き基調。
    • 過去1年の騰落率:+0.47%(Beta 0.17と低ボラティリティ)。
  • 投資家関心・需給
    • インサイダー保有35.1%、浮動株約320万株。日々の出来高1万株前後で流動性は限定的。
    • 直近イベント:2026年3月期Q1決算(7/25公表)。次の配当権利落ち:2025/9/29。

11. 総評

  • 事業面
    • 電子部品接続用の貴金属めっき薬品に特化し、評価・品質要求の高さが参入障壁として機能。AIサーバ/データセンター関連は追い風。一方で民生・メモリ、車載・産機の足踏みや在庫調整、貴金属市況の変動は収益に影響。
  • 財務面
    • 高自己資本比率・高流動比率で財務は堅健。2025期の最終利益は特別要因の影響が大きく、Normalized指標や会社予想(EPS 86.56円)での評価が参考となる。
  • 株価・バリュエーション
    • 予想PERは業界平均を上回り、PBRもやや上位水準。配当利回りは5年平均(3.26%)を上回る。テクニカルには移動平均線上での推移が続き、レンジ上限圏。
  • 留意点
    • エンド市場の需要回復のタイミング、貴金属価格の動向、政策保有株式の売却進捗と特別損益の影響、環境規制への対応状況が注目点。

本資料は公開情報に基づく情報提供であり、投資勧誘・助言を目的とするものではありません。投資判断はご自身の責任でご検討ください。


企業情報

銘柄コード 4973
企業名 日本高純度化学
URL http://www.netjpc.com/
市場区分 プライム市場
業種 素材・化学 – 化学

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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