8159 立花エレテック 分析レポート(プライム市場)

最終更新: 2025-08-10

1. 企業情報

  • 概要
    • 三菱電機系の技術商社。FA(Factory Automation)システム、半導体デバイス、施設(空調・受配電等)を三本柱に国内外で展開。MMS(金属加工の製造受託)・EMS(電子機器の製造受託)も取り扱い。
    • 1921年創業、2001年に現社名へ変更。本社は大阪市西区。
  • 主な取扱
    • FAシステム: PLC、インバータ、ACサーボ、モータ、配電制御機器、産業用ロボット、放電加工機、レーザ加工機、産業用PC、HMI 等(主に三菱電機製を中核)。
    • 半導体・電子デバイス: マイコン、ASIC、パワーモジュール、メモリ、アナログ/ロジックIC 等(ルネサス等)。
    • 施設: パッケージ/ルームエアコン、LED照明、太陽光、昇降機、特高受配電設備、監視・制御設備 等。
  • 事業構成(連結、2025.3期実績の目安)
    • FAシステム: 売上構成比約49%(営業利益率目安5%)
    • 半導体デバイス: 約38%(同3%)
    • 施設: 約10%(同3%)
    • その他: 約3%
    • 海外売上比率: 17%

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション
    • 三菱電機の有力販売パートナーとしてFA機器に強み。半導体はルネサス等の国内メーカー商材にも対応。FA×半導体×受配電/空調を束ねる「技術商社」機能と、MMS/EMSまで含む対応幅が特徴。
  • 競争環境
    • 競合はFAや半導体に強い技術商社(例:たけびし、菱電商事、リョーサン、マクニカ、加賀電子 など商材・領域が一部重複)。
  • 競争優位性(示唆)
    • 三菱電機系の販売網・技術支援力、ソリューション提案(FAシステムの設計・立上げ支援)と製造受託までの一気通貫。
  • 課題
    • 半導体/FAの在庫・設備投資サイクル影響、仕入先依存度、マージンの薄さ(商社モデル由来)、中国需要や国際情勢の不確実性。

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン/方針
    • 中長期経営計画「NEW C. C. J2200」(最終年度)を推進。DXの社内外展開、将来への投資継続を明言。
  • 重点分野(短信・IR記載を反映)
    • FA/半導体の在庫調整を踏まえた需要見極めと収益性維持。
    • 施設分野では酷暑対応の空調更新需要、データセンター向け特高受配電設備の取り込み。
    • MMS/EMSの拡大(Q1で堅調)。
    • 展示会(FOOMA JAPAN、関西物流展)を通じた案件創出。
  • 通期見通し(据え置き)
    • 売上高 2,250億円(前期比+2.2%)
    • 営業利益 75億円(+18.8%)
    • 経常利益 80億円(+7.9%)
    • 親会社株主に帰属する当期純利益 55億円(+21.9%)
    • EPS 239.92円

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル
    • 仕入販売に技術支援・ソリューション提案を組み合わせる商社型。大型の設備・更新需要、製造業の自動化投資、データセンター/省エネ投資に連動。
  • 持続性評価の観点
    • 強み: マルチセグメント(FA/半導体/施設/製造受託)による分散、アフター/更新需要、顧客密着の技術サポート。
    • 変化適応: パワー半導体、データセンター電力設備、環境・省エネ分野など構造テーマへの対応を進めている旨が短信に記載。
    • 留意点: マクロ環境や供給網の変動、仕入先・顧客の在庫調整長期化による短期収益変動。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術開発・独自性
    • 自社での半導体/FA開発というより、仕入先の先端商材を組み合わせ、システム提案・エンジニアリング・製造受託まで繋ぐスキームに特色。
  • 主力領域/収益牽引
    • FAシステム(PLC、サーボ、ロボット等)と半導体(マイコン、パワーモジュール、メモリ等)が柱。
    • 施設では空調更新、LED、データセンター向け受配電設備が寄与(2026年3月期1Qは施設の利益が増加)。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 前提
    • 株価 2,877円、時価総額 約720億円、BPS 4,159.24円、自己資本比率 57.4%(期末実績)
    • 会社予想EPS 239.92円、LTM EPS 約299.78円(データ提供値)
  • 指標比較

    • 予想PER: 2,877円 / 239.92円 ≈ 11.99倍(業界平均PER 12.1倍と近い水準)
    • 実績PBR: 2,877円 / 4,159.24円 ≈ 0.69倍(業界平均PBR 1.0倍を下回る)
    • 参考EV/EBITDA(概算):
    • EV ≈ 719.98億 + 有利子負債107.1億 − 現金203.3億 ≈ 623.8億円
    • LTM EBITDA(直近指標 84.3億円ベース)→ EV/EBITDA ≈ 7.4倍

    (期末ベースのEBITDA 109.8億円を用いると約5.7倍。指標時点により差がある点に留意)
    – コメント
    – 予想EPSはLTMより低く、足元の利益水準の調整を織り込む前提(在庫調整やQ1の減益を反映)。

7. テクニカル分析

  • 株価位置
    • 52週高値 2,948円、安値 1,957円。現値は高値近辺。
    • 50日移動平均 2,684.74円、200日移動平均 2,559.31円の上方で推移。
  • 短期推移(直近10営業日)
    • 8/7に年初来高値 2,948円、その後は2,877円で引け(8/8)。高値圏でのもみ合い。
  • 出来高
    • 3カ月平均 約3.23万株、直近 3.79万株。流動性は平均並み~やや上振れ。
  • 総合所見(テクニカル)
    • 高値圏に近く、2,950円近辺に心理的節目。直近の支持は2,850円前後(短期日中安値帯)。

8. 財務諸表分析

  • 売上・利益(連結)
    • 2022/3: 売上 1,934億円、営業利益 67億円、純利益 51億円
    • 2023/3: 売上 2,273億円、営業利益 103億円、純利益 78億円
    • 2024/3: 売上 2,310億円、営業利益 108億円、純利益 85億円
    • 2025/3: 売上 2,201億円、営業利益 82億円、純利益 70億円
    • 傾向: 2024/3をピークに2025/3は減収減益(在庫調整影響)。粗利率は約13%台、営業利益率は2025/3で約3.7%。
  • 直近期(2026/3期1Q、前年比)
    • 売上 △6.9%、営業利益 △26.7%、経常利益 △47.5%、純利益 △46.3%。
    • セグメント: FAは減収も利益は小幅減、半導体は減益幅大、施設は増益、その他は黒字転換・拡大。
  • 収益性・効率
    • LTM(提供指標): 営業利益率 約2.1%、純利益率 約3.0%、ROE 6.84〜7.51%、ROA 約3%。
  • 安全性・流動性
    • 現金同等物 約203億円、有利子負債 約107億円(ネットキャッシュ)。
    • 流動比率 2.38、自己資本比率 57.4%→1Q時点で59.6%に改善。
  • キャッシュフロー
    • 1QのCF計算書は未作成。減価償却費は1Qで1.35億円。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当
    • データ提供の会社予想: 年間100円(予想利回り約3.48%)。
    • 決算短信記載: 2025/3期 実績 50円、2026/3期 予想 50円。
    • 上記に差異があり、最新の会社開示での確認が必要。
  • 配当性向
    • 参考値(提供指標): 約33%。
  • 自己株式・その他
    • 自己株式保有比率 8.18%。直近の自社株買い情報はデータ内に未記載。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • モメンタム
    • 52週騰落 +19.28%。主要株価指数(S&P500)の同期間+19.55%と同程度。
    • 50日・200日線を上回り、上昇基調を示唆。
  • 投資家関心(供給需給)
    • 信用買残 87,100株、売残 10,700株、信用倍率 8.14倍。買い越し優位で短期の値動きに影響。
    • インサイダー保有 30.95%、機関保有 19.16%、フロート約1,585万株。

11. 総評

  • まとめ
    • 三菱電機系の技術商社としてFAと半導体に強み。施設・受配電、MMS/EMSまで含む広い提供価値が特徴。
    • 2025/3期は在庫調整で減益、2026/3期1Qも半導体中心に減益。一方、施設や製造受託は堅調。
    • 会社計画は通期での回復を見込む(営業増益予想)。データセンターや省エネ需要、パワー半導体等の構造テーマは事業と親和性がある。
    • バリュエーションは予想PERが業界平均並み、PBRは平均を下回る水準。株価は52週高値圏で推移。
  • 留意点
    • 半導体/FAの在庫調整長期化、海外需要(特に中国)、通商/地政学リスクの影響。
    • 配当予想(50円/100円)の表記差異は最新IRでの確認が必要。
    • 短期的には高値圏で信用買い越しが強い点が値動きに影響し得る。

(本資料は提供データに基づく客観的な整理であり、投資判断を目的とした助言ではありません。不明点は記載を控えています。)


企業情報

銘柄コード 8159
企業名 立花エレテック
URL http://www.tachibana.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 商社・卸売 – 卸売業

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。

本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。

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By シャーロット

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