6480 日本トムソン(IKO)企業分析レポート

株価: 610円(終値ベース)/市場: 東証プライム/業種: 機械
時価総額: 約448億円

1. 企業情報

  • 事業概要:
    • 針状ころ軸受(ニードルローラーベアリング)、直動案内機器(リニアガイド)、精密位置決めテーブル等を「IKO」ブランドで展開。
    • 主力は半導体・FPD製造装置向けの直動案内機器と、二輪車向けニードル軸受の二本柱。少量多品種で高付加価値品を供給。
  • 事業構成(連結 2025/3期):
    • 軸受等 88%、機械部品 12%
  • グローバル展開:
    • 日本、北米、欧州、中国、東南アジア、インドに販売・生産体制。
  • ブランド特長:
    • カムフォロア、クロスローラーベアリング、リニアガイドなど、コンパクト・高剛性の製品群と長寿命・保守性(例:C-Lube等)に強み。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • 競争環境:
    • 直動案内機器は国内ではTHKなどが大手。軸受はNSK、NTN、JTEKT、MinebeaMitsumi、SKF、Schaeffler等のグローバル大手と競合。
  • ポジショニング:
    • 大量汎用品よりも、精密・小型・高剛性のニッチ領域やカムフォロア等で存在感。二輪車向けニードル軸受でも実績。
  • 競争優位と課題:
    • 優位性: 少量多品種による提案力、高付加価値製品、グローバル供給体制。
    • 課題: 半導体・設備投資サイクルや為替の影響を受けやすい。欧州需要の変動、原材料コストの変化も収益に影響。

3. 経営戦略と重点分野

  • 中期計画: 「IKO中期経営計画2026 Connect for Growth」
    • 強い領域(半導体・FA・ロボット・二輪等)に集中し収益性と効率性を向上。
    • グローバル供給体制の最適化(生産拠点の再構築・最適配置)。
    • 高付加価値製品の拡充(新製品投入)。
    • 販売網の強化(例:つくば営業所開設、需要開拓)。
  • 2026/3期1Qの進捗:
    • 売上+14.9% YoY、営業利益大幅増(前年の棚卸評価影響の反動含む)。通期予想は据え置き。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル:
    • 産業機械・半導体装置・二輪車向けに高付加価値の機械要素部品を提供。アフター需要・置換需要も一定。
  • 需要特性と適応力:
    • 半導体・装置投資はサイクル影響が大きい一方、少量多品種・カスタム対応で価格競争に陥りにくい領域を志向。
    • 地域・用途分散でサイクル平準化を図る一方、欧州の為替・需要減速など外部要因には影響を受ける。

5. 技術革新と主力製品

  • 主力:
    • 直動案内(Linear Way/Linear Roller Way、Crossed Roller Way)、カムフォロア、クロスローラーベアリング、ボールスプライン等。
    • 精密位置決めテーブル(ボールねじ、リニアモータ、ベルト、ウォームギア駆動)。
  • 技術トピック:
    • 高剛性・高精度・長寿命化、メンテナンスフリー化(潤滑保持機構)、小型・薄型化。
    • 半導体・FPD、FA/ロボット用途向けの高精度・低発塵等の要件への対応。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 株価: 610円
  • 会社予想EPS(連結): 21.68円 → 予想PER: 約28.1倍
  • 直近12カ月EPS: 14.15円 → LTM PER: 約43.1倍
  • BPS(実績): 1,101.53円 → PBR: 約0.55倍
  • 配当(会社予想): 年26円 → 予想配当利回り: 約4.26%
  • 参考比較:
    • 業界平均PER: 16.6倍、業界平均PBR: 1.4倍
    • 同社はPERは業界平均比で高め、PBRは約0.4倍相当と低位。
  • その他指標(LTMベースの概算):
    • 売上: 563.2億円、EBITDA: 54.7億円 → EV/EBITDA: 約9.6倍
    • EV ≒ 時価総額448億 + 有利子負債319.6億 − 現金241.7億 ≒ 527億円
    • PSR(時価総額/売上高): 約0.8倍

7. テクニカル分析

  • トレンド:
    • 50日移動平均: 557円、200日: 509円。株価610円は両方を上回り、中期・長期とも上向き基調。
  • 位置づけ:
    • 52週高値: 643円、52週安値: 380円。現在はレンジ上限近辺(レンジ内約88%地点)。
  • 需給・足形:
    • 直近で年初来高値圏(高値643円)に接近後、出来高増(本日23.7万株、3カ月平均12.4万株)で陰線引け。640円近辺に上値抵抗、600円近辺に短期サポートが意識されやすい価格帯。
    • 信用動向: 信用買残30.3万株(前週比+2.9万)、信用倍率3.49倍。買い残積み上がりは短期の振れに影響。

8. 財務諸表分析

  • 損益推移(連結・円千):
    • 売上高: 2022/3 62,284,000 → 2023/3 68,260,000 → 2024/3 55,048,000 → 2025/3 54,384,000
    • 営業利益: 5,899,000 → 9,460,000 → 3,164,000 → 1,593,000
    • 親会社株主に帰属する当期純利益: 4,134,000 → 7,469,000 → 2,674,000 → 978,000
    • 2026/3期1Q: 売上 149.38億円(+14.9%)、営業利益 7.31億円(前年同期比+243.9%)、四半期純利益 7.10億円
  • 収益性:
    • LTM営業利益率: 約4.9%、LTM純利益率: 約3.6%
    • ROE: 実績1.29%、LTM 2.62%、ROA LTM 1.16%
  • キャッシュ・財政:
    • 現金同等物: 241.7億円、有利子負債: 319.6億円 → ネット有利子負債 約77.9億円
    • 流動比率: 3.51と流動性は厚め
    • 自己資本比率: 約63%(1Q時点)
    • 利払い余力(2025/3期ベース目安): EBIT 26.23億円 / 利息2.66億円 ≒ 約9.9倍
  • コメント:
    • 2023/3期ピーク後に減収減益、2025/3期は利益水準が低下。2026/3期1Qは増収・増益で回復の兆し。前年の棚卸評価影響の反動や会計処理変更の影響もあり、継続性の見極めが論点。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当:
    • 2026/3期予想: 年間26円(中間13円・期末13円)、予想利回り約4.26%
    • トレーリング配当: 19円、5年平均利回り: 2.78%
  • 配当性向:
    • トレーリングで約134%、予想EPSベースでも100%程度を上回る水準(26円 / 21.68円 ≒ 約120%)となる見込み。
  • 自己株式:
    • 自己株比率 約4.2%(期中に自己株式4,286,752株)。自己株増減の目的・規模は個別開示の確認が必要。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • モメンタム:
    • 50日・200日線上での上昇トレンド。直近10営業日で高値切り上げ後に反落。年初来高値更新トライと戻り売りが交錯。
  • 需給と関心度:
    • 出来高は直近増加傾向(3カ月平均12.4万株に対し本日23.7万株)。信用買残の積み上がりは短期値動きへの感応度を高める要因。
  • 価格帯手掛かり:
    • 上値抵抗: 640〜643円(52週高値域)
    • 下値目安: 600円台前半、次いで50日線近辺(約557円)

11. 総評

  • 事業面:
    • 高付加価値の直動案内・ニードル軸受に特化し、少量多品種でニッチ領域に強み。半導体・FA・二輪分野の需要動向に感応。
  • 収益・財務:
    • 2025/3期は低収益だったが、2026/3期1Qは増収増益で回復基調。自己資本比率・流動性は良好、利払い余力も確保。
  • バリュエーション:
    • 予想PERは業界平均上回り、PBRは大きく下回る水準。配当利回りは高めだが、利益水準に対する配当性向は高い。
  • 市場評価・テクニカル:
    • 株価は52週レンジ上限近辺で推移し、移動平均線は上向き。高値圏での値動きの荒さと信用需給の影響に留意。
  • 留意点:
    • 為替、欧州需要、半導体・設備投資サイクル、原材料価格、通商政策など外部要因の影響。
    • 会計方針変更や前年の特殊要因の反動が1Qの伸びに含まれる点の見極め。

本資料は提供データに基づく情報整理であり、投資助言を目的とするものではありません。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。


企業情報

銘柄コード 6480
企業名 日本トムソン
URL http://www.ikont.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 機械 – 機械

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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