西松屋チェーン(7545)企業分析レポート
株価: 2,319円(2025-08-08終値)
市場: 東証プライム|業種: 小売業|時価総額: 1,613.8億円
1. 企業情報
- 事業内容
- ベビー・子ども衣料と育児・服飾雑貨等を扱う専門小売チェーン。全国のロードサイド型・大型標準店舗を展開し、日常使いの低価格商品を提供。
- プライベートブランド(PB)を中心とした「低価格・標準化・大量仕入れ」によるコスト優位性が特長。ECの拡大・機能強化も推進。
- 売上構成(単独、2025.2期)
- 子供衣料 34%
- 育児・服飾雑貨 57%
- ベビー・マタニティ衣料 9%
- 特色トピック
- 2026年2月期第1四半期時点で店舗数1,153(新規10、閉鎖2)。衣料(高学年向け)・チャイルドシート・紙おむつ等が好調。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- ベビー・子ども用品専門店の大手。全国規模の標準化フォーマットとPB比率の高さで価格競争力を確保。
- 競争環境・課題
- 専門店同士に加え、総合スーパー、ディスカウント、ドラッグストア、EC(モール/プラットフォーム)との業態横断競争が継続。
- 少子化による国内ベビー市場の構造的縮小は中長期の注視点。一方、キッズ領域拡大や需要のベーシック化による価格志向の強まりは同社フォーマットと親和的。
- 低価格維持に必要なサプライチェーン効率・在庫回転・物流コスト管理が重要。
3. 経営戦略と重点分野
- 基本方針
- PB中心の低価格戦略、標準化店舗の継続展開、EC拡大によるチャネル最適化。
- 足元の施策(2026年2月期1Q短信)
- 積極出店(1Qで純増8店)で売上の土台を拡大。
- 粗利率は改善(前年比+3.8ポイントではなく「3.8%増」の記載。増益寄与)。
- 需要領域の拡張(高学年衣料など)と生活必需品の強化。
- 自己株式の取得(2025年4月:14.0万株、約2.99億円)。
- 会社計画(現時点変更なし)
- 2026年2月期予想:売上高2,000億円(前期比+7.5%)、営業利益77億円(+6.9%)、経常利益140億円(+10.7%)、当期純利益93.05億円(+13.6%)、EPS 155.02円。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- PB×標準店舗×大量調達で原価・販管費を抑制するEDLP(常時低価格)志向。日常必需品比率が高く、景気変動耐性を一定程度確保。
- 適応力
- EC拡大、年齢レンジ拡張、品揃えの基本価値訴求で少子化・競争激化に対応。
- 為替・原材料・物流費の上昇はマージン圧迫要因。価格政策・在庫最適化・物流効率化が鍵。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・オペレーション
- 店舗標準化とサプライチェーン効率化(在庫・物流・値付けの仕組み化)を重視。EC機能は拡大方針。
- 収益牽引領域
- 育児・服飾雑貨(売上構成57%)と子供衣料(34%)。1Qは高学年向け衣料、チャイルドシート、紙おむつ等が牽引。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 指標比較(2025-08-08基準)
- 予想PER: 14.95倍(EPS 155.07円)
- 実績PBR: 1.49倍(BPS 1,554.62円)
- 参考:業界平均 PER 21.3倍、PBR 1.8倍
- 企業価値ベース
- 現金同等物: 696.1億円、総有利子負債: 7.2億円 ⇒ 正味現金約689億円
- EV(概算)= 時価総額1,613.8億円 − 正味現金約689億円 ≈ 約918億円
- EBITDA(LTM)約139.4億円 ⇒ EV/EBITDA ≈ 約6.6倍
- 時価総額/売上高(PSR)≈ 0.86倍(1,613.8/1,874.4)
- コメント
- 指標水準は業界平均と比較して相対的に落ち着いたバリュエーション。潤沢な正味現金(1株当たり約1,160円)が企業価値の下支え要素。
7. テクニカル分析
- 位置づけ
- 株価は50日線(2,140円)、200日線(2,184円)を上回り、年初来高値2,359円に接近。52週高値2,599円には未達。
- モメンタム
- 直近10営業日で約+6%上昇。出来高は10日平均33.6万株と3カ月平均17.9万株を上回り、短期関心の高まりが示唆。
- 需給(信用)
- 信用倍率0.05倍(買残8.4万株、売残176.4万株)。売り越し優位の需給で、イベント次第で値動きが振れやすい状態に留意。
8. 財務諸表分析
- 成長性(単独、年度)
- 売上高推移(億円):16,302(2022)→ 16,952(2023)→ 17,719(2024)→ 18,597(2025/過去12カ月)で増収基調。
- 収益性(LTM目安)
- 粗利率:約34.4%(6,403/18,597)
- 営業利益率:約6.6%(1,218/18,597)
- 当期純利益率:約4.4%(819/18,597)
- 1Q(2026.2期)営業利益率は約10.1%と四半期ベースで良好(季節性・商品構成の影響あり)。
- 効率・資本
- ROE:約9.3%(実績)、ROA:約5.2%(LTM)
- 自己資本比率:約61%(実績)
- 流動比率:約2.06倍(直近四半期)
- キャッシュフロー・財務安全性
- 現金等約696億円、有利子負債約7億円のネットキャッシュ。利払い負担は極小で耐性高い。
- 補足
- 減価償却費は緩やか(1Qで約3.9億円)。在庫と物流コストの管理が利益率の鍵。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 会社予想年間配当:31円(中間15円、期末16円)/利回り約1.34%(株価2,319円ベース)
- 配当性向:約22.7%(予想)
- 自社株買い
- 2025年4月に自己株式14.0万株(約2.99億円)取得。自己株式比率は約13%台(期等により変動)。
- 権利・イベント
- 権利落ち日:2025-08-19(予定)
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 短期は上昇基調で年初来高値圏に接近。低ベータ(0.19)ながら出来高増で関心上昇のサイン。
- 需給・外部要因
- 信用売残の積み上がり(倍率0.05倍)はボラティリティ拡大要因となり得る。
- 物価動向・為替(仕入コスト)・物流費、賃金動向、少子化トレンド、EC競合などが株価感応度の高いテーマ。
11. 総評
- 同社はPB比率の高い低価格戦略と標準化店舗を武器に、生活必需品中心の品揃えで安定的な需要を捉えている。1Qは増収増益で粗利率も改善、通期計画は据え置き。
- 財務はネットキャッシュで堅健、ROEは約9%と安定。バリュエーションは業界平均と比べ相対的に落ち着いた水準。EV/EBITDAも中庸。
- 一方、国内少子化や業態横断の競争、為替・物流コストなどの外部要因は利益率に影響し得る。信用市場では売り越し優位で、短期の値動きには留意余地がある。
- 中期的には、EC・オムニチャネルの深化、キッズ領域の拡張、サプライチェーン効率化の継続が成長と収益性の焦点となる。
注記:
– 本資料は公開情報に基づく客観的な企業分析であり、投資勧誘を目的としたものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。
– 数値は便宜上「過去12カ月(LTM)」や会社開示の四半期・通期予想等、複数ソースの混在があり得ます。各指標は開示条件や計上基準の違いで差異が生じる場合があります。
企業情報
銘柄コード | 7545 |
企業名 | 西松屋チェーン |
URL | http://www.24028.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 小売 – 小売業 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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