石原ケミカル(4462)企業分析レポート
本資料は公開情報に基づく客観的な整理であり、投資勧誘を目的とするものではありません。数値は連結ベース(特記ない限り)。不明点は記載を省略しています。
1. 企業情報
- 概要
- 金属表面処理剤(はんだ・銅・ニッケル等のメッキ薬品)と分析・管理機器を核に、電子材料(サブミクロンNi粉、セラミックス等)、自動車用化学製品(Uniconブランド)、工業薬品を展開する研究開発型メーカー。
- エレクトロニクス(半導体パッケージ、プリント配線板、ディスプレイ)向けが主力。自動車補修・整備向けのケミカルも柱。
- 海外展開:台湾等の先端電子部品向け市場に展開。連結売上の海外比率43%(2025.3期)。
- 事業構成(連結、2025.3期 売上構成/営業利益率)
- 金属表面処理剤・機器等 55%(営業利益率約20%)
- 電子材料 4%(約1%)
- 自動車用化学製品等 16%(約23%)
- 工業薬品 26%(約4%)
- 基本情報
- 市場区分:プライム、業種:化学
- 本社:神戸市兵庫区
- 従業員:280人、平均年齢39.1歳、平均年収約666万円
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- はんだメッキ薬・金属表面処理剤に強み。化学薬品と「化成処理液自動管理装置」などの機器・分析サービスを組み合わせたソリューション型提供が特徴。
- エレクトロニクスの前工程・後工程双方に関与し、半導体・電子部品の品質安定と歩留まり向上に寄与。
- 競合
- プリント配線板・表面処理薬品分野での主要プレーヤーとして、JCU(4975)、メック(4971)、植村(ウエムラ、4966)などが挙げられる。
- 市場シェア
- 具体的な数値は非開示。はんだメッキ薬での実績・認知は高いとみられる一方、需要はエレクトロニクス・自動車・鉄鋼など景気敏感業種の稼働に影響を受けやすい。
3. 経営戦略と重点分野
- 方向性(会社開示・短信要旨)
- 高付加価値製品の開発強化と国内外の営業活動による市場拡大。
- 金属表面処理剤・機器では、半導体パッケージ向けの拡大を追求。
- 自動車用化学製品はカーディーラーなど新規販路を開拓し製品群(エアコン洗浄剤・消臭抗菌・コーティング・洗車関連)を伸長。
- 電子材料(セラミックス・エンプラ)は半導体市況回復を取り込みつつ、製品ミックス改善を志向。
- ガイダンス(2026.3期 会社計画・据え置き)
- 売上高 245億円(前期比+3.7%)
- 営業利益 35.1億円(+3.2%)
- 経常利益 36.0億円(+4.1%)
- 親会社純利益 25.5億円(+3.4%)
- EPS 186.71円
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 消耗性の薬品需要(メッキ浴・処理薬品)は生産活動に連動し、稼働率に応じた継続収益が見込まれる。設備・管理機器や分析サービスを組合わせることでスイッチングコストを高める構造。
- 需要変動への適応
- 半導体・電子部品向けは循環影響を受けるが、自動車補修・整備向けや工業薬品で一定の分散。海外比率の高さも需要変動の平準化に寄与。
- リスク/留意
- 原材料(Ni、Sn等)価格や為替、環境規制(RoHS/REACH等)への対応コスト、顧客の設備投資サイクルの変動。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性
- 表面処理薬品(はんだ、銅、Ni系など)と、浴組成を安定させる自動管理装置・分析機器を一体で提供。品質管理の自動化・省人化を支援。
- サブミクロンNi粉(MLCC電極用途)、機能性セラミックス/エンプラ(半導体/LCD製造装置部材)など材料技術も保有。
- 収益を牽引する領域
- 金属表面処理剤・機器、自動車用化学製品(Uniconブランド)。2026.3期1Qでは自動車用化学が伸長、金属表面処理は一部エレクトロニクスの生産調整で減収。
6. 株価の評価
- 前提
- 株価 1,970円、発行済株式数 15,153,680株(自己株含む)、自社株比率 9.87%、時価総額 約298億円
- 会社予想EPS 186.71円、実績BPS 1,624.01円
- バリュエーション
- 予想PER:約10.55倍(=1,970/186.71)
- 実績PBR:約1.21倍(=1,970/1,624.01)
- 参考(過去12か月EPS 173.43円ベース):トレーリングPER 約11.36倍
- 配当利回り(会社予想):約2.23%(=44円/1,970円)、予想配当性向 約23%
- 業界平均比較(化学/スペシャリティ想定):PER 20.4、PBR 1.1
- PERは業界平均を下回る水準、PBRはやや上回る水準。
- EV/EBITDA(概算)
- 現金 82.8億円、EBITDA 約38~40億円(TTM)
- 有利子負債は軽微との前提で、EV/EBITDAはおおむね5.5~5.7倍程度(概算)
7. テクニカル分析
- 位置づけ
- 50日移動平均:1,942.6円、200日移動平均:2,157.4円
- 終値は50日線をやや上回り、200日線を下回る水準。中期は下方圧力が残る一方、直近はもみ合い~小反発局面。
- レンジ/出来高
- 52週レンジ:1,637~2,736円(年初来高値 2,454円)
- 現在値は52週安値比+約20%、52週高値比-約28%付近。
- 直近10日:1,946~2,048円のレンジ推移、出来高は当日1.74万株(3カ月平均2.88万株、10日平均3.72万株)でやや低調。
- 需給
- 信用買残 24,800株(前週比 -8,600)、信用倍率 3.54倍。買い残減少・売残減少で過熱感はやや後退。
8. 財務諸表分析
- 成長性(年度)
- 売上高:190.4億(2022)→203.5億(2023)→207.1億(2024)→236.3億(過去12か月/2025.3期)と増収基調。
- 営業利益:23.6億 → 21.4億 → 23.3億 → 34.0億
- 親会社純利益:20.5億 → 16.8億 → 19.1億 → 24.7億
- 収益性
- 粗利率:2025.3期 33.9%(6,272→6,679→8,006百万円へ改善)
- 営業利益率:過去12か月で約14.4%(PL表ベース:3,400/23,630)
- 直近四半期(2026.3期1Q):売上 -6.9% YoY、営業利益 -21.7% YoY。製品ミックスと販管費増でマージン低下。
- ROE 10.95%、ROA 7.31%(過去12か月)
- 安全性
- 自己資本比率:81.1%(2025.3期末)→82.3%(2025/6末)
- 流動比率:4.05(2025/6末)
- 現金等:82.8億円(2025/6末)。有利子負債は小さく、実質的にネットキャッシュ体質。
- キャッシュフロー
- 減価償却費:年5.39億円(TTM)。四半期132百万円(2026.3期1Q)。営業CFの詳細は未開示。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2025.3期:年40円(中間20/期末20)
- 2026.3期(会社予想):年44円(中間22/期末22)
- 予想配当性向:約23%、5年平均配当利回り 1.92%に対し、現行利回りは約2.23%
- 権利落ち予定:2025/9/29(予定)
- 自社株
- 自己株式:約9.87%保有。過去に株主還元としての買付実績が示唆されるが、直近の新規枠は未確認。
- その他
- 株式分割:2021/9/29に2:1実施。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 52週変化率:-17.71%(S&P500 +19.55%と対照的)
- ベータ:0.28(低ボラティリティ傾向)
- 200日線下での推移が続く一方、50日線近辺での底固めの様相。
- イベント
- 2026.3期1Qは減収減益。通期計画は据え置き。
- 直近の関心材料:半導体サイクル回復の強弱、鉄鋼・自動車業界の稼働/在庫、為替・原材料価格、配当権利取りの動きなど。
11. 総評
- 収益基盤
- 表面処理薬品×管理機器×分析サービスの組合せはスイッチングコストを高め、継続収益を支える構造。電子材料・自動車用化学・工業薬品で分散も図られている。
- 直近動向
- 1Qは一部エレクトロニクス・鉄鋼向けの調整で減収減益。ただし通期計画は維持され、高付加価値製品・販路開拓での回復を見込むスタンス。
- 財務
- 高自己資本比率・潤沢な現金と低借入で財務健全性は高い。
- バリュエーションと株価位置
- 予想PERは業界平均を下回り、PBRはおおむね平均並~やや上。株価は52週レンジの下寄り~中間域での推移。中期トレンドは200日線下、短期はレンジ内の持ち合い基調。
- 留意点
- 半導体・電子部品の生産調整、原材料・為替動向、顧客の設備投資計画、環境規制対応コストが業績変動要因。
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ご参考:売買・テクニカルに関する記述は一般的な市場データの整理であり、投資判断を助言・推奨するものではありません。最新の決算資料・開示をご確認のうえ、個別の判断を行ってください。
企業情報
銘柄コード | 4462 |
企業名 | 石原ケミカル |
URL | http://www.unicon.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 素材・化学 – 化学 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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