ビー・エム・エル(4694)企業分析レポート
- 市場区分: 東証プライム(サービス業/Diagnostics & Research)
- 株価: 3,565円(2025-08-12終値)/時価総額: 1,507.8億円
- 予想PER: 23.18倍/PBR: 1.08倍/配当利回り(会社予想): 3.37%
1. 企業情報
- 事業概要
- 医療機関向け受託臨床検査の大手。生化学・血液・免疫・微生物・病理など幅広い検査に対応し、腫瘍・感染症・糖尿病・高血圧・アレルギー・遺伝子検査等を展開。
- 自動化システム(Frontier/Symphony)により検体の前処理から測定までを自動化。
- 医療情報システム(電子カルテ等)、予防医療、食品衛生・水質検査、労働環境測定、農薬残留分析、創薬支援(SMO)、ゲノム解析等も手がける。
- 事業内訳(2025.3 連結)
- 生化学的検査 42%、免疫学的検査 22%、血液学的検査 9%、病理 8%、微生物 5%、その他 14%
- 特徴
- 全国ラボ網と検体物流、検査自動化・ITの内製力が強み。
- 従業員: 4,558人、平均年齢41.0歳、平均年収539万円。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 国内受託臨床検査の上位企業。全国展開のラボネットワークと多様な検査メニューを持つ。
- 競争優位性
- 検体集配網・検査自動化・IT(電子カルテ等)を組み合わせた運用効率。
- 医療機関向けの総合提供(検査+IT+関連サービス)。
- 課題
- 人件費等のコスト上昇、価格競争の激化、診療報酬改定の影響による採算圧力。
- コロナ特需剥落後の増収増益ドライバーの再構築。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・戦略(決算短信より)
- 新規顧客獲得の強化、既存顧客への新規・重点検査項目の拡販。
- 販売価格の適正化(採算重視)。
- 新棟稼働や設備更新による処理能力・効率向上。
- 医療情報システムはリプレース需要を着実に取り込み。
- SMO・調剤等の周辺事業も伸長。
- 株主還元・資本効率
- 自己株式取得(上限170万株、2025/8/12開始)→ 2025/9/12に全株消却予定。資本効率の向上を意図。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 医療機関からの検査受託が主。高齢化・慢性疾患増でベース需要は底堅い一方、単価・コストの管理が収益性の鍵。
- 適応力
- 自動化・ITによる省力化と品質担保でコスト上昇に対応。
- 高付加価値検査(遺伝子・病理・免疫等)の拡大や医療ITのストック収益性によりミックス改善を志向。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発
- 検体前処理~測定の自動化システム(Frontier/Symphony)でスループット・正確性を向上。
- ヒトゲノム解析、感染症感受性遺伝子検査など先端領域。
- 収益ドライバー
- 中核は臨床検査(生化学・免疫・病理等)。食品衛生や医療IT、SMOなどが補完。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 予想PER: 23.18倍(業界平均 17.0倍)
- 業界平均比では高めの水準。
- PBR: 1.08倍(業界平均 1.8倍)
- BPS(実績)3,292.78円に対し株価は約8.3%上回る水準。
- 参考指標
- 予想EPS: 153.82円、LTM EPS: 約160.4円
- 売上高PSR(LTM): 株価3,565円/1株当たり売上3,733.6円 ≈ 0.95倍
- 観点
- 利益水準はコロナ特需期(2022年)から大きく正常化。直近は増収・増益基調だが、PERは平均比で高め、PBRは平均比で低めというミックス。
7. テクニカル分析
- トレンド
- 終値3,565円は50日移動平均3,313円、200日移動平均2,988円を上回る上昇トレンド。
- 年初来高値・52週高値3,605円を本日更新(高値圏)。
- 出来高
- 本日出来高15.2万株は10日平均5.4万株・3カ月平均6.6万株を上回り、需給面の関心上昇が示唆。
- 信用動向
- 信用倍率0.13倍(売り残 > 買い残)。需給は売り超過。
8. 財務諸表分析
- 損益(単位: 百万円)
- 売上高: 186,067(2022)→ 159,462(2023)→ 137,964(2024)→ 143,191(LTM)
- 営業利益: 48,890 → 23,937 → 9,167 → 9,364
- 親会社純利益: 33,741 → 15,578 → 6,034 → 6,263
- コメント: 2022年の特需反動で縮小後、2025年は回復基調。2026年3月期1Qは売上3,802.6億円、営業利益280.4億円(前年比+10.1%)と堅調。
- 収益性(LTM)
- 粗利率: 約32%
- 営業利益率: 7.34%
- 純利益率: 4.41%
- ROE: 5.07%/ROA: 3.47%
- 安全性・流動性
- 自己資本比率: 72.9%(1Q短信では73.2%)
- 現金等: 654.6億円、流動比率: 2.77倍
- キャッシュ創出
- EBITDA: 1,759億円、減価償却: 77.2億円(資産性・更新投資継続)。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 予想年間配当: 120円(利回り約3.37%、5年平均2.40%を上回る水準)
- 直近トレーリング配当: 100円(トレーリング配当性向約62%)
- 予想配当性向(参考): 120円/予想EPS153.82円 ≈ 約78%
- 自社株
- 自己株式取得: 上限170万株(2025/8/12開始)
- 取得株の全株消却予定: 2025/9/12
- 既存の自己株比率: 7.77%
- 大株主
- 企業オーナー企業・創業者関係者・自己株を含めた安定株主比率が高い構成。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 直近は上昇基調で年初来高値を更新。52週騰落+29.8%。
- 出来高増加と信用売り超過の需給が株価変動に影響。
- 価格要因
- 1Qの増収増益、自己株取得・消却、配当利回り、医療ITリプレース・新棟稼働による効率化期待。
- コスト上昇や価格競争、診療報酬等の制度動向は不確実性要因。
- 近々のイベント
- 権利落ち日: 2025/9/29
- 決算発表予定: 2025/11/7
11. 総評
- 事業面
- 国内トップ級の検査インフラと自動化・ITの強みを背景に、ポスト特需期の正常化後も増収増益を志向。高付加価値検査や医療IT、周辺事業でのポートフォリオ強化が進む。
- 財務面
- 高自己資本・潤沢な現金・安定的なキャッシュ創出。ROEは5%程度と中庸。
- バリュエーション
- 予想PERは業界平均比で高め、PBRは平均比で低め。BPS近傍の水準感。配当利回りは過去平均を上回る。
- 市場面
- 株価は移動平均線上で高値圏。出来高増加・自己株取得・消却予定など需給要因の影響が見込まれる一方、コスト・価格競争・制度改定は注視ポイント。
注記: 本資料は公開情報に基づく客観的な企業分析であり、投資勧誘や特定銘柄の推奨・不推奨を目的としたものではありません。数値は提供データに依存し、一部に四捨五入等を含みます。
企業情報
銘柄コード | 4694 |
企業名 | ビー・エム・エル |
URL | http://www.bml.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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