1. 企業情報
イムラ(IMURA & Co.,Ltd.)は、1918年創業の歴史を持つ企業で、主に封筒をはじめとする紙製品の製造・販売を手掛けています。2023年2月にはイムラ封筒株式会社からIMURA & Co.,Ltd.へ社名変更しました。事業は大きく二つのセグメントに分かれています。一つは、封筒や紙袋などの製造・販売を行う「パッケージソリューション事業」です。もう一つは、ダイレクトメールの企画・制作から封入・封緘、発送、保管、情報処理、インクジェット印刷サービスまでを一貫して提供する「メーリング&デジタルソリューション事業」です。その他にも広告代理業やコンピューター関連事業も展開しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
イムラは封筒事業において国内最大手であり、国内市場で2割強のシェアを占めています。特に窓封筒や請求書封筒に強みを持っています。
市場環境としては、デジタル化の進展や郵便料金の改定などにより、紙媒体の需要構造が変化している点が挙げられます。一方で、EC(電子商取引)市場の拡大に伴うパッケージ需要や、官公庁からの安定的なメーリング需要が存在しており、これらが同社の業績を下支えしている側面があります。
3. 経営戦略と重点分野
同社は中期経営計画「IMURA VISION 2030 Stage II(2024年度~2026年度)」の2年目を迎えています。基本方針として、「変革とイノベーションのさらなる加速により強固な事業基盤を構築し、持続的成長軌道の確立と企業価値の一層の向上を図る」ことを掲げています。
具体的な施策としては、パッケージソリューション事業においてEC向けの商品の投入を推進しています。また、メーリング&デジタルソリューション事業では、生産体制の効率化・高度化に向けた新工場の建設を進めるなど、事業構造の変革を図っています。固定費の抑制や作業効率化も重点的に取り組んでいます。
4. 事業モデルの持続可能性
イムラの事業モデルは、封筒など既存の紙製品事業が中核でありつつも、メーリング事業やデジタルソリューションを加えることで多角化を進めています。紙媒体の需要が変化する中で、EC市場の拡大に対応したパッケージ商品開発や、メーリング&デジタルソリューション事業での効率化・高付加価値化が、市場ニーズの変化への適応と持続的な成長に向けた取り組みと見られます。官公庁などからの安定したメーリング需要も、事業の安定性に寄与していると考えられます。なお、利益は上期の比重が高い傾向が見られます。
5. 技術革新と主力製品
同社は、長年にわたる封筒製造で培ったノウハウを基に、特に窓封筒や請求書封筒において強みを持っています。近年では、インクジェット印刷サービスを提供するなど、デジタル技術を活用したサービス展開も行っています。
収益を牽引しているのは、依然パッケージソリューション事業であり、特にEC市場の成長に対応したパッケージ商品の投入が今後の重点分野です。メーリング&デジタルソリューション事業も、官公庁案件や新規獲得により売上を伸ばしており、生産体制の効率化・高度化により収益性向上を図っています。
6. 株価の評価
現在の株価は967.0円です。
* PER(株価収益率): 会社予想EPS 78.30円に基づくと、PERは12.35倍です。業界平均PERが8.0倍であることと比較すると、やや高めの水準にあります。
* PBR(株価純資産倍率): 実績BPS 1,699.08円に基づくと、PBRは0.57倍です。業界平均PBRが0.5倍であることと比較して同水準か、あるいはわずかに高めの水準です。PBRが1倍を下回っていることから、純資産に対して現在の株価が低く評価されている状態と見られます。
7. テクニカル分析
現在の株価967.0円は、直近10日間の株価推移においては960円台後半で推移しており、大きな変動は見られません。
年初来高値は1,072円、年初来安値は878円であり、現在の株価は年初来のレンジの中間よりやや安値寄りに位置しています。また、52週高値1,220円、52週安値878円と比較しても、レンジの中間より下方に位置しています。
50日移動平均線(989.32円)と200日移動平均線(980.35円)はいずれも現在の株価を上回っており、短期・長期的に見て株価は移動平均線を下回る軟調な推移となっている可能性がある状態です。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去数年間の総売上高は、概ね200億円台で安定して推移しています。直近の2025年1月期は20,904百万円でした。2026年1月期第1四半期(2025年2月~2025年4月)の売上高は5,638百万円と、前年同期比で8.7%の増加となりました。
- 利益: 営業利益は過去数年11億円から14億円前後で推移しています。親会社株主に帰属する純利益は2025年1月期に771百万円と減少傾向が見られましたが、直近の2026年1月期第1四半期では、営業利益が前年同期比46.3%増の512百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益も同80.6%増の453百万円と大幅な増益を達成しました。これは、費用抑制や効率化の進展が寄与したためと説明されています。
- 収益性: 過去12ヶ月の営業利益率は9.08%、純利益率は4.56%です。直近四半期の売上高営業利益率は9.08%と前年同期の6.75%から改善しています。
- 資本効率: ROE(自己資本利益率)は実績で4.71%(過去12ヶ月では5.64%)と、比較的低めの水準です。ROA(総資産利益率)は4.07%(過去12ヶ月)です。
- 財務安全性: 自己資本比率は直近四半期で69.8%(実績70.9%)と非常に高く、財務基盤の安全性が高いことを示しています。有利子負債も少なく、総負債対自己資本比率(Total Debt/Equity)は12.64%と低水準です。流動比率は1.40であり、短期的な支払い能力も問題ない状態です。
9. 株主還元と配当方針
イムラの配当方針について、2026年1月期の年間配当予想は1株あたり30.00円(会社予想)です。現在の株価967.0円に基づくと、配当利回りは3.10%となります。
過去12ヶ月の配当性向は約39.15%であり、利益の約4割を配当に充てる水準であるため、持続可能な範囲での株主還元を目指していると見られます。
また、株主構成には自社(自己株口)が7.22%と記載されており、過去に自社株買いを実施していることが示唆されます。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近10日間の株価は小幅な変動に留まっており、出来高も平均で5,060株と比較的少ない傾向にあります。市場全体の動向と比較して、株価の変動は緩やかです。
信用取引においては、信用買い残が37,400株あるのに対し、信用売り残は800株と非常に少なく、信用倍率は46.75倍です。これは買い残が売り残を大きく上回っており、需給面では将来的な株価の上昇を抑制する可能性も考えられます。
株価に影響を与える要因としては、グローバル経済の動向、原材料費や物流費などのコスト上昇、デジタル化の進展に伴う紙媒体需要の変化、そして同社のEC向け戦略や新工場建設などの事業戦略の進捗が挙げられます。直近の四半期決算で大幅な増益を達成したことは、今後の投資家関心に影響を与える可能性があります。
11. 総評
イムラは、国内封筒業界でトップシェアを誇る安定した事業基盤を持つ企業です。市場のデジタル化という課題に直面しつつも、EC向けパッケージの強化やメーリング&デジタルソリューション事業の効率化・高付加価値化、新工場建設などを通じて、事業構造の変革と持続的な成長を目指しています。
財務面では、自己資本比率が非常に高く、財務の安全性が際立っています。自己資本利益率は現状では中程度ですが、直近の第1四半期決算では大幅な増益を達成しており、今後の収益性改善に期待が高まります。
株価評価においては、PBRが1倍を下回っており、純資産に対して株価が割安な水準にある可能性がある一方で、PERは業界平均と比較してやや高めです。年間配当の実績と予想から、3%台の配当利回りが期待でき、安定した株主還元策と見られます。
株価の動きは直近では小幅な変動に留まり、出来高も比較的少ない状況ですが、第1四半期の好決算は今後の投資家からの注目度を高める可能性があります。中期経営計画で掲げた「変革とイノベーションの加速」が、市場環境の変化に適応し、企業価値向上につながるかどうかが今後の注目点となるでしょう。
企業情報
銘柄コード | 3955 |
企業名 | イムラ |
URL | https://www.imura.co.jp/ |
市場区分 | スタンダード市場 |
業種 | 素材・化学 – パルプ・紙 |
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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.1)」によって自動生成されました。
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