ニチモウ(8091)に関する企業分析レポートです。
1. 企業情報
ニチモウは、1919年設立の歴史ある企業です。主な事業としては、水産物の調達・加工・販売を行う「食品事業」と、漁網・漁具、養殖関連資材などを扱う「海洋事業」を二本柱としています。その他、食品加工機械やバイオ関連製品、包装資材、物流、不動産賃貸なども手掛けており、「浜から食卓まで」を網羅する幅広い事業展開が特徴です。連結事業売上構成比(2025年3月期)では、食品事業が約63%、海洋事業が約17%を占めています。累進配当を掲げている点も企業の特徴の一つです。
2. 業界のポジションと市場シェア
市場シェアに関する具体的な数値は開示されていませんが、ニチモウは食品事業と海洋事業を軸に、多角的な事業展開を行っています。食品事業ではインバウンド需要を取り込んだ高価格帯商材の販売増、海洋事業では養殖事業の拡大や漁具資材の安定した需要があるようです。機械事業も国内外の設備投資意欲が堅調で、業績を牽引している要素の一つと見られます。
一方で、水産物の相場高騰や資材の生産コスト上昇、国際情勢の不透明感、人手不足による納期長期化などが事業運営上の課題として考えられます。
3. 経営戦略と重点分野
ニチモウは、現在進行中の2026年3月期を新中期経営計画の初年度と位置付けています。中長期的利益成長に向けた社内施策も実施しているとのことです。事業ごとの戦略としては、食品事業で年末商戦に向けた準備とブランド強化、海洋事業で陸上養殖事業の構築や環境商材の販売促進、機械事業で海外展開推進を掲げ、短期と中長期の両目線での収益拡大を目指しています。また、株主還元においては、配当性向35%以上を目標とし、実質累進配当政策を継続する方針を示しています。
4. 事業モデルの持続可能性
同社の事業モデルは、水産物の生産・加工・流通から、漁業・養殖関連資材、さらには食品加工機械、資材まで多岐にわたる事業を展開している点が特徴です。これにより、特定の事業分野のリスクを分散し、安定的な収益基盤を構築していると考えられます。インバウンド需要の取り込みや養殖事業の拡大といった市場ニーズの変化への適応にも取り組んでいます。一方で、グローバルな水産物市場の価格変動や、国際情勢によるサプライチェーンへの影響などが持続可能性への潜在的なリスクとなります。
5. 技術革新と主力製品
具体的な技術革新に関する詳細な情報はありませんが、長年にわたり漁網・漁具の製造販売や食品加工機械の提供を行ってきた実績から、それぞれの分野で独自の技術やノウハウを有していると推測されます。
主力製品・サービスは、食品事業におけるすり身、鮮魚、冷凍魚、加工食品、カニなどの高価格帯商材、海洋事業における漁網、漁具、ロープ、養殖用生簀、養殖飼料、機械事業における食品加工機械、海苔加工機、豆腐製造機などです。特に機械事業は、直近の決算で業績を牽引していることが示されています。
6. 株価の評価
現在の株価は2,441.0円です。
* PER(会社予想): 8.10倍
* 業界平均PER(12.1倍)と比較すると、ニチモウのPERは低い水準にあります。
* PBR(実績): 0.66倍
* 業界平均PBR(1.0倍)と比較すると、ニチモウのPBRは低い水準にあります。
* EPS(会社予想): 300.04円
* BPS(実績): 3,671.26円
これらの指標から見ると、ニチモウの株価は業界平均と比較して割安な水準にあると解釈できます。PBRが1倍を下回っていることから、現在の株価が企業の純資産価値を下回っている状態です。
7. テクニカル分析
株価は2,441.0円で、年初来高値2,538円に比較的近い水準で推移しています。
直近10日間の株価推移を見ると、概ね上昇基調にあり、50日移動平均線(2,226.22円)および200日移動平均線(2,019.81円)を大きく上回っています。これは短期・中期的な上昇トレンドを示唆している可能性があります。2025年8月12日には年初来高値を記録した後、小幅な調整に入っているように見受けられます。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去数年間で増加傾向にあります。2023年3月期の1,268億円から、2024年3月期は1,277億円、過去12か月(2025年3月期予想)で1,339億円と伸長しています。直近の2026年3月期第1四半期は、前年同期比で16.5%の増収と好調でした。
- 利益: 営業利益は2024年3月期に減少しましたが、過去12か月の実績(3,003百万円)は回復傾向にあり、2026年3月期第1四半期の営業利益は前年同期比で59.3%の大幅増益を達成しています。通期では過去最高売上高・営業利益の更新を目指す計画です。
- ROE(実績): 9.11%(過去12か月で9.71%)。一般的に健全とされる水準を維持しています。
- 自己資本比率(実績): 36.4%。商社としては一般的な水準であり、財務の安定性を示しています。
- 流動比率(Current Ratio): 1.69。短期的な支払い能力に問題はないと見られます。
- 負債比率(Total Debt/Equity): 119.92%。有利子負債は純資産の約1.2倍で、一定の負債はあるものの、直ちに懸念となる水準ではありません。
全体として、売上・利益ともに堅調に推移しており、特に直近の四半期決算は好調でした。収益性と財務の安定性は維持されていると考えられます。
9. 株主還元と配当方針
ニチモウは、高水準の株主還元を重視しており、累進配当を掲げています。
* 配当利回り(会社予想): 4.12%(年間100.00円)。現在の株価水準では比較的高利回りです。
* 配当性向(Payout Ratio): 30.31%。中期経営計画で掲げている配当性向35%以上の目標に対し、余裕のある水準です。
* 1株配当は2025年3月期の97円から、2026年3月期は100円を予定しており、増配傾向にあります。自社株買いの直近の実施については言及がありませんが、自己株口保有(4.98%)が見られます。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は上昇トレンドにあり、年初来高値2,538円に近い水準で推移しています。これは、堅調な業績(特に直近の第1四半期決算の大幅増益)や、高水準の配当利回り、累進配当方針などが投資家の関心を集めている要因と考えられます。一方で、信用倍率が70.36倍と非常に高い水準にあり、信用買残が積み上がっている点は、短期的な需給面で注意が必要です。今後は、四半期ごとの決算発表や、中期経営計画の進捗、水産物相場の変動、国際情勢などが株価に影響を与える可能性があります。
11. 総評
ニチモウは、「食品」と「海洋」を二本柱とする多角的な事業展開を行う商社・卸売企業です。直近の業績は好調に推移しており、特に2026年3月期第1四半期は大幅な増収増益を達成し、通期でも過去最高業績の更新を目指しています。PERやPBRは業界平均を下回っており、数値上は割安感がある状態です。株主還元にも積極的で、高配当利回りと累進配当を継続する方針を示しています。株価は年初来高値圏で推移し、上昇トレンドにあると見られますが、信用買残の高さは短期的な需給に影響を与える可能性も考慮すると良いでしょう。今後は中期経営計画の進捗状況に加え、水産物相場や国際情勢といった外部環境の変化が業績に与える影響を注視することが重要と考えられます。
企業情報
銘柄コード | 8091 |
企業名 | ニチモウ |
URL | http://www.nichimo.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.1)」によって自動生成されました。
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