ニチモウ(8091)企業分析レポート
株価(8/13終値): 2,441円 / 時価総額: 約218.9億円 / 市場区分: 東証プライム
セクター: Consumer Defensive(卸売業・商社系)/ Beta(5Y): 0.28
1. 企業情報
- 事業概要
- 食品(すり身、冷凍・生鮮、加工・高付加価値品)
- 海洋(漁網・漁具・ロープ・養殖資材・養殖用飼料)
- 機械(食品加工機械、海洋関連機器、のり加工・豆腐製造機)
- 資材(合成樹脂、包装・パッケージ、農業資材)
- バイオ(発酵大豆、ヘルスフード等)
- 物流、人材派遣、不動産賃貸 等
- 特色
- 「浜から食卓まで」を掲げ、食品と海洋(漁網・漁具)を二本柱に、機械・資材まで川上〜川下を一気通貫でカバー
- 1910年創業の老舗、水産・海洋領域に強み
- 連結事業構成(売上比率目安)
- 食品63%、海洋17%、機械12%、資材7%、物流2%ほか
- 海外売上比率:約22%(2025/3期)
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 水産物・加工食品の商社機能に、漁網・漁具、養殖関連資材、食品加工機械、包装資材などのメーカー/販売機能を併せ持つ複合モデル
- 水産・海洋資材、食品加工機械などニッチ領域での製品・顧客基盤が強み
- 競争優位性
- 漁網・養殖資材〜食品加工機械〜食品販売をつなぐ総合提案力
- 為替・原料相場など外部環境変動への調達力・在庫機能
- 課題
- 水産相場、為替、国際情勢の影響を受けやすく、利幅が相対的に薄い構造
- 人手不足による設備納期長期化、原材料・物流コスト上昇への対応
(定量的な市場シェアの公表データは未記載)
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・基本方針
- 主要4事業(食品・海洋・機械・資材)の着実な拡大
- 「実質累進配当」と配当性向35%以上の配当方針を継続
- 2026年3月期:新中期経営計画 初年度
- 通期計画(変更なし):売上高1,350億円(+0.8%)、営業利益33億円(+9.9%)
- 過去最高の売上高・営業利益更新を目指す
- 重点施策(セグメント別)
- 食品:インバウンド需要対応、カニ等の高単価商材・高付加価値品に注力、年末商戦への備え
- 海洋:養殖事業拡大、陸上養殖の構築、環境配慮型商材の販売促進
- 機械:国内外の設備投資需要を獲得、海外展開強化(短期と中長期の両軸)
- 資材:印刷用フィルム・包装資材の拡販、コスト上昇下での商品競争力強化
- バイオ・物流:収益改善が課題
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 食品・資材・機械の卸売/販売に加え、海洋資材・機械等の製品供給による複合収益構造
- 在庫確保と調達/販売の機動力が競争要素
- 持続性・適応力
- 消費動向やインバウンド需要、高付加価値志向の変化に対応
- 養殖・環境対応商材、食品加工の自動化・省人化需要など構造的テーマに沿った展開
- リスク
- 水産相場・為替・国際情勢の変動、原材料・物流コスト、人手不足による納期長期化
5. 技術革新と主力製品
- 技術・製品
- 食品加工機械、のり加工・豆腐製造機、海洋・養殖関連機器など、現場の省人化・効率化を支える装置群
- バイオティックス(発酵大豆・健康食品等)は育成分野
- 収益牽引
- 直近は機械事業の受注増(国内外の設備投資、円安効果)と食品の高価格帯商材が牽引
- 海洋では養殖餌料の原料コスト抑制が寄与
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 指標(連結、会社予想等)
- PER:8.10倍(業界平均:12.1倍)
- PBR:0.66倍(業界平均:1.0倍)
- EPS(予想):約300.04円
- BPS(実績):約3,671.26円
- 配当利回り(予想):約4.12%(DPS 100円)
- 参考比較
- 業界平均PER(12.1倍)× EPS(300円)= 約3,630円
- 業界平均PBR(1.0倍)× BPS(3,671円)= 約3,671円
- 現在株価はPBR1倍を下回る水準、PERも業界平均を下回る水準
- 利益・配当との関係
- 予想ベースの配当性向は約33%(100円÷300円)、直近期のトレーリング配当性向は約30%(参考値)
7. テクニカル分析
- 価格位置
- 52週高値:2,538円、安値:1,659円
- 現在値:2,441円(52週高値比 約-3.8%)
- 50日移動平均:2,226円、200日移動平均:2,020円(いずれも上回る)
- 直近の値動き
- 8/12に年初来高値を更新(高値2,538円)後、出来高を伴い反落
- 直近10日で出来高増(8/12に8.28万株、3カ月平均約2.0万株)
- 信用需給
- 信用買残:154,800株、信用倍率:70.36倍(売り残2,200株と低水準)
- 買い残の積み上がりが継続(前週比+3,600株)
8. 財務諸表分析
- 損益(単位:百万円)
- 売上高:2022/3 1,154,690 → 2023/3 1,268,290 → 2024/3 1,277,560 → 2025/3 1,339,000
- 営業利益:同 3,201 → 2,874 → 2,020 → 3,003
- 親会社株主純利益:同 2,754 → 2,437 → 2,349 → 2,666
- 直近12カ月(指標ベース):売上高約1,389億円、営業利益率約2.93%、純利益率約2.07%
- 収益性・効率
- ROE(実績):9.11%(TTM 9.71%)
- ROA(TTM):2.37%
- 粗利率:2025/3期 約9.1%(12,228/133,900)
- キャッシュ創出
- EBITDA:2025/3期 49.6億円(TTM 44.5億円)
- 財政状態
- 自己資本比率:36.4%
- 現金同等物:72億円、総有利子負債:367億円、D/E:約120%、流動比率:1.69倍
- ネットデットは現金を上回る水準(財務レバレッジはやや高め)
- 四半期動向(2026/3期 1Q)
- 売上:353.1億円(前年比+16.5%)
- 営業利益:10.33億円(+59.3%)
- 純利益:8.46億円(+33.9%)
- 主要4事業が増収増益
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2025/3期実績:年間97円(期末52円)
- 2026/3期予想:年間100円(中間50円・期末50円)
- 予想配当利回り:約4.1%前後
- 方針
- 配当性向35%以上、実質累進配当を継続
- 自社株
- 自己株式保有:4.98%(448,700株)
- 大株主
- 朝日生命、渡辺冷食、ニッスイ、極洋などが名を連ねる
- インサイダー持株比率:約25.76%、機関投資家保有:約10.89%
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 3カ月・6カ月ベースで上昇トレンド(50日・200日移動平均を上回る)
- 直近で年初来高値を更新後、イベント通過(1Q決算)に伴う売買活況と利益確定の動き
- 関心材料
- インバウンド需要の強さ、高付加価値食品の販売動向
- 養殖・環境関連、食品工場の自動化/省人化投資
- 国際情勢(通商政策、中東動向)や為替の影響
- 9/29の配当権利落ち日、累進配当方針の継続
11. 総評
- 事業面
- 食品・海洋・機械・資材の「川上〜川下」一体モデルが機能し、1Qは主要4事業で増収増益。機械の設備投資需要、食品の高価格帯商材、海洋のコスト抑制が寄与
- 養殖・環境商材、食品加工の自動化など構造テーマに沿った取り組みが進展
- 財務・指標
- ROE約9%、PBR0.66倍、PER8.1倍と、指標面では業界平均比で抑え目
- 自己資本比率36.4%、D/E約120%と、レバレッジは相応に活用
- 市場評価
- 株価は移動平均線上で推移し、年初来高値圏に接近。出来高増と高い信用買残が需給面の特徴
- 配当
- 予想配当100円、実質累進配当方針を継続。予想配当性向は約33%と方針(35%以上)に近い水準
本レポートは提供情報に基づく企業分析であり、投資助言を目的としたものではありません。最新のIR資料・決算短信等も併せてご確認ください。
企業情報
銘柄コード | 8091 |
企業名 | ニチモウ |
URL | http://www.nichimo.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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