9880 イノテック 分析レポート(2025-08-13時点)
本資料は公開情報の整理であり、投資勧誘や投資判断の助言を目的としたものではありません。
1. 企業情報
- 概要: 半導体設計ツール(EDA/OrCAD 等)と半導体テスター(特にメモリ向け)を両輪に、電子部品・半導体の商社機能、産業用/組込みボード、検査・解析、AI顔認証、ロボット自動化などシステム・サービスも展開。専用LSI設計や車載システム開発は子会社で対応。
- 事業構成(2025.3):テストソリューション36%、半導体設計関連31%、システム・サービス33%
- 基本情報: プライム市場、電気機器。横浜本社。従業員1,560人、平均年齢43.4歳、平均年収756万円。代表者 大塚信行。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 立ち位置:
- EDA/設計支援: 大手EDAベンダー(Synopsys、Cadence、Siemens EDA等)のソリューションを国内で提供・販売する立場。中堅〜エンタープライズ顧客向け支援が中心。
- テストソリューション: メモリ向けテスター・プローブカード等の自社製品。大手総合ATEメーカーが存在する中で、特定用途・価格帯や周辺ソリューションで差別化。
- システム・サービス: 産業/防衛・FA領域、検査・解析、AI/自動化等へ展開し需要分散。
- 競争優位・課題:
- 優位: ①EDAから検証・試験・量産までの一気通貫提案力、②組込み/産業用途の顧客基盤、③海外(特にメモリ向け)での新製品販売進捗。
- 課題: 半導体サイクルの変動影響、国内需要の回復遅れ、海外子会社の遅延影響、取扱い終了製品の穴埋め、為替や地政学リスク。
3. 経営戦略と重点分野
- 方針(会社開示より要約):
- テストソリューション: 高付加価値の新製品・周辺ソリューションを強化、海外展開を加速。
- 半導体設計関連: 既存・新規顧客の関係強化で売上拡大と収益安定化(EDA/OrCADの継続的需要を基盤)。
- システム・サービス: 特徴ある製品・サービス開発(防衛・FA、検査・解析、AI/ロボット等)。
- 中期経営計画: 具体的な数値・KPIは短信では明示なし。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデルの多層化:EDAの継続保守・ライセンス収入、テスターの製品売上・アフターサービス、システム・サービスの案件・保守で分散。
- 強みと適応力: 半導体サイクル影響を受ける一方、EDAと産業/防衛・FA領域の比較的安定需要、AI・モデルベース開発(MBD)等の新領域で需要変化に対応。
- 留意点: 四半期ではテストソリューションの赤字が継続(Q1セグ損失264百万円)。需要回復タイミングと新製品浸透が鍵。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・製品群: メモリテスター/プローブカード、産業用/組込みボード、ノイズ解析、デジタルメディア検査、EDA/OrCAD、サーバ/ストレージ、AI顔認証、ロボット自動化、MBDコンサル。
- 直近動向: 海外向けメモリテスター新製品が伸長。EDAは堅調だが一部ライセンス・商品取扱い終了の影響。システム・サービスは防衛・FAが伸長。
- 収益牽引:2026年3月期Q1はシステム・サービス(セグ利益407百万円)が全社利益を下支え。テストは赤字、設計関連は黒字縮小。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 指標(現値1467円):
- PER(会社予想): 11.32倍(EPS 129.6円)
- PBR(実績): 0.79倍(BPS 1,866.55円)
- 配当利回り(会社予想): 4.77%(1株配当70円)
- EV/EBITDA(LTM概算): EV約232億円(時価総額200億+純有利子負債約31億)/ EBITDA約32億円 ≒ 約7.2倍
- PSR(時価総額/売上高): 約0.49倍(売上高約412億円)
- 業界平均との比較(参考):
- 業界平均PER 24.2、PBR 1.6に対し、同社は双方とも下回る水準。
- 機械的比較の参考値(仮計算): EPS×業界PER=約3,134円、BPS×業界PBR=約2,986円(成長率・事業ポートフォリオ差等は未考慮の単純計算)。
7. テクニカル分析(短期)
- トレンド: 現値1467円は50日移動平均1411円、200日移動平均1359円を上回る水準。年初来高値1509円、52週高値1571円に接近するレンジ。
- 出来高: 本日7.9万株は3カ月平均4.5万株、10日平均4.8万株を上回り、短期的な売買関心が高い状態。
- 直近値動き: 8/8決算発表後に一時下落(8/12寄り1403円)→反発し直近は1460円台。直近のレンジは1450〜1500円近辺。
8. 財務諸表分析
- 成長性(連結、百万円):
- 売上高: 37,238(2022/3)→38,630(2023/3)→41,358(2024/3)→41,977(2025/3)
- 営業利益: 2,585 → 2,320 → 2,474 → 1,887(2025/3は減益)
- 親会社株主に帰属する当期純利益: 2,195 → 1,667 → 1,478 → 1,200
- 収益性:
- LTM営業利益率約1.6%、純利益率約2.3%。粗利は横ばい〜やや低下傾向、販管費増で利益率が低下。
- ROE: 実績4.79%(LTM参考4.14%)、ROA 2.25%。
- 四半期(2026/3期1Q):
- 売上9,457百万円(前年比-7.4%)、営業利益234百万円(-45.9%)、純利益185百万円(-57.3%)。
- セグメント:テスト赤字継続、設計関連黒字縮小、システム・サービス黒字も減益。
- 安全性・流動性:
- 自己資本比率: 54.1%(実績)、1Q時点52.4%。
- 現預金約69億円、総有利子負債約101億円(ネット有利子負債約31億円)。流動比率1.55倍。
- 投資・設備:
- 減価償却費 LTM約15億円、EBITDA LTM約32億円。キャッシュフロー詳細は未開示(1QはCF計算書未作成)。
9. 株主還元と配当方針
- 配当: 年間70円(会社予想)、予想利回り約4.77%。
- 実績配当性向(LTM EPS 89.1円ベース)約78.5%、会社予想EPS129.6円ベースでは約54%。
- 自社株: 自己株式保有3.58%(49万株)。足元での新規自己株買いの方針は短信に明記なし。
- 権利関係: 2025/9/29が基準日(Ex-Dividend)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 直近モメンタム: 年初来安値1070円から回復し、50日・200日線上で推移。決算後の変動が大きく、短期的なボラティリティ上昇。
- 信用動向: 信用買残19.6万株、信用倍率約218倍と買い長。需給の影響度合いに留意。
- 相対パフォーマンス: 52週騰落-1.9%(S&P500 +18.2%)。国内株式指数との比較は未評価。
11. 総評
- 事業面: 半導体テストとEDA/設計支援、産業システムの三本柱で分散。足元は国内半導体需要の回復遅れと一部取扱い終了の影響で利益率が低下。海外向けメモリテスター新製品や防衛・FAなどの伸長分野が補完。
- 財務面: 売上は緩やかに拡大する一方、利益は縮小傾向。自己資本比率は50%超、流動性も確保。ネット有利子負債は限定的。
- 株価・評価: 指標面では業界平均PER/PBRを下回る水準。配当は予想70円。テクニカルでは移動平均線上で推移し、出来高は増加。信用買い残は高水準。
- 今後の注目点: 国内半導体需要の回復タイミング、テストソリューションの採算改善、EDA/システム・サービスの安定成長、為替・地政学要因、取扱い製品ポートフォリオの最適化。
参考情報
– 次回イベント(予定): 決算発表ウィンドウ 2025/8/7〜8/12、権利落ち 2025/9/29
– 大株主: 日本マスタートラスト信託銀行(信託口)14.34%、自己株式3.58%ほか(詳細は開示参照)
企業情報
銘柄コード | 9880 |
企業名 | イノテック |
URL | http://www.innotech.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 電機・精密 – 電気機器 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。