福井コンピュータホールディングス(9790)企業分析レポート

株価: 3,290円(2025-08-13終値)
市場: 東証プライム/情報・通信業

1. 企業情報

  • 概要
    • 建築・測量土木向けパッケージCADの国内大手。建築CAD、BIM/CIM、点群処理、施工管理、クラウド/ストック型サービスまで一気通貫のプロダクト群を展開。
    • 主な製品・サービス
    • 建築系: ARCHITREND Zero/ONE、GLOOBE(BIM)、VR/3Dカタログ、リフォームシミュレーター等
    • 測量・土木系: TREND-ONE/Mercury-ONE(測量CAD)、EX-TREND Musashi(施工管理)、TREND-POINT(3D点群)
    • 連携/現場: FIELD-TERRACE(現場計測)、DandALL(資材搬入管理)、ARCHI Box(図面/動画共有)
    • その他: 選挙出口調査「ONE CLICK Counter」、投票集計「picta」
  • 事業構成(2025/3期 連結)
    • 建築システム: 売上構成比約47%
    • 測量土木システム: 同約49%
    • ITソリューション: 同約4%

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション
    • 建築・測量土木CAD分野で国内トップクラス。3D/点群処理やBIM/CIM分野に強み。
  • 競争優位性
    • 国内法規・業務慣行に最適化した製品群、導入実績、更新・保守ネットワーク、3D点群~BIM/CIMまでの一貫性。
  • 課題
    • グローバルBIMプラットフォーム(例: 海外大手)との競争/互換性確保、人材確保やサブスク化への移行管理、住宅着工・公共投資動向の影響。

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン/方向性
    • BIM/CIMの深耕、3次元化・点群活用の普及対応、法改正対応を含む製品アップデート、ストック型(保守・サブスク)による収益安定化。
  • 直近の重点
    • 建築基準法改正対応やBIM関連の伸長(建築システム+18.5% YoY、Q1)
    • 測量土木の3次元化進展・機器普及に伴う更新需要取り込み(同+8.3% YoY、Q1)
    • 契約形態見直し等によるITソリューションの収益改善
  • 通期見通し(会社計画維持)
    • 売上高 15,580百万円(+5.9%)、営業利益 6,600百万円(+8.5%)、純利益 4,310百万円(+2.9%)

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル
    • 初期ライセンス+保守/更新、サブスク・クラウド、関連ハード/サービスのクロスセル。更新需要と法制度対応が安定性に寄与。
  • 適応力
    • 法改正・発注制度(BIM/CIM推進、国土地理院の作業規程改正等)に沿った機能強化、3D点群や現場アプリ連携でユーザーワークフローに対応。
  • リスク
    • 住宅着工や公共投資の変動、技術標準の国際的変化、海外大手との競合、製品更改サイクルの平準化難。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術動向・独自性
    • 点群処理(TREND-POINT)とBIM(GLOOBE)の連携、VR・3Dプレゼン、現場アプリ連動など、設計~施工~維持管理の3Dデータ活用を強化。
  • 収益牽引
    • 建築システム(ARCHITREND、GLOOBE)と測量土木(EX-TREND Musashi、TREND-ONE)が中心。Q1は建築の伸長が利益率改善に寄与。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 指標(会社予想ベース)
    • 株価: 3,290円、EPS: 208.46円、BPS: 1,303.59円
    • PER: 15.8倍、PBR: 2.53倍、配当利回り: 2.22%(期末73円予想)
  • 業界平均との比較(参考)
    • 業界平均PER: 23.2倍 → 同水準に整合すると仮定した価格: 約4,838円(208.46×23.2)
    • 業界平均PBR: 2.3倍 → 同水準仮定価格: 約2,998円(1,303.59×2.3)
    • 指標間で評価ギャップがあり、収益性や成長見通し、資本効率の評価の仕方で解釈が分かれる余地。
  • 収益性
    • ROE 16.27%(実績)、営業利益率 42.4%(Q1ベース)、純利益率 28.7%(LTM)

※上記は相対比較の数値計算であり、目標株価や推奨を示すものではありません。

7. テクニカル分析(短期観点)

  • トレンド
    • 現在値 3,290円は50日線 3,042円、200日線 3,088円を上回り、上向きトレンドに位置。
    • 年初来高値 3,610円からは約9%下、50日線との乖離はやや拡大。
  • 価格帯・出来高
    • 直近10日で出来高増(10日平均48千株 > 3カ月平均36千株)。8/12の出来高増は決算発表後の反応と整合。
    • 近辺の節目: 3,300円(当日高値水準)、下値は3,150~3,200円帯での推移が多い。
  • リスク指標
    • ベータ(5年)0.07と低め。信用倍率5.61倍、買残わずかに減、売残は増加。

8. 財務諸表分析

  • 売上・利益(連結、百万円)
    • 売上高: 14,331(22/3)→ 13,630(23/3)→ 13,821(24/3)→ 14,717(25/3)
    • 営業利益: 6,315 → 5,583 → 5,586 → 6,086
    • 親会社純利益: 4,222 → 3,809 → 3,817 → 4,189
    • EPS: 204.24円 → 184.24円 → 184.63円 → 202.65円(LTM 213.84円)
  • 収益性
    • LTM営業利益率 約41%(Q1ベース42.4%)、純利益率 約28.5%と高水準。
  • 安全性・効率性
    • 自己資本比率 82.0%(実績)、流動比率 3.95、現金同等物 19,580百万円と潤沢な手元資金。
    • ROA 12.65%、ROE 17.13%(LTM)。
  • 四半期動向(26/3期 Q1)
    • 売上 3,955百万円(+13.6%)、営業益 1,677百万円(+19.8%)、純益 1,147百万円(+18.5%)。
    • 建築・測量土木の両セグメントが増収、建築は利益率改善。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当
    • 25/3期: 期末70円、26/3期会社予想: 期末73円
    • 予想配当性向: 約35%(73円÷EPS 208.46円)
  • 自社株
    • 自己株式は期末24,813株と小規模。自社株買いの大規模実施は確認できず。
  • 株主構成
    • 主要株主にダイテックHD(約47%)など。インサイダー保有比率が高く、フリーフロートは相対的に小さめ。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • モメンタム
    • 52週騰落+30.7%。決算後に出来高増と上昇が観測され、短期的な上昇圧力。
  • 関心材料
    • 建築基準法改正対応、BIM/CIMの普及加速、3D測量・点群の需要拡大。
    • 通期計画据え置きによる見通しの明確性。低ベータ・ディフェンシブ性も一部投資家の関心要因。
  • 需給
    • 信用買い優勢(倍率5.61倍)ながら、直近は買残微減・売残増で短期の攻防がうかがえる。

11. 総評

  • まとめ
    • 国内建築・測量土木CADの中核企業として、BIM/CIM・3D点群などの技術力と法規対応力を背景に高い収益性と安定的な更新需要を確保。
    • Q1は建築・測量土木がともに増収、営業利益率も高水準。財務体質は堅固(自己資本比率82%、多額の手元流動性)。
    • バリュエーションはPERが業界平均を下回る一方、PBRは上回るなど指標間で見方が分かれる。短期的には決算後の出来高増・トレンド上向きが確認できる。
    • 主要テーマはBIM/CIMの普及進展、法改正対応、ストック型比率の拡大。住宅・公共投資サイクル、海外プラットフォームとの競合や標準動向は注視ポイント。

企業情報

銘柄コード 9790
企業名 福井コンピュータホールディングス
URL http://www.fukuicompu.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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