ファナック(6954)企業分析レポート
本資料は提供データに基づく情報整理であり、投資助言を目的とするものではありません。不明点は記載を省略しています。日時点: 2025-08-14
1. 企業情報
- 概要
- 工作機械用NC(数値制御)装置で世界トップ。産業用ロボット、サーボ、レーザ、コンパクトマシニングセンタ(ROBODRILL)、電動射出成形機(ROBOSHOT)、ワイヤ放電加工機(ROBOCUT)など、工場自動化(FA)を支える製品群を開発・製造・販売・保守。
- グローバル展開(海外売上比率86%)。「サービスファースト」を掲げ、世界各地で24時間の保守体制を構築。
- 事業構成(2025.3 期 連結、売上構成比)
- ロボット 41%
- FA 24%
- ロボマシン 17%
- サービス 17%
- 基本データ
- 市場区分: 東証プライム(電気機器)
- 本社: 山梨県南都留郡忍野村
- 代表: 山口賢治
- 従業員: 10,118人
- 配当方針: 配当性向60%
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- NC装置で世界首位。産業用ロボットも世界トップクラスの一角。高信頼性・高稼働率とグローバルなサービス網が強み。
- 競争優位性
- 自社開発のCNC・サーボ・ロボットまで縦に統合した制御技術と、機器間の親和性。
- 巨大な設置ベースに基づく保守・サービス収益(景気局面でも比較的安定)。
- 24/365のグローバル保守ネットワーク。
- 主な競合
- ロボット: ABB、安川電機、KUKA、川崎重工など
- CNC/FA: シーメンス、三菱電機、ハイデンハイン等
- 課題・留意点
- 工作機械・自動車・電子部品設備投資の景気循環に左右されやすい。
- 中国を含む新興勢力(ロボット・CNC)の台頭、価格競争。
- 関税・為替・地政学の外部要因リスク。
3. 経営戦略と重点分野
- 方針・ビジョン
- 「サービスファースト」を軸に、ITを活用したCX(顧客体験)強化とグローバルな保守体制の高度化。
- 重点分野(短信・会社開示の示唆)
- 受注・売上・製造を一体で最適化する単一セグメント運営(FA/ロボット/ロボマシンを含む)。
- AIやソフトウェア(AIサーボモニタ)、エッジプラットフォーム(FIELD systemなど)による付加価値向上。
- 需要動向:EV・電池、一般産業、半導体・電子部品、自動化需要の取り込み。地域ではインド・中国の伸長を重視。
- 2026年3月期 会社計画(今回公表)
- 売上高 8,070億円(前期比+1.2%)
- 営業利益 1,595億円(+0.4%)
- 経常利益 1,963億円(+7.6%)
- 親会社純利益 1,430億円(+43.1%)
- 1株当たり利益(EPS)153.25円
- 前提に米国関税率15%適用・為替前提あり
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 設備販売(CNC/ロボット/ロボマシン)+設置ベースに対する保守・サービスで収益を二本柱化。
- 持続性評価ポイント
- サービス比率が17%と一定規模で、景気変動耐性に寄与。
- EV・電子部品等の新領域、自動化ニーズの長期拡大という構造追い風。
- 一方で、設備投資の循環性・地域リスク(関税、為替、地政学)や新興競合の台頭は留意点。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発
- CNC・サーボ・ロボットの統合制御、AIサーボモニタ、エッジ/IIoT(例:FIELD system)などで稼働率・品質改善を支援。
- 主力製品
- CNCシリーズ、サーボモータ、産業用ロボット(協働ロボット含む)、レーザ
- ROBODRILL(小型マシニングセンタ)、ROBOSHOT(電動成形機)、ROBOCUT(ワイヤ放電)
- 収益ドライバー
- ロボット(構成比41%)が牽引。FAやロボマシンも地域・業種により回復基調の局面あり。
- サービス収入が安定化に貢献。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提
- 株価 4,561円、BPS(実績)1,834.45円、EPS(会社予想)153.25円、EPS(LTM)157.35円
- 指標
- 予想PER:約29.8倍(= 4,561 ÷ 153.25)※会社公表29.76倍と整合
- 実績PBR:約2.49倍(= 4,561 ÷ 1,834.45)
- 予想配当:年94.39円(会社データ、配当性向60%)→ 予想利回り約2.07%
- 参照比較
- 業界平均PER 24.2、PBR 1.6
- 同社のPER・PBRは業界平均より高い水準。
- 参考
- 時価総額 約4.48兆円
7. テクニカル分析
- トレンド
- 株価 4,561円は、50日移動平均 3,955円、200日移動平均 4,062円を上回る。
- 52週高値 4,847円に対し約6%下の水準、安値 3,038円からは大きく回復。レンジ上限寄り。
- モメンタム
- 直近10営業日で終値は4,271円→4,561円へ上昇。8/13の出来高は約5.10百万株で3カ月平均(約3.62百万株)を上回る。
- 位置づけ
- 短中期的には上向きの移動平均乖離と出来高増加が観測される。
8. 財務諸表分析
- 損益(億円)
- 売上高:2022/3 73,301 → 2023/3 85,196 → 2024/3 79,527 → 2025/3 79,713(横ばい)
- 営業利益:18,324 → 19,136 → 14,192 → 15,885(24/3から改善)
- 当期純利益:15,527 → 17,059 → 13,316 → 14,756
- LTMマージン(提供値):営業利益率 21.61%、純利益率 19.61%
- 収益性・効率
- ROE(実績)8.60%(LTM 9.23%)、ROA(LTM)5.46%
- キャッシュと安全性
- 現金等 6,029億円、流動比率 7.85、自己資本比率 89.0%と堅固な財務体質。
- EBITDA 2,141億円、減価償却費は年4,644億円規模(LTM)。
- トレンド所見
- 2024/3での減益後、コスト/為替安定・経費抑制で収益性改善。サービス比率や高付加価値製品が支え。
9. 株主還元と配当方針
- 方針
- 配当性向60%を基本方針。機動的な自己株式取得・消却の実施実績あり(自己株式の一部消却を公表)。
- 配当
- 直近実績:年間配当 94.39円(トレーリング利回り約2.13%)
- 予想:年間配当 94.39円、予想利回り約2.07%(株価4,561円前提)
- 自己株式
- 自己株式比率 6.24%。2026年3月期1Qに自己株式の消却実施(約1,303万株)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 50日・200日線上、出来高増加、短期上昇基調。
- 信用取引:信用買残 588千株(前週比▲66.8千)、信用売残 415千株(▲101.8千)、信用倍率 1.42倍。建玉は双方向で縮小。
- 関心材料
- 直近イベント:2025/3/28 権利落ち日済
- 今後のイベント:2025/10/23 決算発表予定
- 業績ドライバー:EV/一般産業向けロボット、中国・インド需要、米国関税・為替動向
11. 総評
- 事業面
- CNC・ロボットを核にした統合制御技術とグローバル保守が強み。サービス収益が安定化に寄与しつつ、EV/電子部品など新領域の自動化需要を取り込む方針。
- 財務面
- 高い自己資本比率と潤沢な現金で耐性が高い。24/3の減益局面から収益性は改善傾向。
- バリュエーション
- PER・PBRはいずれも業界平均を上回る水準。配当は配当性向60%方針に基づき、利回りは2%前後。
- テクニカル
- 株価は移動平均線を上回り、52週レンジの高値圏寄り。出来高増加を伴う上昇が直近で確認可能。
- リスク
- 設備投資サイクル、関税・為替、地域需要の変動、新興競合の台頭など外部環境要因には留意が必要。
以上、公開データに基づく現状整理です。最終的な判断にあたっては、最新の決算・開示資料および市場環境の変化をご確認ください。
企業情報
銘柄コード | 6954 |
企業名 | ファナック |
URL | https://www.fanuc.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 電機・精密 – 電気機器 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。