ERIホールディングス(6083)企業分析レポート

個人投資家の皆様へ、ERIホールディングスの企業分析をまとめました。

1. 企業情報

ERIホールディングスは、建築物の安全・安心を支える第三者検査・評価サービスを全国展開する企業です。主要な事業内容は以下の通りです。
* 確認検査事業(売上構成比:約49%):建築基準法に基づき、建築中の建物が法律や基準に適合しているかを検査・確認するサービスです。民間の会社としては全国で唯一この業務を展開しており、業界のリーディングカンパニーです。
* 住宅性能評価および関連事業(売上構成比:約20%):住宅品質確保法に基づき、新築・既存住宅の性能(耐震性、省エネ性など)を評価するサービスです。
* ソリューション事業(売上構成比:約15%):既存建築物のデューデリジェンス(詳細調査)、インスペクション(建物診断)、建築基準法適合状況調査など、多様なコンサルティングサービスを提供しています。
* その他(売上構成比:約16%):上記のほか、建築・住宅に関連する様々なサービスを展開しています。

同社は、2013年設立で東京都港区に本社を置き、従業員数は1,640名、平均年齢は50.8歳、平均年収は687万円です。

2. 業界のポジションと市場シェア

ERIホールディングスは、民間の建築確認検査機関として全国展開を唯一実現しており、この分野で首位のポジションを確立しています。建築確認検査は建築基準法に基づき義務付けられているため、安定した需要がある事業です。
業界全体としては、建設費の高止まりや建設業界の人手不足が住宅新設の懸念材料となる可能性があります。しかし、一方で、デジタル化や脱炭素対策に向けた設備投資需要は底堅く推移しているとの見方もあります。また、改正建築基準法の施行など、法改正が市場動向に影響を与える可能性もあります。既存建築物の維持管理や省エネ化といったニーズは増加傾向にあり、同社のソリューション事業の成長機会にもつながると考えられます。

3. 経営戦略と重点分野

同社は、2022年6月から2025年5月までの中期経営計画を策定し、サステナビリティを重視した経営方針のもと、事業成長と社会的課題解決への貢献を目指しています。具体的には、2030年に売上高300億円、時価総額300億円の実現を目標に掲げています。
そのための戦略として、「中核事業の強化」と「事業領域の拡大」を推進しています。
「中核事業の強化」では、脱炭素社会実現に向けた省エネ関連業務の体制整備を進めています。
「事業領域の拡大」では、インフラ・ストック分野の事業拡大を特に重視しており、2025年5月期においては、株式会社福田水文センター、国土工営コンサルタンツ株式会社、株式会社花田設計事務所の3社を連結子会社化しています。これにより、既存建築物の調査・診断や土木分野へのサービス提供を強化しています。

4. 事業モデルの持続可能性

ERIホールディングスの事業モデルは、建築物の安全性を確保するという社会的要請に基づいた法定業務が中心であり、安定的な需要が見込めます。特に建築確認検査業務は、建設プロジェクトに不可欠なプロセスであり、その全国展開でのトップシェアは強みです。
また、住宅の新設需要だけでなく、既存建築物の維持管理・改修や省エネ化のニーズが高まっている中で、住宅性能評価事業やソリューション事業を強化していることは、市場ニーズの変化への適応力を示しています。M&Aによる事業領域の拡大も、新たな収益源の確保と事業の多角化を通じて、持続的な成長を支える要因となりえます。

5. 技術革新と主力製品

同社の主力製品・サービスは、前述の通り「建築確認検査」「住宅性能評価」「ソリューション事業(既存建築物のデューデリジェンス、インスペクション、建築基準法適合状況調査など)」です。
特にソリューション事業は、既存建築物分野のニーズ拡大を取り込み、2025年5月期には新規子会社化の影響も大きく、売上高が前期比64.6%増、営業利益が82.2%増と大幅な成長を遂げています。これは、同社の新たな成長ドライバーとして注目されます。
技術革新については、提供された情報からは具体的な内容は確認できませんが、建築・建設業界ではCAD/BIMの活用、AI・IoTによる検査の効率化、ドローンを用いた点検技術などが進んでおり、同社もこれらの技術動向を取り入れて業務効率化やサービス高度化を図っていくと考えられます。

6. 株価の評価

現在の株価2,885.0円と各種指標を基に評価します。
* PER(株価収益率):会社予想EPS(223.61円)に基づくPERは12.94倍です。業界平均PERが15.0倍であるため、業界平均と比較するとPERは下回る水準にあります。
* PBR(株価純資産倍率):実績BPS(834.23円)に基づくPBRは3.47倍です。業界平均PBRが1.2倍であるため、業界平均と比較するとPBRは上回る水準にあります。

この情報だけを見ると、収益性に対する評価は業界平均より低いものの、純資産に対する評価は業界平均より高いという見方ができます。これは、同社の事業の安定性や将来性への期待が一定程度株価に織り込まれている可能性も考えられます。

7. テクニカル分析

ERIホールディングスの現在の株価2,885.0円は、年初来高値3,145円、年初来安値1,600円と比較すると、年初来高値に比較的近い水準にあります。
直近10日間の株価推移を見ると、8月1日の3,075円から徐々に下落傾向にあり、8月14日には2,889円となっています。過去数日間で株価は短期的に下落トレンドを示しています。
現在の株価2,885.0円は、50日移動平均線(2,550.44円)と200日移動平均線(2,252.23円)を上回っており、中長期的な上昇トレンドは継続していると見られますが、短期的な調整局面にある可能性があります。

8. 財務諸表分析

2025年5月期の連結決算短信によると、同社の財務状況は以下の通りです。
* 売上高:19,765百万円(前期比9.7%増)と増収を達成しました。
* 利益:営業利益2,045百万円(前期比2.7%増)、経常利益2,076百万円(前期比2.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,293百万円(前期比4.9%増)と、各種利益も増益となりました。
* 収益性:ROE(実績)は21.41%と、高い水準を維持しており、株主資本を効率的に活用して利益を生み出していることがうかがえます。売上高営業利益率は10.4%でした。
* 財務安全性:自己資本比率は47.2%(前期50.0%)と、十分な水準を維持しており、財務基盤は安定していると考えられます。
* キャッシュフロー:過去12か月の営業キャッシュフローは784.6百万円、フリーキャッシュフローは293.12百万円と、事業活動によるキャッシュ創出能力があることを示しています。
* セグメント別状況:売上高・利益ともに増益となった中、ソリューション事業が売上高64.6%増、営業利益82.2%増と大きく伸長しました。一方で、主力の確認検査事業と住宅性能評価事業は、それぞれ売上高・営業利益ともに前期比で減少しています。全体の増益は、ソリューション事業の成長が牽引した形です。

9. 株主還元と配当方針

同社は株主還元に積極的な姿勢を示しています。
* 配当:2025年5月期の実績は年間60円(期末30円)でした。2026年5月期の年間配当は70円(期末35円)を予想しており、増配の傾向にあります。
* 配当利回り:会社予想の1株配当70円に基づく配当利回りは2.42%です。
* 配当性向:2025年5月期の実績配当性向は37.5%であり、2026年5月期予想の配当性向は43.34%と、利益に対する適切な株主還元を行っている水準と言えます。
* 自社株買い:データによると、自己株式229,600株を保有しており、自社株買いも株主還元策の一つとして実施していることがわかります。

10. 株価モメンタムと投資家関心

直近の株価は、8月上旬には3,100円台で推移していましたが、中旬にかけて2,800円台までやや軟調に推移しています。
信用取引残高を見ると、信用買残が85,400株(前週比+3,400株)と増加している一方で、信用売残は18,800株(前週比-11,500株)と減少しています。この結果、信用倍率は4.54倍となっており、買い残が売り残を上回る状況です。
株主構成を見ると、自社従業員持株会や光通信、UHパートナーズといった大株主が上位に名を連ねています。一方で、機関投資家による保有割合は1.82%と比較的低く、インサイダー(内部関係者)による保有割合が55.08%と高いことが特徴的です。
今後の主なイベントとしては、四半期決算発表(2025年7月7日~11日)や配当落ち日(2025年11月27日)があります。これらの情報は、投資家の関心や株価の変動要因となる可能性があります。

11. 総評

ERIホールディングスは、建築確認検査業務の全国展開で首位を誇るなど、安定した基盤を持つ企業です。中核事業の安定性に加え、住宅性能評価やソリューション事業など、事業領域の拡大を進めており、特にソリューション事業はM&Aを伴い大きく成長しています。これは、市場ニーズの変化に対応し、既存建築物の維持管理・改修や省エネ化といった新たな需要を取り込む戦略が奏功していることを示しています。
財務面では、売上、利益ともに増益を達成し、自己資本比率47.2%、ROE21.41%と健全な財務状況と高い収益性を維持しています。株主還元も、増配傾向にあり、配当性向も適切な水準です。
株価の評価では、PERは業界平均を下回る水準ですが、PBRは業界平均を上回る水準にあります。株価は年初来高値に近い水準で推移しており、直近は短期的な調整局面にあるように見受けられます。今後の業績発表や市場環境、建設業界の動向が注目されます。


企業情報

銘柄コード 6083
企業名 ERIホールディングス
URL http://www.h-eri.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 情報通信・サービスその他 – サービス業

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.1)」によって自動生成されました。

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By ジニー

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