ヨコオ(証券コード: 6800)企業分析レポート
株価(2025-08-15):1,390円
市場区分:東証プライム(電気機器)
時価総額:約332億円
1. 企業情報
- 事業概要
- 無線通信・情報伝送向けの部品・デバイスを展開。主力は車載用アンテナ(VCCS)、半導体検査用ソケット・プローブカード等(CTC)、電子機器向け微細コネクタと医療デバイス部品(FC・MD)、MaaS/IoT向けのソリューション(インキュベーション)。
- 金属細管(極細金属チューブ)をはじめとする微細加工や低温同時焼成セラミックス(LTCC)利用のRF関連基板などの独自技術を保有。
- 主な取引先は電気・電子機器および自動車業界。海外売上比率は約69%(2025/3期)。
- セグメント構成(2025/3期・売上比目安)
- VCCS(車載アンテナ)約68%
- CTC(半導体検査関連)約19%
- FC・MD(電子機器用コネクタ・医療)約13%
- インキュベーション/その他:軽微
- 拠点・体制
- 本社:東京都千代田区。連結従業員数7,733人。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 車載用アンテナの国内大手。自動車のコネクテッド化・SDV化に伴い、5G/LTE、V2X、GNSSなどマルチバンド対応の需要が拡大する領域で実績。
- 半導体検査分野ではスマホ・PC・エッジAI向けロジックの検査需要に対応。微細接続・高周波対応のノウハウが強み。
- 医療向けではカテーテル等で金属細管技術を応用、安定需要の獲得を志向。
- 競争優位性(示唆)
- デザインイン型(車載)の継続取引、RF・高周波設計や微細加工の複合技術、グローバル供給体制。
- 課題
- 自動車・半導体の景気変動と為替(円高)感応度。大口顧客依存やモデルサイクルに伴う変動、開発先行投資と原価上昇への耐性。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・方針(開示より)
- AI、EV/SDV化、サブスクリプションの潮流を踏まえ、ソフトウェア技術の強化、人材確保、ソフト搭載製品の拡充、ビジネスモデルの革新を推進。
- 具体策
- インキュベーション強化:株式会社光波のネットワークソリューション事業を承継し、MaaS/IoTのソリューション展開を加速。
- VCCS:事業構造改善(コスト・収益性の見直し)。
- CTC:エッジAI関連ソケットなど成長分野の受注開拓。
- FC・MD:医療ユニットの拡販、端末市場のミックス是正。
- 為替前提とリスク管理
- 想定為替レート1USD=140円。円高時の利益圧迫を警戒。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 車載(VCCS)はデザインイン後の量産・長期供給で継続的収益を確保しやすい一方、モデルサイクルと価格競争の影響を受ける。
- 半導体検査(CTC)はサイクル感応度が高いが、新規用途(エッジAI等)が下支え。
- 医療(MD)は規制・品質要件を背景に参入障壁が高く、比較的安定。
- 適応力
- 無線・高周波、微細加工、LTCCなど基盤技術の横展開により、車載・半導体・医療・IoTへ分散。MaaS/IoTのソリューション寄りの展開で付加価値化を模索。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性
- マルチバンド車載アンテナ、V2X/5G対応設計、LTCC応用のRF基板、金属細管の高精度加工。
- 主力領域
- VCCS:車載用アンテナ各種(セルラー、GNSS、V2X等)。
- CTC:半導体検査用ソケット・プローブカード、FPC/FCC向けクリップなどの検査治具。
- FC・MD:微細コネクタ、医療機器用部品・ユニット。
- インキュベーション:MaaS/IoT向けアンテナ・ネットワークソリューション。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提:株価1,390円
- 会社予想EPS(連結):68.64円 → PER約20.3倍(提示値20.31倍と整合)
- 実績BPS(連結):2,201.91円 → PBR約0.63倍(提示値と一致)
- 会社予想配当:48円 → 予想配当利回り約3.45%
- 業界平均との比較(電子部品関連の参考)
- 業界平均PER:約24.2倍 → 同社は割安圏の水準に位置
- 業界平均PBR:約1.6倍 → 同社は簿価に対して低位
- 参考
- 利益水準のブレ(為替・一過性損益)の影響に留意。予想EPSは保守・一過性要素の影響を含む可能性がある。
7. テクニカル分析
- トレンド指標
- 50日移動平均:約1,370円、200日移動平均:約1,449円
- 現在値は50日線付近〜やや上、200日線を下回る中期弱含み基調。
- 価格帯・節目
- 年初来高値1,812円/安値1,018円の中間帯。8/6の決算発表日に大きくギャップダウン後、1,370〜1,430円での保ち合い。
- 直近上値目処:1,430円台、次いで1,450〜1,500円帯。下値:1,370円前後。
- 出来高・需給
- 決算日を起点に出来高急増後は減少基調。信用買残223千株・信用倍率5.05倍と、短期的な個人投資家のポジション傾斜がうかがえる。
8. 財務諸表分析
- 損益(連結)
- 売上高推移:66,848百万円(2022/3)→ 77,962(2023/3)→ 76,895(2024/3)→ 82,884(2025/3)
- 営業利益:4,684 → 4,739 → 1,618 → 4,227(百万円)
- 親会社株主帰属純利益:4,663 → 3,147 → 1,511 → 2,227(百万円)
- 2026/3期1Q:売上21,004百万円(+0.6%)・営業利益734百万円(-30.5%)・経常利益311百万円(-84.6%)・純利益320百万円(-81.5%)。円高の為替差損や事業構造改善費用が影響。負ののれん309百万円を特別利益計上。
- 収益性・効率
- 粗利:15,705百万円(2025/3)
- 営業利益率(LTM目安):約3.5%
- ROE(実績):4.36%、ROA(LTM目安):約3.09%(データソースにより差異あり)
- 財務安全性
- 自己資本比率:68.1%
- 現金等:17,230百万円、総有利子負債:10,220百万円 → ネットキャッシュ
- 流動比率:約2.20倍、D/E約19.9%
- キャッシュフロー
- 減価償却費:約3,996百万円(2025/3)。詳細CFは未記載。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2025/3期:年間48円、2026/3期(会社予想)も年間48円を継続見込み。
- 予想配当性向:約50%(参考)
- 直近の権利落ち予定:2025/9/29(予定)
- 自社株買い
- 足元での新規実施の開示は確認情報なし(自己株式比率約2.26%保有)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 52週で約-10%と軟調。決算後にギャップダウンし、その後は保ち合い。短期では50日線付近での攻防。
- 投資家構成・関心
- 機関投資家保有約50%、インサイダー約9.7%。
- 信用取引は買い残・売り残ともに増加。イベント(決算・配当)前後の短期売買参加が示唆される。
- 影響要因
- 為替(円高進行)、自動車生産・受注動向、半導体検査需要(スマホ/PC/エッジAIのミックス)、米国関税政策など。
11. 総評
- 事業面
- 車載アンテナの国内大手としてEV/SDV・コネクテッド化の構造テーマを捉えつつ、半導体検査・医療・IoTソリューションへ技術を横展開。Q1は円高と一過性要因で利益が圧迫されたが、通期は増益計画(営業+29%)を掲げる。
- 収益・財務
- 2025/3期は増収・営業段階の回復。自己資本比率が高く、ネットキャッシュ基調で財務健全性は良好。ROEはなお改善余地。
- バリュエーション・需給
- 予想PER約20倍、PBR約0.63倍と、同業平均PER・PBRに対して割安水準。決算後のギャップダウンで200日線下に位置し、中期トレンドはなお慎重。信用買い比率はやや高め。
- 留意点
- 為替感応度、事業構造改革の進捗、セグメントミックス(VCCS/CTC/MD/インキュベーション)の収益貢献、米国関税や自動車・半導体サイクルの動向に注意。
本資料は公開情報に基づく一般的な企業分析であり、投資勧誘や投資助言を目的とするものではありません。数値は提出資料・データセット間で定義差(LTM/通期・予想/実績・一過性損益の有無等)により乖離する場合があります。
企業情報
銘柄コード | 6800 |
企業名 | ヨコオ |
URL | http://www.yokowo.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 電機・精密 – 電気機器 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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