リンテック(7966)企業分析レポート
株価:3,185円(2025-08-15終値)/市場:東証プライム
1. 企業情報
- 概要
- 粘・接着素材の総合メーカー。ラベル・バーコード用粘着紙/フィルム、各種工業用テープ、窓・マーキング・車載フィルム等の印刷材・産業工材を主力とし、半導体工程用テープ、MLCC(積層セラミックコンデンサ)向けテープ、偏光板関連の粘着加工、タッチパネル関連、LCD関連粘着材などの電子・光学関連も展開。剥離紙・剥離フィルム、鋳造紙(合成皮革・炭素繊維複合材用)など紙・加工材も手掛ける。
- 事業区分と収益性(連結・売上構成/セグメント営業利益率の目安)
- 印刷材・産業工材関連:58%(約3%)
- 電子・光学関連:31%(約19%)
- 洋紙・加工材関連:11%(約1%)
- 海外売上比率:64%(2025/3)
- 基本データ
- 設立:1934年、従業員:5,311人、所在地:東京都板橋区、代表者:服部 真
- 親密先:日本製紙(持分28.35%)
- ベータ:0.18(5年・月次)
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- ラベル・粘着材料分野で国内大手。電子部材工程用テープや偏光板用粘着加工など、機能性フィルム分野に強み。
- 競争優位性
- 粘・接着コア技術、剥離紙/フィルム〜機能性フィルムまでの素材・加工一貫対応、半導体/MLCCといった高付加価値用途の比率。
- 課題
- 原材料・エネルギー価格や為替の影響、ディスプレイ市況変動、半導体需要の循環性。固定費増(人件費・減価償却)の吸収がテーマ。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/方向性(公表資料の範囲)
- 高付加価値の電子・光学関連での収益性確保、半導体・電子部品向けの拡販継続。
- 生産拠点の見直し(韓国・台湾子会社の閉鎖影響に言及)と固定費コントロール。
- 2026年3月期Q1トピックス
- セグメント別営業利益は電子・光学関連が最大(4,738百万円、前年同期比+14.2%)。印刷材・産業工材は固定費増や売上構成で減益。
- 中期経営計画
- 記載なし(今回資料中)。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 広範な粘着・フィルム製品群による分散収益。特に半導体工程用・MLCC関連・光学関連の高付加価値製品が利益貢献。
- 需要動向への適応
- 物流・医薬向けラベルや産業用途は安定性が相対的に高い一方、半導体/ディスプレイはサイクルの影響を受けやすい。製品ポートフォリオの多様化と地域分散(海外64%)で吸収。
- リスク感応
- 原材料・エネルギーコスト、為替、固定費の上昇に対する価格政策・効率化が重要。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性
- 粘・接着技術、微細加工、剥離/表面処理技術。半導体工程向け(ダイシング/バックグラインド等)テープ、MLCC用テープ、偏光板用粘着加工の専業性。
- 収益牽引
- 電子・光学関連(とくに半導体・電子部品関連)が営業利益の柱。加工材では電子材料用剥離紙が堅調。
- 製品群
- ラベル・バーコード関連資材・機器、車載フィルム、サイン/内装フィルム、タッチパネル関連、LCD関連粘着材、合成皮革用鋳造紙、CFRP用工程紙など。
6. 株価の評価
- 主要指標(連結)
- 株価:3,185円、時価総額:約2,308億円
- EPS(会社予想):271.35円 → PER:11.74倍
- BPS(実績):3,582.16円 → PBR:0.89倍
- 配当:110円(会社予想)→ 配当利回り:約3.45%
- 業界平均との比較(Specialty Chemicals想定)
- 業界平均PER:14.5倍、PBR:1.3倍
- 同社はPER・PBRともに業界平均より低位。
- 参考
- TTM EPS:約211.8円(TTMベース)と会社予想EPS(271.35円)に乖離。通期計画達成度合いがバリュエーションの前提。
7. テクニカル分析
- 短期推移
- 直近10営業日で年初来高値3,265円に接近(8/13に高値3,265円)。本日は3,185円でやや反落。
- 移動平均
- 50日線:約2,962円、200日線:約2,911円。現株価は両線を上回る水準。
- レンジ認識
- 52週高値:3,540円、52週安値:2,316円。年初来ベースでは高値圏に近い水準。出来高は直近でやや増加傾向(8/13に増加)。
- 信用動向
- 信用買残:67,700株(前週比▲4,300)、信用売残:16,000株(前週比+6,900)、信用倍率:4.23倍。
8. 財務諸表分析
- 収益・利益(連結)
- 売上高(TTM):約316.0〜317.0億円、営業利益:245.6億円、当期純利益:144.8億円
- 利益率(TTM):営業7.5%、最終3.9%
- 2024/3→TTMで増収・増益(2024/3純利益52.4億円→TTM144.8億円)。一方、2026/3期Q1は増収・減益(原燃料・人件費等の固定費増、為替影響)。
- 効率性
- ROE:実績6.06%(TTM 5.21%)、ROA(TTM):4.52%
- 財務安全性
- 自己資本比率:実績72.1%(2026/3期Q1:73.1%)
- 有利子負債:84.6億円、D/E:約3.6%と低水準、流動比率:2.84
- キャッシュフロー
- 営業CF:300.4億円、レバードFCF:16.9億円
- Q1(2026/3期):営業CFは前年同期比で減少、投資CFは抑制、財務CFはマイナス(自己株関連/配当等の影響と推測される記載)。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2025/3期:年間100円、2026/3期会社予想:年間110円(配当性向:約47%目安)
- 5年平均配当利回り:約3.39%
- 自社株
- 自己株式比率:7.09%(期末)。自己株の動きは財務注記に変動あり(Q1で自己株式残高減少の記載)。
- 方針
- 具体的な中計の資本政策方針は本資料には記載なし。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 50・200日線上で推移。年初来高値を一時更新する局面があり、直近は利食いによる反落。
- 投資家関心の材料
- 半導体・電子部品向け需要動向、原材料・エネルギーコスト、為替、光学/ディスプレイ市況、拠点再編の進捗。
- イベント
- 権利落ち日:2025-09-29(予定)
- 決算発表:2025-11-06(予定)
11. 総評
- 事業面
- 粘・接着・剥離・機能性フィルムに強みを持ち、半導体・電子部品向けの高付加価値分野が収益を牽引。ポートフォリオの多様化と海外展開により需要サイクルの平準化を図る構造。
- 収益・財務
- TTMでは増収増益、財務体質は自己資本比率70%超・低D/Eで堅健。2026/3期Q1は固定費増・為替等で減益。
- バリュエーション/株価
- PER・PBRは業界平均より低位。株価は移動平均線上で推移し、年初来高値圏に接近した後の押し目局面。
- 注目ポイント
- 通期計画(売上3,170億円、営業利益240億円、純利益180億円、EPS267円前後)の進捗、半導体・電子部品需要、コストコントロールと価格政策、為替動向が主要ファクター。
(注)本資料は公開情報・提示データに基づく客観的整理であり、投資助言を目的とするものではありません。各数値は連結ベース(特記なき場合)で、TTM/四半期は時点差により乖離が生じる場合があります。
企業情報
銘柄コード | 7966 |
企業名 | リンテック |
URL | http://www.lintec.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – その他製品 |
関連情報
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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