ダイキョーニシカワ(4246)企業分析レポート
本資料は公開情報の整理・分析を目的としたものであり、投資勧誘・投資助言ではありません。数値は特記なき限り連結・円建てです(2025年8月16日時点)。
1. 企業情報
- 事業概要: 自動車向けプラスチック部品の開発・製造・販売が主力。外装(バンパー、ラジエーターグリル、テールゲート等)、内装(インパネ、ドアトリム等)、機能部品(エンジンカバー、インテークマニホールド等)に加え、電動車向け(バッテリーカバー、冷却配管、バスバー等)も手掛ける。住宅関連ではバスユニット部材、ガス管等も。
- 顧客構成: マツダ向けが約7割強、ダイハツ系向けもあり。
- 海外売上比率: 38%(2025年3月期)。地域は北米、アセアン、中国・韓国に展開。
- その他事業: 不動産賃貸、産業廃棄物取扱い、保険代理店等の付帯サービス。
- 基本情報: 設立1961年、本社・広島。従業員5,779人、平均年齢41.4歳。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション: 日系OEM向け樹脂部品のサプライヤー(Tier1/2)。マツダとの結びつきが強いのが特徴。
- 競争優位性の要点:
- 樹脂成形・大型外装品・内装意匠部品などの量産対応力。
- 電動化対応の樹脂・複合材部品の品ぞろえ(バッテリー関連など)。
- 北米での新規受注進展(外装部品の要具売上増、2026年3月期1Q)。
- 課題:
- 主要顧客集中(マツダ比率が高い)。
- 中国ではNEV政策影響によりガソリン車減産の影響。
- 樹脂原材料・エネルギーコストや為替の変動感応度。
※市場シェアの定量データは未開示。
3. 経営戦略と重点分野
- セグメント方針(2026年3月期1Q短信より)
- 日本: 主要顧客の生産台数減・製品構成変化で減収減益。
- 北米: 顧客生産増と外装部品の新規受注で増収増益。
- アセアン: インドネシアの要具売上増で増収増益。
- 中国・韓国: ガソリン車減の中で損益は黒字転換。
- 重点分野の示唆
- 北米でのOEM向け拡大をテコに収益を確保。
- 電動化領域(バッテリー関連部品など)の比率拡大。
- 生産体制・要具投資の効率化、コスト是正。
- 通期見通し(会社計画)
- 売上高165,800百万円(前期比-1.6%)、営業利益7,100百万円(+29.0%)、経常利益6,900百万円(+28.8%)、純利益5,200百万円(-20.0%)。1Q時点で据え置き。
※中期経営計画の詳細は未開示。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 自動車生産台数・車種ミックスに連動。大型外装や意匠部品は新車投入の波に沿って要具(型)投資が発生。
- 持続性の論点:
- 顧客・地域の分散進展(海外売上比38%、北米の伸長)。
- EV・電装化に適合する樹脂・複合材部品の拡充。
- 主要顧客集中リスクと、中国ICE縮小の影響をポートフォリオで緩和できるか。
- 減価償却負担(年約110億円)を吸収する売上規模と稼働率維持。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・製品動向:
- 外装(バンパー等)や内装(インパネ等)の外観・精度要求への対応。
- 軽量化・電動化対応部品(バッテリーカバー、冷却配管、バスバー等)の展開。
- 収益牽引領域:
- 北米での外装部品の新規受注が1Qで寄与。
- 日本は生産台数減・製品構成影響で利益率が低下。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 株価: 743円、時価総額: 約549億円
- 業績前提:
- 会社予想EPS:73.41円、BPS:1,207.98円
- 指標比較:
- PER:約10.1倍(業界平均20.4倍)
- PBR:約0.62倍(業界平均1.1倍)
- 予想配当利回り:約5.11%(年間38円、5年平均4.74%)
- 参考:概算EV/EBITDA ≈ 約2.3倍[EV=時価総額+有利子負債-現金=約490億円、EBITDA(TTM)約209億円。時点差・定義差に留意]
- 観点: 収益性(ROE 7–8%)、財務安定性(自己資本比率56.5%)、顧客集中や中国需要構造の変化を織り込む必要。
7. テクニカル分析
- トレンド: 現在値は50日移動平均(約682円)および200日(約628円)を上回る。
- 位置づけ: 52週高値756円に接近(現値743円)。年初来レンジ493–756円の上限圏。
- 需給・出来高: 信用倍率8.41倍(買い残が優勢)。10日平均出来高約18.8万株に対し、直近は9.8万株とやや低下。
- 直近の値動き: 8月上旬から上昇基調(720円台→740円台)。高値圏でのもみ合い。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益推移(年度、単位: 百万円)
- 売上高: 116,669(2022)→145,744(2023)→159,019(2024)→168,561(2025)
- 営業利益: -2,628(2022)→3,458(2023)→8,693(2024)→10,007(2025)
- 親会社純利益: -2,085(2022)→518(2023)→5,782(2024)→6,498(2025)
- 収益性:
- 粗利率: 約13.3%(2025)
- 営業利益率: 約5.9%(2025)、TTMで6.45%
- 純利益率: 約3.9%(2025)、TTMで3.62%
- ROE: 実績7.73%(TTM 7.28%)、ROA: 3.98%
- キャッシュフロー・投資:
- EBITDA 約219億円(2025)、減価償却約110億円。設備投資負担を吸収できる水準の営業CFが想定される一方、詳細CFは未開示。
- 財務健全性:
- 現金同等物: 約305億円、総有利子負債: 約246億円でネットキャッシュ。
- 自己資本比率: 56.5%、流動比率1.67、D/E約28%と安全性は良好。
- 1Q(2026年3月期)概況:
- 売上+3.8%(420.9億円)、営業益+1.4%(27.1億円)、純利益-14.3%(19.97億円)。
- 開発中止補償収入や為替差益の減少が経常・純利益の減少要因。
9. 株主還元と配当方針
- 配当: 2025年3月期36円、2026年3月期会社予想38円(期末19円予定)。予想配当性向約39%。
- 自己株式: 2025年5月の取締役会決議に基づく自己株取得で、自己株が増加(簿価で+6.33億円)。1Q末の自己株式は3,737,108株。
- 基準日: 次回の権利落ち日は2025年9月29日(予定)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム: 中長期移動平均線上で推移、52週高値圏。1Qでの純利益減は短期の材料となり得る一方、北米の受注動向が下支え。
- 投資家構成: インサイダー保有比率約42%、機関投資家約21%。フロートが相対的に限定的。
- 信用動向: 信用買残331千株(前週比+7千株)、信用売残39千株(+19千株)、信用倍率8.41倍。
11. 総評
- 事業: 自動車樹脂部品に特化し、電動化対応部品もラインアップ。北米が堅調、日本は生産台数・ミックスの影響を受けやすい構造。
- 財務: 売上・利益は回復基調。自己資本比率が高くネットキャッシュで財務耐性あり。
- バリュエーション: PER・PBRは業界平均を下回る水準、配当利回りは会社予想で約5%。一方、顧客集中や地域需給(中国ICE縮小)への対応が継続的な論点。
- 株価位置: テクニカルには上昇トレンド継続の中で高値圏に位置。出来高推移・イベント(配当権利日等)や四半期業績の進捗が短期の変動要因。
出所: 会社開示(2026年3月期1Q決算短信)、提示データ(株価・指標・財務)。本資料は情報提供であり、投資判断はご自身でご確認ください。
企業情報
銘柄コード | 4246 |
企業名 | ダイキョーニシカワ |
URL | http://www.daikyonishikawa.co.jp/jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 素材・化学 – 化学 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。