9601 松竹 分析レポート(プライム市場)
注記: 本資料は公開情報に基づく企業分析であり、投資勧誘・投資助言を目的としたものではありません。数値は特記なき限り連結ベース。日時点の情報に依存するため、最新の開示と併せて確認してください。
1. 企業情報
- 事業概要
- 映像関連(映画の製作・配給・興行、アニメ、映像権利、テレビ制作、パッケージ/配信)
- 演劇(歌舞伎・新派・松竹新喜劇ほかの企画・制作・興行、国内外巡業、俳優/タレントマネジメント)
- 不動産(歌舞伎座タワー、銀座松竹スクエア等の開発・賃貸・運営)
- その他(プログラムやキャラクター商品の企画販売、イベント、オンライン配信、EC、飲食・駐車場運営、音楽著作権等)
- 特徴
- 歌舞伎にルーツを持つ老舗。映画・演劇の名門として強いブランドを有し、不動産が安定収益源。
- 2024年にTBSホールディングスと資本業務提携。コンテンツ・放送/配信での連携強化。
- 直近のトピック
- 2026年2月期1Qは増収増益。ヒット作品や襲名披露公演が寄与。BS放送事業撤退に伴う引当金戻入益を特別利益計上。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 位置づけ
- 映画は東宝・東映と並ぶ主要プレイヤーの一角だが、興行規模は中位。自社チェーン(MOVIX等)と配給/製作機能を併せ持つ。
- 演劇は歌舞伎の中核的存在として固有の強み。専用劇場(歌舞伎座、新橋演舞場、大阪松竹座、南座)を保有・運営。
- 不動産は劇場周辺を中心に安定賃貸収益を確保。
- 競争優位と課題
- 優位: 歌舞伎IPと劇場運営ノウハウ、映像と舞台の両輪、老舗ブランド、都心好立地の不動産。
- 課題: 映画はヒット依存度が高い。動画配信(SVOD)の拡大でウィンドウ戦略の最適化が必要。劇場稼働の景気/感染症影響、オフィス賃貸市況の変動リスク。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/方向性(推察を含む)
- 伝統芸能(歌舞伎)の価値最大化とグローバル発信。
- 映画・アニメ等のIP創出・ライツ展開の拡充(配信・商品化・イベント連動)。
- 劇場・映画館の体験価値向上(新規シネコン開設:MOVIX広島駅など)。
- 安定収益の不動産を軸にポートフォリオの質的向上。
- 放送からの選択と集中(BS事業撤退)と、TBS連携による映像事業の強化。
- 中期的重点施策(開示・1Q短信より)
- ヒット作品・大型公演の継続投入、歌舞伎の海外展開/新規顧客層開拓。
- 映像ライブラリー活用、配信・イベント・物販の周辺収益拡大。
- 中核賃貸物件の高稼働維持とエリアマネジメント強化。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 収益源の多角化(映像/演劇/不動産/物販)。不動産が景気変動耐性の高い収益を提供。
- 映像・演劇はタイトル/興行カレンダーの波がある一方、権利ビジネスやイベント連動で裾野拡大。
- 変化対応
- BS撤退で収益性改善を志向。配信や海外展開などチャネル多様化を進める構え。
- 劇場の体験価値向上(新規シネコン、イベント上映等)で来場動機を強化。
5. 技術革新と主力製品/コンテンツ
- 技術・開発の動向
- デジタル配信、ライブラリーのリマスター活用、イベント/オンライン配信の組み合わせ等、収益化手段の多様化。
- 主力/牽引要素(1Q実績)
- 映像関連:劇場公開ヒット(例:「名探偵コナン 隻眼の残像」等の波及)、シネコン新店寄与。
- 演劇:歌舞伎の襲名披露興行等の集客改善。
- 不動産:歌舞伎座タワー、銀座松竹スクエアなど主要物件の高稼働による安定利益。
6. 株価の評価(2025-08-16時点・株価14,170円)
- バリュエーション
- 予想PER(会社予想EPS 211.08円):約67.1倍
- 実績PBR(BPS 6,976.67円):約2.03倍
- 参考:業界平均 PER 23.2倍、PBR 2.3倍
- 予想配当利回り(年30円):約0.21%
- 時価総額:1,974.99億円
- 参考指標:PSR(LTM売上861.5億円ベース)約2.3倍
- 簡易EV/EBITDA(EV≈1,974.9+純有利子負債521.8=約2,496.7億円、LTM EBITDA約59.7億円):約42倍(特別要因や利益水準の変動で感応度高)
- コメント
- 予想PERは業界平均を上回る水準。PBRは業界平均に概ね近い。配当は控えめ。
7. テクニカル分析
- トレンド
- 直近終値:14,170円。50日線13,438円、200日線12,371円を上回る上昇トレンド。
- 年初来高値/52週高値:14,520円に接近。ブレイク水準に近い位置。
- 売買動向
- 10日平均出来高8.3万株 > 3か月平均4.1万株で回転増。直近も6.5万株。
- 信用動向:信用倍率0.07倍(売り超過、売残28.5万株>買残1.9万株)。需給は売り優位だが、価格変動への影響には留意。
- 日中値幅・制限
- 本日高安14,520-14,100円、値幅制限11,350~17,350円。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益(億円)
- 売上高:2022/2 718、2023/2 782、2024/2 854、2025/2 840(LTMベースの出所差あり)
- 営業利益:2022/2 ▲40、2023/2 ▲8、2024/2 36、2025/2 17
- 当期純利益:2022/2 ▲18、2023/2 55、2024/2 30、2025/2 ▲7(特殊要因影響)
- 2026/2期1Q:売上216.6、営業利益10.9、純利益15.1(特別利益計上あり)
- 収益性・効率
- LTM営業利益率:約5.0%(1Q実績も約5.0%)
- ROE(実績):▲0.71%(LTM指標では改善の示唆あり)
- ROA(LTM):約0.71%
- 財務安全性・CF
- 自己資本比率:44.5%(1Q末44.9%)
- 総資産:2,135億円、純資産:959億円(1Q)
- 現金同等物:145.5億円、総有利子負債:667.3億円、D/E約69.6%、流動比率1.13倍
- 減価償却費:LTM約47.5億円
- セグメント
- 売上構成(2025.2):映像関連52%、演劇28%、不動産17%、その他3%
- 1Qセグ利益:不動産142.8、映像41.6、演劇7.4、その他▲0.3(億円換算)
9. 株主還元と配当方針
- 会社方針・実績
- 2025/2期実績:年間30円
- 2026/2期予想:年間30円(期末一括)
- 指標
- 予想配当利回り:約0.21%(株価14,170円)
- 予想配当性向の目安:30円/予想EPS211.08円 ≈ 約14%
- 自社株
- 自己株式保有比率:約0.85%。現時点で新規の自己株買い開示は確認情報なし。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 8月入り以降、13170円→14170円へ段階的に切り上げ、年初来高値を更新圏。
- 出来高増加を伴う上昇。50日・200日線とも上回る強含み。
- 関心材料
- 2026/2期1Qの好転(増収増益、特別利益)、新店寄与、歌舞伎関連興行の堅調。
- TBSHDとの資本業務提携によるコンテンツ/配信連携期待。
- BS事業撤退による選択と集中。セグメントの収益性改善。
- 信用売り超過の需給構造。
11. 総評
- 事業面では、伝統芸能(歌舞伎)の独自資産、映画・アニメ等のIP展開、そして不動産の安定収益という三本柱を有する。1Qは映像・演劇の回復と不動産の安定で増収増益。BS撤退等により収益構造の見直しも進む。
- 財務面では自己資本比率約45%と一定の健全性を維持しつつ、有利子負債は大きく、設備・物件関連の資本負担を内包。LTMの利益水準は変動が大きく、特別要因の影響を受けやすい。
- バリュエーションは予想PERが業界平均を上回る一方、PBRは概ね業界水準。配当は控えめで、株主還元は安定志向。
- 株価は移動平均線を上抜け、52週高値圏で推移。出来高増や信用需給の特徴が短期の価格変動に影響しうる。
- 注視点は、コンテンツ/興行のパイプライン、配信との両立、歌舞伎の継続的な発信力、不動産稼働の維持、そしてTBS連携の収益寄与度。
参考データ(抜粋)
– 株価/出来高(2025-08-16終値):14,170円、出来高6.48万株、時価総額1,974.99億円
– 予想EPS 211.08円、BPS 6,976.67円、予想PER 67.13倍、PBR 2.03倍
– 配当予想:30円(利回り約0.21%)
– 1Q(2026/2期):売上216.6億円、営業利益10.9億円、純利益15.1億円
– 信用倍率0.07倍(売残28.5万株、買残1.9万株)
– 52週高/安:14,520円/9,100円、50日移動平均13,438円、200日移動平均12,371円
– 自己資本比率44.5%(1Q末44.9%)、総有利子負債667.3億円、現金145.5億円
今後のイベント
– 次回決算期日レンジ(予定):2025年7月10日〜14日(直近は通過)
– 権利落ち予定日:2026年2月26日(予定)
企業情報
銘柄コード | 9601 |
企業名 | 松竹 |
URL | http://www.shochiku.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。