沖電気工業(6703)企業分析レポート
株価: 1,592円(2025-08-15終値)/市場: 東証プライム
1. 企業情報
- 概要: 情報通信システムを祖業とし、ATM・現金処理機器、プリンター(LED/ドットインパクト/ワイドフォーマット)、EMS(電子機器受託製造)を展開。公共・社会インフラや企業ネットワーク向けのソリューションに強み。
- 主な提供領域:
- 公共・社会インフラ: 交通インフラ、防災、自治体/行政向けシステム、防衛関連
- 企業IT/ネットワーク: IP-PBX、コンタクトセンター、キャリア向け通信機器、業務用電話
- 金融/店舗: ATM、現金処理機、監視・運用サービス、両替機
- プリンター: カラー/モノクロLED、ドットインパクト、ワイドフォーマット、産業用途
- EMS/部材: 受託設計・製造、プリント基板 等
- 事業構成(売上構成比の目安と利益率感、2025.3期データに基づく目安):
- パブリックS: 約29%(営業利益率目安 ~10%)
- エンタープライズS/プラットフォーム: 約40%(~7%)
- コンポーネントP: 約17%(~4%)
- EMS: 約15%(~▲1%)
- その他: ごく少量(~▲13%)
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:
- 国内公共・社会インフラ領域での実績や顧客基盤が強み。長期案件・保守需要が発生しやすい。
- ATM・現金処理は国内で高いプレゼンスを持つ一方、キャッシュレス進展の影響を受けやすい領域。
- プリンターは業務用/特殊用途(ドットインパクト等)のニッチ需要に対応。
- EMSはグローバル競争(価格・品質・納期)に晒される。
- 競争環境(例示):
- 公共/通信: NEC、富士通、日立など大手SI/通信機器、海外勢(Cisco等)
- 金融/現金処理: グローリー等
- プリンター: リコー、キヤノン、コニカミノルタ等(用途/領域は異なる場合あり)
- EMS: 海外大手(Foxconn、Jabil等)ほか
- 課題/留意点:
- 公共投資や為替、部材価格の変動影響
- ATM・プリンターの構造的需要変化
- EMSの利幅確保(稼働率、ミックス)
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/方向性(公表情報の要旨):
- 社会インフラ×デジタルの領域で価値提供を拡大
- 4本柱(情報通信、プリンター、ATM、EMS)のバランス運用と収益性改善
- 2026年3月期(会社計画):
- 売上高 4,500億円(前期比▲0.5%)
- 営業利益 190億円(+2.0%)
- 経常利益 170億円(+1.1%)
- 親会社純利益 140億円(+12.2%)
- 第1四半期は減収・赤字転換だが「概ね計画通り」との見解
- 重点施策例(推察含む公表範囲の整理):
- 公共/社会インフラ:更新需要・防災/交通のデジタル化案件の獲得、保守運用の拡大
- エンタープライズ:ネットワーク更改、コンタクトセンター、IP-PBX刷新需要
- 金融:ATMの運用・監視サービス等の付加価値領域
- プリンター:産業/帳票などニッチ分野の維持と利益重視
- EMS:高付加価値案件のミックス改善、コスト/稼働最適化
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:
- プロダクト販売+保守/運用サービス(ストック寄与)
- 公共・社会インフラ案件は長期・継続需要が見込まれやすい
- 変化への適応力:
- ATM/プリンターの需要変容に対し、サービス・ソリューション比率の高まりがカギ
- EMSは需要サイクル/価格競争に晒されやすく、選別と差別化が課題
- リスク:
- 為替、原材料価格、公共予算や民需の景気感応度
- キャッシュレス化や電子化の進展
5. 技術革新と主力製品
- 技術/独自性:
- 920MHz帯無線マルチホップ等の無線・IoT関連
- 企業向けIP-PBX/コンタクトセンターなど音声/ネットワーク領域
- 産業用/ドットインパクトなど堅牢・特殊用途プリンティング
- 収益牽引(近時の状況):
- 2026年3月期1Qセグメント利益:エンタープライズプラットフォームが黒字寄与(+19.7億円)、パブリックは小幅赤字、EMSは小幅黒字、その他赤字
- 中核は公共・企業向けソリューション領域
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 株価: 1,592円
- 予想EPS: 161.43円 → 予想PER 約9.86倍(業界平均PER 24.2倍)
- 実績BPS: 1,618.34円 → PBR 約0.98倍(業界平均PBR 1.6倍)
- 配当:
- 会社予想配当 50円 → 予想配当利回り 約3.14%
- 配当性向目安 約31%(提供データ)
- EV/EBITDA(概算):
- 時価総額 約1,388億円、純有利子負債 約688億円 → EV 約2,076億円
- EBITDA: 324.7〜287.9億円(定義差あり)
- EV/EBITDA 約6.4〜7.2倍(概算)
- 参考:
- 時価総額/売上高(PSR) 約0.31倍
- ROE(実績)8.7%に対しPBR ~1倍水準
7. テクニカル分析
- トレンド指標:
- 50日移動平均: 1,568円付近/200日移動平均: 1,154円付近
- 現在値は50日線・200日線ともに上方
- 価格レンジ:
- 52週高値: 1,690円、安値: 777円(現在は高値から約6%下)
- 直近10日レンジ: 1,551〜1,645円程度、8/12に出来高増の下押し
- 位置付け:
- 中長期は上向き基調が継続。短期は高値圏に近づいた後のもみ合いと押し目が交錯
8. 財務諸表分析
- 売上/利益(連結、百万円):
- 売上高: 352,064(2022)→ 369,096(2023)→ 421,854(2024)→ 452,457(過去12か月)
- 営業利益: 5,864(2022)→ 2,403(2023)→ 18,693(2024)→ 18,628(過去12か月)
- 親会社純利益: 2,065(2022)→ ▲2,800(2023)→ 25,649(2024)→ 12,479(過去12か月)
- 備考: 2024期は税金影響(税金費用のマイナス)が純利益を押し上げ
- 収益性:
- 粗利率: 約25.1%(過去12か月)
- 営業利益率: 約4.1%(過去12か月)
- 純利益率: 約2〜3%(計算値と提供指標に差があるためレンジ表記)
- キャッシュフロー/財務:
- 営業CF: 270.8億円(過去12か月)
- レバードFCF: 2.15億円(小幅プラス、投資支出で圧迫)
- 現金同等物: 約310.6億円/総有利子負債: 約998.6億円 → ネットDE 約71%(提供)
- 流動比率: 1.38
- 直近四半期(2026年3月期1Q):
- 売上高 850.8億円(前年同期比▲13.1%)
- 営業損失 ▲13.7億円、最終損失 ▲16.4億円
- 自己資本比率 35.6%(前期末35.4%)
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績/予想:
- 2025年3月期: 期末45円
- 2026年3月期(会社予想): 期末50円
- 配当指標:
- 予想利回り 約3.14%、配当性向目安 約31%
- 自己株式:
- 自己株保有 約0.58%(買戻し方針は資料上未確認)
10. 株価モメンタムと投資家関心
- パフォーマンス:
- 52週騰落率 +58.9%(市場平均を上回る提供値)
- ベータ(5年)0.19と低ボラティリティ
- 売買動向:
- 直近10日平均出来高 106万株 > 3か月平均 86.5万株(商い増加)
- 信用残: 買い 181.2万株、売り 53.1万株、信用倍率 3.41倍
- 前週比: 買い残減、売り残増(短期のポジション調整の示唆)
- イベント:
- 決算発表予定: 2025-11-06
- 権利落ち(予想): 2026-03-30
- 決算説明会資料の開示予定あり
11. 総評
- 事業面:
- 公共・企業向けの社会インフラ/ネットワークでの基盤が収益の柱。ATM・プリンターは需要構造変化の影響がある一方、サービス/保守の継続収益が補完。
- EMSは収益性が相対的に低く、ミックス改善が鍵。
- 業績面:
- 2024期までの増収・収益回復傾向に対し、2026期1Qは減収・赤字転換。会社は通期計画を据え置き。
- 財務・株主還元:
- 自己資本比率35%台、ネットD/Eは一定水準。営業CFはプラス継続。配当は増配見込み(45→50円)。
- バリュエーション/株価:
- 予想PER ~9.9倍、PBR ~1.0倍と、業界平均指標と比較して低位に位置。EV/EBITDAは概ね6〜7倍台。
- 株価は200日線上で中長期上向き。短期は高値圏手前での振れと出来高増が観測。
- 留意点:
- 自動車/民生向けを含む需要サイクル、為替・コスト、公共案件の進捗に感応。ATM・プリンターの構造変化に対するサービス/ソリューション化が進捗の焦点。
本資料は提供データに基づく情報整理であり、将来予想や投資判断を示唆するものではありません。データには出所間の差異が含まれる場合があり、重要項目は最新の公式開示をご確認ください。
企業情報
銘柄コード | 6703 |
企業名 | 沖電気工業 |
URL | http://www.oki.com/jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 電機・精密 – 電気機器 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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