8624 いちよし証券 分析レポート(情報提供)
本資料は公開情報・提供データに基づく客観的な情報整理です。投資判断ではなく、参考情報としてご利用ください。
1. 企業情報
- 概要
- 関西発祥の独立系証券。首都圏の富裕層に強みを持ち、個人営業主体で中小型株に特化したリサーチを展開。
- 事業は証券仲介、投信・ファンドラップ等の資産運用サービス、アセットマネジメント、不動産関連(賃貸・仲介・管理)、保険代理店・物販など。
- 受入手数料比率が高く(連結事業構成:受入手数料98%、トレーディング損益0%、金融収益1%、他1%[2025/3期])、手数料・フィー中心のビジネスモデル。
- 上場区分・業種
- 東証プライム、33業種:証券・商品先物取引業、17業種:金融(除く銀行)
- 従業員
- 964名、平均年齢44.2歳、平均年収726万円
- 本社
- 東京都中央区日本橋茅場町1-5-8
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 大手総合証券(野村・大和・SMBC日興など)やネット証券(SBI・マネックス・松井等)に比べ規模は中堅。中小型株の調査力と富裕層向け対面チャネルに特化したニッチ戦略。
- 競争優位性
- 中小型グロース株の調査力、富裕層リテールでの深耕、ファンドラップ残高の積み上げ。
- 課題
- マーケット環境(株価水準・出来高・ボラティリティ)の影響を受けやすい収益構造。コストカバー率の改善、デジタル対応の強化、大手・ネット証券との価格/利便性競争への対応が論点。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・戦略
- 「ストック型ビジネスモデル」への転換を推進し、預り資産3兆円を目標(中期経営計画「3・D」)。
- 重点施策(2026年3月期1Qトピックス)
- ファンドラップ「ドリーム・コレクション」:残高3,415億円(前年同期末比+19.0%)
- 投資信託残高:7,926億円(同-2.5%)
- いちよしアセットマネジメント運用資産:6,123億円(同+8.8%)
- 預り資産:2兆3,070億円(前期末比+4.6%)
- コストカバー率:66.4%(前年同期73.3%)
- 方向性
- リカーリング収益(ラップ・投信残高手数料等)の増強、富裕層向け提案力と中小型株リサーチの強化、費用コントロール・生産性向上。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 手数料収入(販売・残高ベース)主体で、相場環境に連動するフローと、残高手数料のストックで構成。トレーディング依存は限定的。
- 持続性評価の観点
- ストック収益比率の引上げが収益の安定化に資する一方、相場下落やグロース株の不振局面では受入手数料の減少やコストカバー率の低下が発生しうる。
- 財務基盤は自己資本比率59.5%(2026/3期1Q、前期末65.4%)と厚め。現金同等物は多いが、証券業特性上、顧客関連資金を含むため自由度には留意が必要。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性
- 中小型株のリサーチ力に定評。対面チャネルによるコンサルティングとファンドラップ運用の組合せで差別化。
- 主力サービス
- いちよしファンドラップ「ドリーム・コレクション」がストック収益の柱。投資信託販売・残高手数料、機関投資家向け助言、アセットマネジメント。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提
- 株価:825円、BPS(実績・連結):約851円、LTM EPS:約46.9円
- 指標
- PBR:約0.97倍(= 825円 / 851円)
- PER(参考・LTM):約17.6倍(= 825円 / 46.92円)
- 配当利回り(実績):約4.1%(= 34円 / 825円)。会社の今期配当予想は未定。
- 相対比較(提供業界平均)
- 業界平均PER:13.3、業界平均PBR:1.0
- 当社はPBRは概ね業界平均水準、PERはLTMベースで業界平均より高めに位置。
- 補足
- 市場環境による利益変動が大きい業態のため、PERは景気・相場サイクルで振れやすい点に留意。
7. テクニカル分析
- トレンド
- 直近10営業日で終値は761円→825円近辺へ上昇。高値・安値ともに切り上げ。
- 移動平均・レンジ
- 50日線:786円、200日線:822円。終値は両線上に位置。
- 52週レンジ:593–1,058円の中位圏(現在値はレンジの約50%水準)。
- 需給
- 信用倍率:2.05倍。信用買残は前週比減少、売残は増加。短期的には戻り待ち・上値の供給も意識されやすい需給。
- 水準感(参考)
- サポート候補:800円前後、50日線(約786円)、200日線(約822円)
- レジスタンス候補:830–840円帯、年初来高値969円
8. 財務諸表分析
- 収益・利益(百万円)
- 売上高:18,801(2025/3)/ 18,836(2024/3)/ 16,663(2023/3)/ 19,589(2022/3)
- 営業利益:2,288(2025/3)/ 2,805(2024/3)/ 1,166(2023/3)/ 3,323(2022/3)
- 親会社純利益:1,564(2025/3)/ 1,929(2024/3)/ 758(2023/3)/ 2,526(2022/3)
- 傾向:2023/3に一時的な落ち込み、その後回復も、2025/3は前期比で減益。相場環境の影響が表面化。
- 収益性・効率
- ROE(実績・連結):5.55%(2025/3)
- ROA(LTM):2.42%
- 営業利益率(参考):2025/3は約12%(営業利益/売上高ベースの概算)
- 安全性・流動性
- 自己資本比率:65.4%(2025/3期末)→59.5%(2026/3期1Q)
- 現金等:279.6億円、総有利子負債:3.65億円、D/E:約1.34%(いずれも直近四半期データ)
- 流動比率:2.20
- 2026年3月期1Q(前年同期比)
- 純営業収益:-7.5%、営業利益:-56.9%、純利益:-61.7%
- 受入手数料減少、費用増により減益。トレーディング損益は改善。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2025年3月期 期末配当:17円(年間34円)
- 2026年3月期:配当予想は未定(会社開示)。データ上のフォワード利回りは参考値。
- 実績ベース配当性向:約72.5%(= 34円 / LTM EPS 46.92円)
- 自社株対応
- 自己株式比率:16.13%(6,117,400株)。過去に自己株取得を実施しており、資本政策としての還元実績がある。足元での新規自己株買い施策の開示は未確認。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 直近2週間は堅調。52週変化率:+9.62%。ベータ:0.30(指数連動性は低位)。
- 需給・出来高
- 直近出来高は3カ月平均(約107千株)に対し概ね同程度。信用買いは減少、売りは増加傾向。
- イベント
- 権利落ち日:2025/3/28(済)
- 2026年3月期1Q決算は2025/7/30公表済。以降の決算スケジュールは未掲示(会社開示を要確認)。
11. 総評
- いちよし証券は、中小型株リサーチと富裕層リテールに強みを持つ手数料主体のビジネスモデル。ストック型収益(ファンドラップ・投信残高手数料)の拡大に注力し、預り資産3兆円を目標としている。
- 直近期(2026/3期1Q)は受入手数料の減少と費用増で大幅減益。一方でトレーディング損益は改善し、預り資産は増加。財務基盤は厚く、自己資本規制比率も高水準。
- バリュエーションはPBRが1倍近辺、PERはLTMで業界平均より高め。配当は実績ベースで約4%利回り・配当性向70%台。今期配当は未定。
- 株価は50日・200日線上に位置し、52週レンジの中位圏。信用需給はやや拮抗。足元のモメンタムは持ち直しつつも、相場動向(特に中小型株の地合い)や手数料動向が引き続き重要な変動要因。
企業情報
銘柄コード | 8624 |
企業名 | いちよし証券 |
URL | http://www.ichiyoshi.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 金融(除く銀行) – 証券、商品先物取引業 |
関連情報
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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