ケーズホールディングス(8282)分析レポート
株価:1,488.5円(2025-08-15終値)/市場区分:プライム
1. 企業情報
- 概要:北関東地盤の家電量販大手。現金値引き中心の価格政策と、郊外大型店フォーマットが特徴。販売に加え、配送・設置などの付帯工事、修理、技術サポート、派遣、人材育成などの関連サービスも展開。
- 歴史・体制:1947年創業。2007年に現社名へ変更。M&A(例:デンコードー)を通じ全国展開を進めた。本社は水戸市。
- 売上構成(2025.3 連結):家庭電化商品38%、情報機器25%、季節商品16%、映像・音響12%、その他8%。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:国内家電量販の大手グループの一角(主な競合:ヤマダHD、ビックカメラ、エディオン、上新電機、ノジマ等)。ポイント還元中心の競合に対し「現金値引き」を軸に差別化。
- 競争優位性:
- 郊外大型店×駐車場でファミリー層の来店利便性が高い。
- 付帯工事・設置・修理など、ECだけでは代替しにくい領域を内製化。
- 地域密着の接客力・店舗体験の強化。
- 課題:
- 業界全体で粗利率が低く、価格競争・販促費の負担が続きやすい。
- ECシフト・比較購買の進行への対応(OMO最適化、在庫・ロジの効率化)。
- 需要の天候(季節商品)・買い替えサイクル(PC/白物)への感応度。
※市場シェアの公表値は本データにないため記載省略。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・方針(中期経営計画2027):
- 既存店効率の再点検と接客力強化による基盤固め。
- 店舗体験の向上と運営効率化(人員配置、生産性、在庫最適化)。
- 具体的施策(直近四半期):
- 直営店を2店開設・2店閉鎖し、ネットワークの最適化を継続。
- 季節商品・Windows10サポート終了を見据えたPC需要の取り込み。
- 財務運営:
- 総額1,000億円のシンジケートローン(ターム+コミットメント)を締結し、うち400億円を調達。投資余力と機動的な資金手当てを確保。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:物販(大型白物・情報機器・季節商品)に付帯サービス(配送・設置・修理・サポート)を重ねるモデル。設置・工事を要する商品群がECとの差別化要素。
- 需要適応力:
- PCはOSサポート終了前後に更新需要が発生(現在はWin10終了に伴う需要を享受)。
- 季節商品(エアコン等)は気温・気象要因で変動。
- 省エネ・高効率家電への買い替え需要。
- リスク:個人消費動向、エネルギー価格、価格競争激化、ECプラットフォームの拡大。粗利率の維持と販管費のコントロールが重要。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発:メーカーのR&D色が強い領域だが、同社は店舗オペレーション・ロジ・設置/修理体制の運用高度化に注力。
- 主力カテゴリと稼働ドライバー:
- 家庭電化(白物):買い替えサイクル・省エネ性能向上。
- 情報機器(PC等):OSサポート終了関連の需要ピーク。
- 季節商品(エアコン等):猛暑などの気象要因。
- 付帯工事・修理:販売後の収益機会と顧客接点維持に寄与。
6. 株価の評価(バリュエーション指標比較)
- 株価:1,488.5円
- 会社予想EPS:62.39円 → 予想PER:約23.86倍(業界平均PER 21.3)
- 実績BPS:1,566.61円 → PBR:約0.95倍(業界平均PBR 1.8)
- 配当:年間44円(会社予想)→ 予想配当利回り:約2.96%
- 予想配当性向:44円 / 62.39円 ≒ 約70.5%(TTMベースの公表値は77.18%)
- 参考:Revenue per Share(TTM)4,539円 → P/S(TTM)≒ 0.33倍
- コメント:PERは業界平均を上回る一方、PBRは平均を下回る水準。指標間で示唆が分かれるため、利益成長の持続性や資本効率の改善度合いが評価のカギとなる。
7. テクニカル分析(足元の位置づけ)
- 年初来レンジ:1,231円〜1,566円
- 現在値は年初来高値比で約-5%、年初来安値比で約+21%。
- 移動平均:50日線 1,487円、200日線 1,411円
- 終値は50日線ほぼ並び、200日線の上方に位置。
- 直近の値動き:
- 8/7に出来高急増を伴う下落後(1566→1472)、その後は1,470〜1,500円近辺での持ち合い。
- 直近の出来高は10日平均(約103万株)を下回り、勢いは一服。
- 信用動向:信用買残は前週比+44.9千株、信用売残は-20.3千株、信用倍率1.74倍(短期的に買い越し傾向)。
8. 財務諸表分析
- 売上高(連結、円換算は億円目安)
- 2022/3:7,472億 → 2023/3:7,373億 → 2024/3:7,184億 → 過去12か月:約7,380億
- 2026/3通期予想:7,550億(前年比+2.3%)
- 利益
- 営業利益:2022/3 417.6億 → 2023/3 301.3億 → 2024/3 187.3億 → 過去12か月 217.9億
- 当期純利益:2022/3 285.5億 → 2023/3 211.2億 → 2024/3 73.8億 → 過去12か月 95.3億
- 第1四半期(2025/4-6):売上+2.7%、営業+26.1%、純利益+59.7%と増収増益。
- 収益性指標(TTM)
- 営業利益率:約2.96%、純利益率:約1.51%
- ROE:実績3.66%/TTM 4.39%、ROA:約3.33%
- コスト・構造
- 売上総利益率は直近期に改善(第1四半期:28.4%、前年同期比+1.4pt)。
- 販管費は高止まり傾向。効率化の進展が収益改善の鍵。
- キャッシュフロー・安全性
- 営業CF(TTM):307億円、自己資本比率:58.5%(期首比-0.9pt)
- 流動比率:2.02、D/E:29.0%
- 現金同等物:149億円、総有利子負債:723億円
- その他
- 特別損益影響(「Total Unusual Items」TTM -117億円)あり。平常収益力の把握には留意。
9. 株主還元と配当方針
- 配当:年間44円(会社予想)。5年平均配当利回り3.20%に対し、足元は約2.96%。
- 配当性向:TTM 77.2%、会社予想ベース約70.5%。
- 自社株買い:2025/5/8取締役会決議に基づき2,252,400株を取得。自己株式は1,607万株(発行株の約9%)。
- 株主構成:信託銀行が上位、自己株・従業員持株会の比率も一定。インサイダー保有約20%、機関投資家約26%(いずれも公表値)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:8/7の急落後はレンジ内での推移。短期は出来高減少で方向感に乏しい。
- 出来高:3カ月平均約64.7万株、10日平均約103万株。イベント(決算短信)前後で膨らみ、その後は通常水準へ。
- 関心材料:
- 季節商品(猛暑)・PC更新(Windows10サポート終了)動向。
- 既存店効率改善の進捗、粗利率・販管費のバランス。
- 自社株買い・配当方針の継続性。
- 次回決算(2025-11-06予定)と配当基準日(権利落ち 2025-09-29)。
11. 総評
- 事業:設置・工事・修理を含む店舗オペレーション力と郊外大型店フォーマットが特徴。ECシフト下でも“設置前提”商材での優位と接客力強化に注力。
- 業績:売上は安定〜微増、直近四半期は粗利率改善で増益。中期では既存店効率の底上げが焦点。
- 財務:自己資本比率約58%、流動性・負債水準は適度。営業CFは利益を上回り、資金余力を確保。
- 株価評価:予想PERは業界平均を上回る一方、PBRは1倍割れ。利益成長や資本効率の改善が評価の方向性に影響。
- 注目点:季節需要・PC買い替えの持続性、販管費コントロール、既存店改善の進捗、自社株買い・配当の継続性、次回決算でのガイダンス更新。
企業情報
銘柄コード | 8282 |
企業名 | ケーズホールディングス |
URL | https://www.ksdenki.co.jp/kshd/default.aspx |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 小売 – 小売業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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