商船三井(9104)企業分析レポート
株価:4,935円(2025-08-15終値)/市場:東証プライム/業種:海運業
1. 企業情報
- 概要:商船三井(MOL)は世界有数の総合海運会社。ドライバルク(鉄鉱石・石炭・木材チップ等)、エネルギー(タンカー・LNG・LPG・オフショア)、製品輸送(コンテナはONE、完成車船はAuto Carrier Express、ターミナル・ロジスティクス)、ウェルビーイング&ライフ(フェリー・不動産等)、関連事業(曳船、人材・ICT・保険等)を展開。
- 事業構成(2025年3月期):ドライバルク23%、エネルギー32%、製品輸送35%、ウェルビーイング&ライフ6%、関連事業3%、その他1%。括弧内は営業利益構成比に相当する指標の公表例(製品輸送49%など)。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:国内大手3社の一角(商船三井・日本郵船・川崎汽船)。コンテナは3社出資のONEを通じて展開。LNG船、エネルギー輸送、完成車船で世界的なプレゼンス。
- 競争優位性:
- 長期契約比率の高いLNG・オフショア等の安定収益領域を保有
- ONEや完成車船のスケール、エネルギー輸送の運航・安全管理ノウハウ
- 課題:
- 市況依存度(コンテナ・ドライバルク)と業績変動の大きさ
- 脱炭素対応に伴う大型投資(燃料転換、船隊更新)と資本効率の両立
- 地政学・物流混乱・為替・燃料価格など外部要因の影響
- 定量的な市場シェア(グローバル全体の数値)は本データからは不明。
3. 経営戦略と重点分野
- 決算短信(2026年3月期1Q)では中計詳細の開示なし。
- 公表情報や近年の方針から見られる重点領域(一般論):
- エネルギー・オフショア、LNG・LPG等の長期安定収益事業の拡大
- 脱炭素への対応(LNG燃料船、アンモニア/水素・CO2輸送の実証、風力補助帆など)
- ポートフォリオ最適化(市況連動事業のリスク管理と資本配分の精緻化)
- 安全・デジタル化(航行最適化、運航効率化)
- 2026年3月期通期見通し(会社計画):売上1兆7,310億円、営業利益1,060億円、経常1,700億円、純利益2,000億円(期初比上方修正)。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益源の多様化:市況連動(コンテナ・ドライ)と契約型(LNG・オフショア)が混在。後者が収益安定化に寄与。
- 変化適応:
- 市況変動に対し船隊・契約ポートフォリオを調整
- 脱炭素規制(EEXI/CII等)への対応と新燃料対応船への更新
- 留意点:資本集約的で負債水準が高くなりやすい。大型投資と株主還元・財務健全性のバランスが論点。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性:
- LNG燃料船の導入、風力補助帆(Wind Challenger)の実装など環境技術
- アンモニア・CO2輸送やFSRU等の実証・案件開拓(一般的動向)
- 主力領域:
- エネルギー輸送(LNG・タンカー・オフショア)
- 製品輸送(ONE経由のコンテナ、完成車船)
- 1Qではエネルギー事業が増益、製品輸送はコンテナの減益影響。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 現在株価:4,935円
- 予想EPS(連結):578.92円 → 予想PER:約8.52倍(会社計算値と一致)
- 実績BPS(連結):7,346.10円 → PBR:約0.67倍
- 配当予想:年間175円 → 予想配当利回り:約3.55%
- 業界平均比較:PER平均7.8倍、PBR平均0.8倍
- PERは業界平均をやや上回る水準
- PBRは業界平均を下回る水準
- 参考:直近12カ月EPS(希薄化後)1,184.40円(市況性を含むため変動大)
7. テクニカル分析
- トレンド位置:
- 50日移動平均:4,860円付近 → 現在株価は約+1.5%上
- 200日移動平均:5,136円付近 → 現在株価は約-3.9%下
- 年初来レンジ:4,336円〜5,699円
- 高値比:約-13.4%
- 安値比:約+13.8%
- 足元の値動き:直近10日で4,800円台後半から4,900円台前半へ横ばい〜小反発。8/1決算日に出来高増。
- 信用動向:信用倍率6.99倍。買残・売残とも減少(前週比)で信用需給はやや整理の進行が見られる。
8. 財務諸表分析
- 収益・利益(連結・年度推移)
- 売上高:1兆2,693億円(2022)→ 1兆6,120億円(2023)→ 1兆6,279億円(2024)→ 1兆7,755億円(直近12カ月)
- 営業利益:550億円 → 1,087億円 → 1,031億円 → 1,509億円
- 営業利益率:4.3% → 6.7% → 6.3% → 8.5%(改善傾向)
- 親会社純利益:7,088億円(2022)→ 7,961億円(2023)→ 2,616億円(2024)→ 4,255億円(直近12カ月)
- 市況・持分法(ONE等)の影響で純利益の変動が大きい点に留意
- 2026年3月期1Q(2025/4-6)
- 売上4,327億円(前年比-0.7%)
- 営業利益370億円(-8.5%)、経常利益522億円(-51.9%)、純利益528億円(-50.6%)
- セグメント:エネルギーは増益、製品輸送はコンテナの大幅減益、ドライは減価償却増等で損失
- 安全性・効率性
- 自己資本比率:53.9%(実績)→ 1Qは47.3%(のれん増・為替換算差等の影響)
- D/E(総負債/資本):約90%(直近Q)
- 流動比率:0.57(直近Q)— 短期資金繰りは海運特性上タイト
- ROE:16.88%(実績)、ROA:1.89%(直近12カ月)
- 现金・負債:現金1,639億円、総有利子負債2.31兆円(直近Q)
- キャッシュフロー:本データでは詳細不明。
9. 株主還元と配当方針
- 配当:
- 前期(2025/3):年間360円
- 今期(2026/3)会社予想:年間175円(中間85円・期末90円)
- 予想配当性向:約30%(提供データ)
- 自社株:
- 自己株式比率:3.69%(保有実績)
- 自社株買いの有無・計画は本データから不明
- 権利落ち予定:2025-09-29(Ex-Dividend Date)
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 出来高:10日平均358万株 > 3カ月平均295万株(売買参加増)
- ベータ:1.01(市場連動性は中程度)
- イベント:
- 2025-08-01:1Q決算発表(利益は前年比減)
- 2025-09-29:配当権利落ち予定
- 注目材料:
- コンテナ運賃・バルク市況、原油・燃料価格、為替
- 脱炭素関連の受注・案件進捗(LNG燃料・アンモニア・オフショア等)
- 地政学リスク、物流混乱の影響
11. 総評
- 事業ポートフォリオは、市況連動(コンテナ・ドライ)と契約型(LNG・オフショア)がバランスする構造。1Qはコンテナ減益が影響する一方、エネルギーが補完。
- 収益性は直近で営業利益率が改善傾向。純利益は市況・持分法影響で変動が大きい。
- 財務は資本集約的で負債水準・流動比率に留意が必要。1Qは自己資本比率が低下。
- バリュエーションは、PERが業界平均をやや上回り、PBRは平均を下回る水準。配当は前期からの調整で予想利回りは3%台。
- テクニカルは50日線上・200日線下、年初来レンジの中間やや下ゾーン。出来高はイベント期に膨らむ傾向。
- 注視点:コンテナ・ドライ市況、為替・燃料、脱炭素投資の進捗と資本政策、地政学リスク。会社計画(通期)の達成度合いが短中期の評価材料。
(注)本レポートは提供データに基づく客観的整理であり、投資判断を目的とした助言ではありません。情報に不明点がある項目は割愛しています。
企業情報
銘柄コード | 9104 |
企業名 | 商船三井 |
URL | http://www.mol.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 運輸・物流 – 海運業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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