じもとホールディングス(7161)企業分析レポート
個人投資家の皆様へ、じもとホールディングス(7161)の企業分析レポートをお届けします。
1. 企業情報
じもとホールディングスは、株式会社きらやか銀行と株式会社仙台銀行が経営統合し、2012年に誕生した金融持株会社です。主に銀行業を営んでおり、地域に根差した金融サービスを提供しています。復興支援を経営理念の一つとしており、東北地方の地域経済発展に貢献することを目指しています。また、SBIホールディングスとの資本業務提携により、新たな金融サービスや事業展開の可能性も探っています。
主な事業内容は以下の通りです。
* 資金運用・調達: 預金(普通預金、定期預金、当座預金など)を集め、それを資金として有価証券運用や貸出金(中小企業向け資金、住宅・消費者向け資金など)に充てるのが主たる業務です。
* その他金融サービス: コンサルティング、M&A(企業の合併・買収)支援、事業承継支援、人材紹介、ベンチャーキャピタル業務、リース業、クレジットカード業、コンピュータシステムの開発・保守・運用受託業なども手掛けています。
2. 業界のポジションと市場シェア
じもとホールディングスは、宮城県と山形県を主な営業地盤とする地域金融機関です。きらやか銀行と仙台銀行という2つの地方銀行を傘下に持つことで、地域における一定の顧客基盤とネットワークを構築しています。しかし、地域金融業界全体では、人口減少や低金利環境の長期化、異業種からの参入などにより、競争環境が厳しさを増しています。
同行は過去に公的資金の注入を受けており、経営健全化への取り組みが継続的な課題となっています。一方で、SBIHDの子会社が筆頭株主となるなど、特定の企業グループとの提携を通じて経営基盤の強化や新たな事業展開を進める動きが見られます。これにより、従来の地域金融機関の枠を超えた競争戦略を展開している点が特徴と言えますが、具体的な市場シェアに関するデータは提供されていません。
3. 経営戦略と重点分野
じもとホールディングスの経営戦略は、主要株主であるSBIHDとの資本業務提携を通じて、地域金融機関としての安定性と、新たな事業創出能力の向上を図ることにあると推測されます。提供された情報からは、具体的な中期経営計画の詳細は確認できませんが、直近の業績が2025年5月13日に公表された2026年3月期第2四半期・通期の業績予想を上回っていることから、現時点では策定された計画に沿った進捗が見られます。地域経済の活性化への貢献と、グループとしての収益基盤の強化が引き続き重要な重点分野と考えられます。
4. 事業モデルの持続可能性
じもとホールディングスの事業モデルは、地域社会の預金を集め、それを地域の中小企業や個人への貸出を通じて地域経済に資金を循環させる、という伝統的な地域金融機関のモデルを基礎としています。これに加えて、リース業やコンサルティング業、ベンチャーキャピタル業といった非金利収益の拡大にも取り組んでおり、収益源の多角化を進めています。
しかし、地域経済の構造変化(人口減少、産業の衰退など)や、日本銀行の金融政策による金利環境の変化は、銀行業の収益性に直接影響を与えるため、持続的な成長にはこれらの外部環境への適応力が不可欠です。SBIHDとの提携は、FinTechなどの技術を活用した新たなサービス提供や、コスト構造の見直しに繋がる可能性を秘めており、事業モデルの持続可能性を高める要因となり得ます。
5. 技術革新と主力製品
じもとホールディングスの主力製品・サービスは、預金商品(普通預金、定期預金など)、貸出商品(住宅ローン、事業者向け貸出、各種ローンなど)といった基本的な銀行サービスです。これに加え、企業のM&A支援や事業承継コンサルティング、ベンチャー企業への投資(ベンチャーキャピタル)なども手掛けています。
技術革新に関しては、事業内容としてコンピュータシステムの開発や保守・運用受託を行っていることから、ITを活用した業務効率化や顧客サービスの向上に取り組んでいると推測されます。しかし、具体的なFinTech技術の導入事例や独自性の高い技術開発に関する詳細な情報は提供されていません。
6. 株価の評価
現在の株価393.0円に対する各種指標は以下の通りです。
* 1株当たり利益(EPS): 会社予想は63.55円です。
* 株価収益率(PER): (会社予想) 6.18倍
* 業界平均PERが50.4倍であるのと比較すると、じもとホールディングスのPERは低い水準にあります。
* 1株当たり純資産(BPS): (実績) 3,143.69円
* 株価純資産倍率(PBR): (実績) 0.13倍
* 業界平均PBRが0.3倍であるのと比較しても、PBRは非常に低い水準にあります。一般的にPBRが1倍を下回る企業は、企業の純資産価値と比較して株価が割安であると判断されることがあります。特に0.13倍という水準は、市場が企業の資産価値や将来の収益力に対して慎重な見方をしている可能性を示唆しています。過去の多額の損失や公的資金注入などが影響している可能性があります。
7. テクニカル分析
じもとホールディングスの株価は、現在の393.0円が年初来高値(393.0円)と一致しており、52週高値も393.0円であるため、直近では高値圏で推移しています。
直近10日間の株価推移を見ると、8月5日に前日比で大きく上昇し、その後も堅調に推移していることがわかります。50日移動平均線(344.44円)および200日移動平均線(324.35円)を大きく上回って推移しており、短期的な上昇トレンドが継続している状況と見られます。8月15日は出来高も増加しており、関心の高まりが示唆されます。
8. 財務諸表分析
過去の損益計算書を見ると、じもとホールディングスは2023年3月期と2024年3月期にそれぞれ約-70億円、約-235億円という多額の純損失を計上しています。これは、金融機関としては非常に大きな赤字であり、経営環境の厳しさや、貸倒引当金などの特別損失を計上したことなどが影響している可能性があります。
しかし、最新のデータ(過去12か月)では純利益15.63億円を、2026年3月期第1四半期では親会社株主に帰属する四半期純利益10.53億円を計上しており、直近では黒字に転換している状況が見受けられます。
主な財務指標は以下の通りです。
* 売上高(Total Revenue):
* 2022年3月期: 364.15億円
* 2023年3月期: 336.28億円
* 2024年3月期: 339.46億円
* 過去12か月: 324.84億円(2025年3月期)
* 全体的には減少傾向にありました。ただし、最新の決算短信(2026年3月期第1四半期)では経常収益が前年同期比+10.4%と増加しており、回復の兆しが見られます。
* 経常利益(Pretax Income):
* 2022年3月期: 42.74億円
* 2023年3月期: -48.08億円
* 2024年3月期: -234.22億円
* 過去12か月: 19.85億円(2025年3月期)
* 過去の赤字から、直近では黒字回復を果たしています。
* 純利益(Net Income Common Stockholders):
* 2022年3月期: 25.85億円
* 2023年3月期: -70.82億円
* 2024年3月期: -234.62億円
* 過去12か月: 15.63億円(2025年3月期)
* 直近の収益改善が数字に表れています。
* ROE(自己資本利益率): (実績) 1.88% (過去12か月では2.06%)
* 株主資本を効率的に活用して利益を生み出す能力を示すROEは、過去の赤字を脱したものの、まだ高い水準ではありません。
* 自己資本比率: (実績) 3.3%
* 銀行業の特性上、一般事業会社とは異なる規制ベースの自己資本比率が用いられますが、提示された数値としては低い水準にあるため、財務の健全性は今後の改善が期待されます。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り(会社予想): 1.27%
- 1株配当(会社予想): 5.00円
- 配当性向: 65.88%
- 配当性向は比較的高く、利益の多くを配当にまわす方針が見られます。ただし、利益水準が変動しやすいため、配当の安定性については今後の業績推移を注視する必要があります。
- 提供された情報からは、自社株買いなどの具体的な株主還元策は確認できません。
10. 株価モメンタムと投資家関心
じもとホールディングスの株価は、直近10日間で上昇傾向にあり、特に8月5日以降は出来高を伴って株価が上昇しています。今日の出来高(147,300株)も過去10日の中でも高い水準であり、投資家の関心が高まっていることが示唆されます。
信用取引を見ると、信用買い残が564,300株と多く、信用売残(46,900株)に比べて大幅に買いが多い状況です。信用倍率は12.03倍であり、買い圧力が高い一方で、将来的な信用買い残の解消(売り)による株価変動リスクも考慮する必要があります。
機関投資家による保有割合は3.22%と比較的低い一方、インサイダー(内部関係者)による保有割合が44.50%と比較的高く、筆頭株主であるSBI地銀ホールディングスが33.36%を占めていることから、大株主の方針が株価に与える影響は大きいと考えられます。
株価への影響を与える主な要因としては、地域経済の動向、日銀の金融政策(金利動向)、貸倒れの発生状況、そしてSBIHDとの提携による新たな事業展開の進捗などが考えられます。
11. 総評
じもとホールディングスは、地域経済を支える役割を担う一方で、過去に多額の損失を計上し、公的資金注入を受けてきたという背景を持つ金融持株会社です。財務健全性の強化と収益性の改善が重要な課題となっていましたが、直近の決算では黒字転換し、今後の業績回復への期待が高まっています。
株価評価については、PERが6.18倍、PBRが0.13倍と、業界平均と比較して著しく低い水準にあり、企業の実態価値に対して市場の評価が低い状況にあると見られます。これは過去の業績不振や財務の課題が背景にある可能性があります。
テクニカル面では、現在の株価は年初来高値圏にあり、直近では買いを集めて上昇トレンドを見せています。出来高も増加しており、投資家の関心が高まっていることがうかがえます。
SBIホールディングスとの資本業務提携は、同行が新たな成長戦略を模索し、持続可能な事業モデルを構築していく上での重要な要素です。地域金融機関として地域経済に貢献しつつ、提携を通じて収益源の多角化や効率化を進められるかが今後の注目点となるでしょう。
企業情報
銘柄コード | 7161 |
企業名 | じもとホールディングス |
URL | http://www.jimoto-hd.co.jp |
市場区分 | スタンダード市場 |
業種 | 銀行 – 銀行業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.1)」によって自動生成されました。
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