カカクコム(2371)企業分析レポート
株価:2,942.5円(時価総額 5,832.6億円)/市場:東証プライム
※本資料は公開情報に基づく一般的な企業分析であり、投資助言を目的とするものではありません。数値は提示データに依拠しています。
1. 企業情報
- 概要:価格比較サイト「価格.com」、レストラン検索・予約サイト「食べログ」を中核に、求人情報の一括検索「求人ボックス」、住まい/旅行/映画/自動車/暮らし等の情報メディア・比較サイトを展開。
- 収益源:
- 掲載/連携先からの手数料(送客、予約、広告)
- 有料会員・SaaS的機能の利用料(主に食べログの店舗向け)
- アフィリエイト、ディスプレイ広告
- 事業構成(2025.3):価格.com 30%、食べログ 43%、求人ボックス 17%、インキュベーション 10%(カッコ内は参考的な高利益率の目安)
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:
- 価格比較領域:「価格.com」は国内最大級の認知度とトラフィックを有する総合購買支援サイト。
- グルメ・予約領域:「食べログ」は国内トップクラスの飲食店データベースとレビュー基盤を持ち、オンライン予約も拡大。
- 求人領域:「求人ボックス」はメタサーチ型で成長投資を継続。
- 競争環境:
- 価格比較:ECモール各社、ポイント/会員経済圏、検索エンジン経由の集客構造変化など。
- グルメ:他のグルメサイト、地図/検索プラットフォームのレビュー機能などとの競合。
- 求人:大手求人媒体、アグリゲーション型サービス、直販採用ツールとの競争。
- 競争優位/課題:
- 優位:強いブランド、網羅的なデータ/レビュー基盤、長年のSEO/プロダクト運用ノウハウ、送客ネットワーク。
- 課題:外部プラットフォーム(検索/OS)のアルゴリズム・ポリシー影響、広告単価環境、レビューの信頼性維持、飲食市況や広告需給の変動。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/原則:ユーザーファーストを基本に、生活領域全般へ価値提供を拡大。
- 中期経営計画(FY26.3-FY30.3)
- 中核事業(価格.com、食べログ)の継続成長
- 成長領域(求人ボックス、暮らし領域など)への積極投資
- M&Aを通じた事業ポートフォリオ強化(二桁成長を目標)
- 直近期の施策/重点:
- 食べログ:有料サービス契約店舗数・オンライン予約増加の継続
- 価格.com:ショッピング、サービス、通信領域の伸長
- 求人ボックス:ブランド投資・代理店活用による利用者/訪問数拡大(短期は費用先行)
- インキュベーション:「暮らし」領域(LiPLUSホールディングス連結)などの拡張
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:送客/予約手数料+広告が柱。利用者の購買・来店・応募等のコンバージョン連動で単価を確保。
- 強み:大規模レビュー/比較データ、店舗・事業者ネットワーク、継続的なUI/機能改善。
- 適応力:検索/広告環境や消費行動の変化に応じ、アプリ強化、直予約・来店管理、メタサーチ最適化等で収益多様化を進行。
- 主なリスク:外部集客依存度、景況・広告需要の変動、レビュー品質/コンプライアンス対応コスト。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・運用:レビュー/ランキングアルゴリズム、スパム/不正対策、CPC最適化、A/Bテスト、レコメンド、アプリ体験の磨き込み等。
- 主力:
- 価格.com:家電/PC/通信/金融等の比較・口コミ基盤。購買支援から申込/契約まで誘導。
- 食べログ:店舗検索・予約、口コミ/ランキング、有料機能(予約・集客支援ツール)。
- 求人ボックス:求人メタサーチ+広告商品。成長投資フェーズ。
- インキュベーション:住まい、旅行、映画、自動車、暮らし領域の情報・比較/マッチング。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 現在株価:2,942.5円
- 予想EPS:96.07円 → 予想PER:約30.6倍(提示値と一致)
- 直近12カ月EPS:101.39円 → トレーリングPER:約29.0倍
- BPS:282.27円 → PBR:約10.4倍(提示値と一致)
- 参考比較(業界平均):PER約17.0倍、PBR約1.8倍(当社は平均を上回る倍率)
- EV/EBITDA(概算):EV ≈ 5,832.6億円 − 正味現金約305億円 ≈ 5,527.6億円、EBITDA 342.4億円 → 約16.1倍
- PSR(概算):1株売上418.1円 → P/S ≈ 7.0倍
- 株主価値の指標:
- 正味現金:約305億円(1株あたり約154円)
- FCF(LTM):164.7億円 → FCF利回り(時価総額比)約2.8%
- コメント:高収益・高ROE体質を背景にプレミアム評価が確認できる一方、倍率は業界平均と比較して高水準。
7. テクニカル分析
- トレンド:終値2,942.5円は50日線2,662円、200日線2,458円を上回る。両移動平均は上向き。
- 52週レンジ:高値2,977.5円/安値2,023円。現状は高値から約-1.2%、安値比+45%程度の水準で高値圏に近い位置。
- モメンタム:
- 8/6に出来高急増で上昇(2,565→2,912.5円)後、上値トライ継続。
- 10日平均出来高105万株 > 3カ月平均65万株で売買活性化。
- 価格帯:
- レジスタンス:年初来高値近辺(2,978円前後)
- サポート:直近ギャップ・短期支持帯(2,800〜2,860円)、50日線(2,660円)目安
- 信用動向:信用買残95.9千株、売残82.6千株、信用倍率1.16倍。買い・売りが拮抗。
8. 財務諸表分析
- 成長:
- 売上高推移(億円):517(22/3)→608(23/3)→669(24/3)→784(25/3 LTM)
- 営業利益(億円):191 → 240 → 259 → 299
- 収益性:
- 営業利益率:37.0%(22/3)→39.5%(23/3)→38.7%(24/3)→約38.1%(25/3)
- 当期純利益率(25/3):約25.5%
- ROE(実績):35.4%、ROA(LTM):21.6%
- 安全性・効率:
- 自己資本比率:66.1%(26/3 1Q)
- D/E(総負債/自己資本):約14.4%(低レバレッジ)、流動比率:約2.25倍
- 正味現金:305億円(現金385.5億−有利子負債80.5億)
- キャッシュフロー(LTM):
- 営業CF 267.5億円、レバードFCF 164.7億円と創出力良好
- 四半期(26/3 1Q):
- 売上 219.6億円(+24.0%)、営業利益 73.2億円(+4.9%)
- セグ利益:価格.com 31.3億(+9.6%)、食べログ 52.3億(+21.9%)、求人ボックス 3.6億(-69.0%)、インキュベーション 4.2億(+36.8%)
- 求人ボックスは成長投資で費用先行
9. 株主還元と配当方針
- 予想配当:年間50円(中間25円・期末25円)、配当利回り約1.70%
- 実績:前期は特別配当30円を含む期末55円
- 配当性向:約49%(LTMベースの目安)
- 自社株買い:本資料の範囲では明示的な記載は確認できず
- 大株主:デジタルガレージ(20.6%)、KDDI(17.7%)など。インサイダー保有比率38.4%、フロート1.209億株
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 52週騰落:+25.7%(β=0.80、相場連動性は相対的に低め)
- 年初来高値圏での推移、出来高増を伴う上昇局面が継続
- 需給面:インサイダー持分が厚くフロートが限定、短期的なニュース・決算で価格弾力性が高まりやすい側面
- 業績ドライバー:
- 食べログの予約・有料店舗の増加
- 価格.comのショッピング/通信等の堅調
- 求人ボックスの成長投資の成果(中期)
- M&A/新領域(暮らし等)の寄与
- 留意点:検索アルゴリズム変更、広告需給、飲食市況、法規制/レビュー品質対応など外部要因の影響可能性
11. 総評
- 中核の「価格.com」「食べログ」が牽引し、高い利益率・ROE、潤沢な正味現金と強固な財務基盤を維持。求人ボックスは売上拡大と引き換えに費用先行で、ポートフォリオ内の成長投資エンジンとして機能。
- 中期計画に沿ってコア事業の深化と周辺領域(暮らし等)拡張、M&A活用で非連続成長を目指す構図。第1四半期は増収増益で計画進捗はおおむね順調。
- 株価は年初来高値圏・主要移動平均線上でモメンタム良好。バリュエーションは業界平均比で高めの水準が確認でき、今後は予約/送客の拡大持続、求人ボックスの収益化パス、外部環境(広告・検索・飲食市況)への耐性が注目点。
(不明点・追加開示が必要な項目は記載を割愛)
企業情報
銘柄コード | 2371 |
企業名 | カカクコム |
URL | http://kakaku.com/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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