1. 企業情報
- 概要: 半導体製造向けの高純度化学化合物の開発・製造・販売をグローバルに展開。絶縁膜材料などで高シェア。少量多品種・超高純度領域に強み。
- 製品・サービス: 成膜用前駆体(CVD/ALD系)、コーティング材、光学・光ファイバー・化合物半導体向け薬品、各種分析(純度/不純物/熱安定性)・成膜試験など。
- 生産/拠点: 山梨県に新工場(南アルプス事業所)を整備。韓国は35%出資の合弁、台湾で拡大。海外売上比率79%(2025.1)。
- 上場市場: 東証プライム(化学)
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション: 先端半導体向けのニッチかつ高付加価値な前駆体・絶縁膜材料で世界的に高いシェア領域を保有。材料のクオリフィケーション(採用認定)に時間がかかるため、参入障壁が高い。
- 競争環境: 海外大手の特殊化学・ガスメーカーや国内電子材料メーカーが競合。品質・微量不純物管理・安定供給が競争軸。
- 課題: 半導体投資サイクルへの感応度、顧客集中・世代交代による材料置換のリスク、規制・地政学によるサプライチェーン制約。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/戦略: 生成AI関連投資や中国等の需要増を取り込み、先端ノード向け材料の開発・量産体制を強化。品質/環境/安全/BCPの高度化。
- 重点施策(短信より)
- 生産性向上と生産・開発能力の増強(南アルプス事業所の整備・稼働)
- 海外需要への機動的対応(韓国JV、台湾拠点強化)
- サステナビリティ(環境負荷低減、作業安全性向上、BCP改善)
- 2026年1月期見通し(会社計画): 売上高260億円、営業利益60.5億円、経常利益69.0億円、純利益50.0億円(据置)
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: ファブと長期的な認定・量産取引に基づくB2B。高純度・高難度ニッチで価格・品質の付加価値を確保。
- 強み: 長期認定・スイッチングコストの高さ、微量不純物管理・分析力、少量多品種対応、顧客との共同開発。
- リスク適応: 先端ノード/パッケージング向け新材料の継続投入、地域分散供給、強固な財務(自己資本比率85.5%、低D/E)により投資サイクル変動に対応。
5. 技術革新と主力製品
- 技術動向/独自性: CVD/ALD前駆体、スピンオン絶縁膜などの超高純度製造・分析の一体運用。微量不純物制御・表面反応制御のノウハウ。
- 収益ドライバー: 先端ロジック/メモリ(HBM含む)投資、先端配線の低誘電絶縁膜、先端パッケージ、化合物半導体向けの特殊薬品。分析・成膜試験サービスによる付加価値。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提(会社/市場データ):
- 株価: 3,140円、時価総額: 約1,018億円、EPS(会社予想): 153.86円、BPS: 963.70円
- PER(予想): 20.38倍、PBR: 3.25倍、配当予想: 35円(利回り約1.12%)
- 現金: 79.9億円、借入金: 12.1億円、EBITDA(LTM): 約77.5億円
- 参考比較:
- 業界平均PER: 20.4倍 → 153.86円×20.4= 約3,142円(現株価と概ね整合)
- PBR比較: 業界平均PBR 1.1倍 → 963.7円×1.1= 約1,060円(同社は高ROE・高成長期待分のプレミアムが反映されやすい)
- EV/EBITDA: EV≈1,018−79.9+12.1=約951億円 → 約12.3倍(特殊化学の先端領域としては妥当レンジ内との見方が一般的)
- 参考指標: 益回り≒1/20.38=約4.9%、配当性向≒35/153.86=約22.8%
※ データソースによりLTM数値に差異があるため、比較はレンジ感の参考としてご覧ください。
7. テクニカル分析
- トレンド位置: 終値3,140円は50日移動平均3,187.6円をやや下回り、200日移動平均3,001.6円を上回る中立〜やや調整局面。
- レンジ: 直近は3,040〜3,150円のボックス推移。年初来高値3,960円、年初来安値1,890円。52週高値4,265円・安値1,890円比で中位下段。
- 出来高: 10日平均30.4万株 < 3カ月平均38.5万株、直近は低下気味。
- 需給: 信用買残43.7万株、信用倍率23.26倍と買い長。上昇局面での上値抑制・下落局面での手仕舞い圧力の両面リスク。
8. 財務諸表分析
- 成長:
- 売上高(年度・百万円): 2022/1:11,574 → 2023/1:13,803 → 2024/1:11,246 → 2025/1:18,906(反発)
- 営業利益: 2,976 → 3,505 → 1,948 → 5,256(高水準に回復)
- 2026/1期1Q: 売上+100.6% YoY、純利益+48.7% YoY
- 収益性:
- 粗利率(2025/1)約42.4%、営業利益率約27.8%(LTM営業利益率26%台)
- ROE 16.8%(実績)、ROA 10.9%(LTM)
- 安全性/流動性:
- 自己資本比率85.5%、D/E(簿価)低位(Total Debt/Equity 3.86%)
- 流動比率3.19倍、実質ネットキャッシュ(現金79.9億円>有利子負債12.1億円)
- キャッシュフロー:
- 営業CF(LTM)約23.2億円、レバードFCF約2.2億円と投資先行(新工場等でCAPEX増)
- 効率:
- Revenue per Share 683.18円、資産増(新拠点整備)に伴い資産回転はやや低下も高収益で吸収。
9. 株主還元と配当方針
- 配当: 2025/1期実績35円、2026/1期予想35円(会社計画)。配当利回り約1.12%、配当性向約23%(予想EPS基準)。
- 自社株買い: 自己株は極少量(1,800株)で買い戻し実績は限定的。
- 備考: 外部データで年70円の予想も見られるが、会社開示は35円(短信)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム: 52週騰落率−14.8%。足元は50日線付近でもみ合い。ベータ1.06と市場並みの感応度。
- 投資家構成: 機関保有比率約51%、インサイダー約16.6%。信用買い増(前週比+33,900株)で個人中心の関心は高い。
- 価格ドライバー:
- 需要面: 生成AI関連投資、中国/韓国/台湾の半導体キャップEX動向
- 供給面: 南アルプス事業所の立ち上がり、歩留・品質、原材料/物流コスト
- マクロ/規制: 関税・輸出管理、地政学、為替
11. 総評
- 同社は先端半導体向けの高純度前駆体・絶縁膜材料で強みを持ち、認定・品質を背景に参入障壁が高いビジネスモデル。2025/1期で業績は大きく回復し、2026/1期1Qも高成長を継続。
- 財務はネットキャッシュ・高自己資本比率で堅健。CAPEX先行でFCFは圧迫される局面だが、新工場による中期の供給力強化が狙い。
- バリュエーションは予想PERが業界平均に近く、PBRはROE水準・成長期待を織り込むプレミアム。EV/EBITDAは二桁前半。
- テクニカルは50日線近辺のレンジ。信用買い長が短期の需給要因となりやすい。
- 注視ポイント: 南アルプス事業所の稼働進捗と収益貢献、先端ノード向け新材料の採用動向、半導体投資サイクルの持続性、規制・地政学・為替の影響。
(本資料は公開情報に基づく一般的な企業分析であり、特定の投資行動を推奨するものではありません。)
企業情報
銘柄コード | 4369 |
企業名 | トリケミカル研究所 |
URL | http://www.trichemical.com |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 素材・化学 – 化学 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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