NISSHA(7915)企業分析レポート
株価: 1,323円(2025-08-19)
市場: 東証プライム/33業種「その他製品」/Electronic Components
1. 企業情報
- 概要
- 1929年創業、京都本社。祖業の印刷から派生した加飾・機能フィルム技術を基盤に、現在は「産業資材」「ディバイス」「メディカルテクノロジー」の3事業を主軸に展開。医薬・化粧品の開発製造(フィルム製剤、溶解性マイクロニードル等)も手掛ける。
- 製品・サービス例
- 産業資材: インモールド加飾(IMD/IME)、加飾成形品、蒸着紙、サステナブル成形品、CMFデザイン
- ディバイス: フィルムタッチセンサー、フォース/ガスセンサー等
- メディカルテクノロジー: 低侵襲手術機器、ウェアラブルセンサー、単回使用心電用電極、患者監視・手術用消耗品、医療機器CDMO
- 医薬・化粧品: フィルム型製剤(OTF/TDS)、溶解性マイクロニードル、医薬部外品
- その他: 出版・商業印刷、デジタルアーカイブ、布印刷、記録媒体、チケット/カード素材、リユース容器シェア「Re&Go」
- 事業構成(連結/売上構成比・セグ利益率)
- 産業資材 38%(利益率7%)
- ディバイス 35%(利益率3%)
- メディカルテクノロジー 23%(利益率5%)
- 海外売上比率 89%(2024期)
- 従業員: 5,397人、平均年齢42.8歳、平均年収737万円
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 加飾・機能フィルム(IMD/IME)やメタライズ紙など、印刷発祥の表面加飾・材料技術を強みとし、モビリティ・家電・日用品向けに展開。
- ディバイスはフィルムタッチセンサー等でモバイル・タブレット向けを展開。市況影響を受けやすい。
- メディカルは欧米中心にCDMOと自社ブランド消耗品を保有し、安定志向の収益源として拡大。
- 競争優位性(推察)
- 表面加飾×エレクトロニクスの複合技術、グローバル生産、顧客との共同開発力。
- 医療CDMO・消耗品の蓄積と規制対応力。
- 課題
- ディバイスの需要変動・顧客集中の影響、為替・原材料コスト、地政学・関税政策の不確実性。
- 新製品の先行費用が短期利益を圧迫。
- 市場シェア
- 公表データ不在のため記載省略。
3. 経営戦略と重点分野
- 中期経営計画(第8次:2024–2026)
- 方針: 安定成長と資本効率の向上、事業ポートフォリオの強化。
- 重点
- 産業資材: モビリティ・家電向けでの付加価値提案、サステナブル素材の拡販(蒸着紙・成形品)。
- ディバイス: 生産体制の見直し等の効率化、製品ポートフォリオの見直し。
- メディカルテクノロジー: CDMO強化、M&A活用、自社ブランド消耗品の拡大。
- 施策の足元動向(2025年中間)
- 産業資材は新製品の先行費用が利益押し下げ。
- ディバイスは需要減を受けつつ効率性は改善。
- メディカルはCDMO堅調+買収効果で増収増益。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 産業資材・ディバイスは需要サイクルの影響を受けやすい一方、メディカルはCDMO/消耗品により比較的安定。
- 海外売上比率が高く為替影響は大きい。
- 適応力
- デバイスの生産体制最適化、サステナブル素材の拡大、医療CDMOの継続投資・M&Aによる安定化など、ポートフォリオ調整で循環と構造のバランスを志向。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性
- 表面加飾(IMD/IME)とフィルムエレクトロニクスの融合技術、メタライズ紙(プラ代替)、フィルム製剤・マイクロニードル等の製剤・送達技術。
- 収益牽引
- 産業資材(モビリティ・家電向け加飾資材、蒸着紙等)
- ディバイス(フィルムタッチセンサーなど、タブレット市況の影響大)
- メディカル(CDMO・消耗品、自社ブランド)
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提データ
- 株価 1,323円、時価総額 672.8億円、予想EPS 52.67円、実績BPS 2,298.61円
- 予想PER 25.12倍、実績PBR 0.58倍、配当予想50円(配当利回り約3.78%)
- 業界平均: PER 14.5倍、PBR 1.3倍
- 相対比較・指標
- PER: 25.1倍(業界平均14.5倍との比較が可能)
- PBR: 0.58倍(BPS換算で株価/簿価 ≈0.58)
- 益回り(予想): 約3.98%(=52.67/1,323)
- EV/EBITDA(概算): EV ≈ 672.8 + 716.3 − 378.5 = 約1,010億円、EBITDA(LTM)約140億円 → 約7.2倍
- 補足
- ROE(実績)3.43%(2024期)、LTMベースのROEは僅少(指標上-0.06%)。PBR水準と収益性の関係は注視対象。
7. テクニカル分析
- トレンド指標
- 50日移動平均: 1,309.9円、200日: 1,430.5円
- 現在値は50日線付近〜やや上、200日線を下回る水準。
- 価格レンジ
- 年初来高値 1,689円、年初来安値 1,061円
- 現在値は年初来レンジの中間域(安値比 +約25%、高値比 -約22%)。
- モメンタム
- 直近10日で1,263→1,323円へ反発。出来高は本日9.0万株と10日平均(約21.9万株)を下回る。
- 信用動向
- 信用買残 19.16万株、売残 2.60万株、信用倍率 7.37倍。買い残は前週比で減少。
8. 財務諸表分析
- 損益(IFRS、連結)
- 売上高: 1,955.98億円(2024期)→ LTM 1,929.9億円(参考指標)
- 粗利: 437.98億円(粗利率約22.4%)
- 営業利益: 58.18億円(営業利益率約3.0%)、LTM営業利益率 2.58%
- 親会社株主帰属利益: 38.62億円(2024期)。LTMの純利益は小幅赤字(参考指標 -3.72億円)
- 2025年中間(1–6月): 売上996.61億円(前年比-2.6%)、営業利益42.66億円(-36.9%)、親会社中間利益1.29億円(-97.0%)
- セグメント(2025年中間)
- 産業資材: 売上375.7億円(+0.9%)、利益21.69億円(-19.6%)
- ディバイス: 売上297.5億円(-18.0%)、利益10.97億円(-41.4%)
- メディカル: 売上234.6億円(+6.5%)、利益12.67億円(+23.2%)
- キャッシュフロー
- 営業CF(LTM)約45.1億円、レバードFCF(LTM)▲44.5億円
- 2025年上期: 営業CF+30.75億円、投資CF▲98.31億円、財務CF▲38.18億円
- 財政状態
- 現金同等物 378.5億円、総有利子負債 716.3億円、D/E(期中指標)約64.5%
- 自己資本比率 45.5%、流動比率 1.67
- 収益性・効率
- ROE(2024実績)3.43%、ROA(LTM)1.10%、EBITDA(LTM)約140億円
- 過去推移(抜粋)
- 売上高: 2021 1,892.9 → 2022 1,939.6 → 2023 1,677.3 → 2024 1,955.98(億円)
- 営業利益: 2021 174.1 → 2022 95.8 → 2023 ▲35.7 → 2024 58.18(億円)
- 純利益: 2021 158.6 → 2022 101.4 → 2023 ▲29.9 → 2024 38.62(億円)
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2024年: 年間50円
- 2025年予想: 年間50円(中間25円・期末25円)
- 予想配当利回り: 約3.75–3.78%
- 予想配当性向: 約88.8%(会社予想EPS基準)
- 自社株
- 自己株式比率 6.15%(発行済に対する)。自己株取得の活用が示唆される。
- 方針
- 具体的なDOE/配当性向目標の記載は本データ内に確認できず(省略)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- パフォーマンス
- 52週騰落率: ▲33.5%(参考指標)
- ベータ(5年): 0.52(市場連動性は相対的に低い傾向)
- 投資家構成
- インサイダー保有約15.3%、機関投資家保有約41.4%、フロート約3,861万株
- 主要株主に国内信託銀行・金融機関、事業会社(王子HD)等
- 関心材料
- メディカルCDMOの拡大、サステナブル素材の需要、デバイス需要動向(タブレット等)、為替・関税動向、M&A進捗
11. 総評
- 事業ポートフォリオは、需要サイクルを受ける産業資材・ディバイスと、比較的安定性のあるメディカルの組み合わせ。2025年上期はディバイスの需要減と為替差損、新製品先行費用の影響で利益が伸び悩む一方、メディカルはCDMO・M&A寄与で増収増益。
- 財務は自己資本比率45%台、流動比率1.67、有利子負債は現金同等物を上回る。営業CFはプラスだが投資CFが大きく、LTMのFCFはマイナス。
- バリュエーションは、予想PERが業界平均との比較で高い一方、PBRは1倍を下回る水準。EV/EBITDAは約7.2倍。ROEは足元で低水準。
- テクニカルでは50日線近辺、200日線下。年初来レンジ中位で、直近は反発基調ながら出来高は鈍化。信用倍率は買い長で推移。
- 重点注目点: ディバイス需要の回復ペース、メディカルCDMOの拡大・収益性、サステナブル素材の拡販速度、為替・関税リスク、投資負担とFCFの動向。
注記
– 本資料は公開情報に基づく客観的整理であり、投資判断を目的とする助言ではありません。
– 数値は百万/億円単位の混在があるため概算を含みます。最新の公式開示での確認を推奨します。
企業情報
銘柄コード | 7915 |
企業名 | NISSHA |
URL | http://www.nissha.com/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – その他製品 |
関連情報
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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