四国化成ホールディングス(4099)企業分析レポート
株価(終値):2,199円(2025-08-20)/時価総額:約986.7億円/市場:東証プライム
セクター:素材・化学(33業種:化学)/Industry:Specialty Chemicals
1. 企業情報
- 概要
- 化学品と建材の2本柱。化学品は二硫化炭素(CS2)、硫化水素、無水芒硝、塩素化イソシアヌル酸、不溶性硫黄(ラジアルタイヤ向け)、プリント基板向け薬液(OSP・マイクロエッチ)、潜在性硬化剤(イミダゾール系、ベンゾオキサジン等)などを展開。
- 建材はエクステリア・舗装材・内装材など。国内外で展開し、海外売上比率は39%(2024年12月期)。
- 2023年1月に持株会社制へ移行。
- 連結事業構成(売上構成の目安)
- 化学品 72%、建材 26%、その他 2%
- 従業員:1,276人/本社:香川県丸亀市
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- タイヤ向け不溶性硫黄は同社の主力品の一つで、輸出比率が高い。品質・供給安定性が重視される分野でプレゼンスを有する一方、海外市場では価格・品質競争が継続。
- プリント基板・半導体関連のファインケミカルで用途拡大(サーバー基板・電子材料・半導体プロセス材料向けが好調)。
- 競争優位と課題
- 優位性:特殊化学・ファイン領域での技術・品質対応力、製品群の多角化、ネットキャッシュ基調の健全な財務。
- 課題:不溶性硫黄や塩素化イソシアヌル酸など一部製品で海外競争激化や需給サイクルの影響。建材は住宅着工の減少やコスト上昇による収益圧迫。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・方向性(公表資料ベースの要旨)
- 収益性の高いファインケミカルの強化、高付加価値化・用途拡大。
- 海外需要の取り込み(輸出製品の競争力確保)と為替・原料コストへの耐性強化。
- 建材事業の収益構造改善。
- 具体施策(2025年12月期 第2四半期短信の示唆)
- 化学品:ファイン領域の拡販、無機化成品の採算確保。
- 建材:需要動向とコスト高への対応(価格政策・効率化等)。詳細な中計の数値目標は資料上の明記なし。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 化学品(とくにファイン・特殊化学)による利益貢献が大きい構造。LTMで営業利益率12.75%、純利益率12.43%。
- 変化への適応力
- 半導体・データセンター向けなど構造的需要が見込まれる分野へのシフトが進展。一方で、タイヤ・プール消毒剤など景気・気候・需給サイクルの影響を受ける分野も残る。
- 強固な財務(自己資本比率66.8%[2025/6期中間期]、ネットキャッシュ約174億円規模)により投資・還元の選択肢を確保。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性
- 潜在性硬化剤(イミダゾール系、アダクト系、ベンゾオキサジン、THEIC関連等)や基板表面処理(OSP、マイクロエッチ)など、エレクトロニクス用途のケミカルで開発・用途提案を継続。
- 収益牽引
- 2025年中間期はファインケミカルが好調。無機化成品の一部(レーヨン・セロハン向けCS2、浴用剤・洗剤向け無水芒硝)も堅調。
- 建材は住宅着工減少やコスト高で採算が低下。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 株価:2,199円
- 予想PER(会社計画EPS 146.79円):約14.98倍(業界平均PER 20.4倍比で低位)
- トレーリングPER(LTM EPS 190.10円):約11.6倍
- PBR(実績BPS 1,985.42円):約1.11倍(業界平均PBR 1.1倍と同水準)
- EV/EBITDA(概算):約6.1倍
- 計算根拠:EV ≈ 時価総額986.7億 + 有利子負債218.5億 − 現金392.6億 ≈ 812.6億円/EBITDA(LTM)1,324億円→6.1倍
- 配当利回り(予想):約2.27%(50円/株)
- 配当性向:トレーリング約26%(LTM EPS基準)、会社予想EPS基準では約34%
7. テクニカル分析
- トレンド
- 50日移動平均:2,080.6円、200日移動平均:1,973.9円。株価は両線を上回り、上向き基調。
- 直近10営業日で終値はおおむね切り上がり(2,106円 → 2,199円、約+4.4%)。本日出来高88.8千株は3カ月平均(約79.7千株)を上回る。
- 位置づけ
- 52週高値:2,439円、安値:1,519円。現在値はレンジ上方(約74%地点)で、高値圏寄り。
- 信用需給
- 信用買残 23.1千株(前週比+2.1千)、信用売残 18.8千株(前週比−1.2千)、信用倍率1.23倍。過度な片寄りはみられにくい水準。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益(連結)
- 売上高:69,493百万円(2024/12)→ LTM 68,440百万円程度
- 営業利益:9,743百万円(2024/12)
- 親会社株主純利益:8,813百万円(2024/12)/LTM純利益率:12.43%
- マージン:粗利率約40%(2024/12)、営業利益率12.75%(LTM)
- 成長・トレンド
- 売上:49,590(2021/3)→54,137(2022/3)→63,117(2023/12)→69,493(2024/12)と拡大。2025年中間は売上微減も、化学品の採算改善で営業利益は前年同期比増。
- 四半期(前年比):売上成長 −2.8%、純利益成長 −19.1%(LTMベースの指標)
- 効率性・資本性
- ROE 10.2〜10.4%、ROA 4.88%(LTM)
- 自己資本比率:61.4%(2024/12)→66.8%(2025/6)
- キャッシュフロー・負債
- 営業CF 10,160百万円、レバードFCF 4,760百万円(LTM)
- 現金等 39,260百万円/有利子負債 21,850百万円→ネットキャッシュ約17,410百万円
- 流動比率 2.9倍、金利負担は軽微(LTM利息費用 72百万円、EBIT 12,634百万円)
- セグメント(2025年中間)
- 化学品:売上 24,436百万円、セグ利益 5,081百万円(高採算)
- 建材:売上 9,169百万円、セグ利益 66百万円(採算低下)
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2024年:年間25円
- 2025年(会社予想):年間50円(利回り約2.27%)
- 配当性向(目安):LTM基準で約26%、会社予想EPS基準で約34%
- 自己株式・その他
- 自己株式比率 3.19%。2025年中間の財務CFはマイナス(13,270百万円)で、配当実行や借入返済等の可能性。具体的な自社株買いの開示は本データ内では未確認。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 短期は緩やかな上昇基調、50日線・200日線とも上回る。出来高も直近は増勢。
- 投資家関心
- 機関投資家・アナリスト向け説明会(2025/8/22)予定あり。海外売上高比率の高さ、半導体・データセンター関連需要の取り込み、為替・原料価格動向が関心材料。
- 需給
- インサイダー保有31.66%、機関保有23.76%、フロート約2,451万株とみられる。
11. 総評
- 収益ドライバーは化学品、とくにファインケミカル。2025年中間は化学品の採算改善が顕在化する一方、建材は需要・コスト環境の逆風が続く。
- 財務は堅健(高自己資本比率・ネットキャッシュ・良好なCF創出)。価格競争・需給サイクル・為替・原材料コストなど外部要因への耐性が重要。
- バリュエーションは、予想PERで業界平均より低め、PBRは平均並み。EV/EBITDAは約6倍台。株価は52週レンジ上方で、移動平均線上に位置。
- 中期的には、ファイン領域の拡大と建材の収益性改善が全社の安定性に与える影響が注目点。
注記
– 本資料は公開情報に基づく企業分析であり、投資判断を目的とした助言ではありません。
– 数値は百万円・円ベース等が混在します。LTMや会社予想など基準の違いにより指標が異なる場合があります。
企業情報
銘柄コード | 4099 |
企業名 | 四国化成ホールディングス |
URL | https://www.shikoku.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 素材・化学 – 化学 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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