5011 ニチレキグループ 分析レポート(プライム)
株価: 2,757円(2025-08-20終値)
時価総額: 873.6億円
1. 企業情報
- 事業概要
- アスファルトの応用・加工製品(改質アスファルト、アスファルト乳剤、橋梁床版防水材、ひび割れ補修材、景観舗装材など)の製造・販売
- 道路舗装工事(一般舗装、橋梁床版防水、上下水道等の土木工事)および関連の調査・診断・設計・施工管理
- 路面性状調査、非破壊による舗装構造診断、橋梁床版調査などのコンサルティング
- 特徴
- 改質アスファルト・乳剤分野で国内トップシェア
- 材料(製品)と施工(工事)の両輪体制。地域子会社が施工受注・執行を担い、製販施一体で提案力を発揮
- セグメント構成(連結・2025/3)
- アスファルト応用加工製品: 34%(営業利益率14%)
- 道路舗装: 65%(同9%)
- その他: 0%(同82%)
- 2024年10月に持株体制に合わせ「ニチレキグループ株式会社」へ商号変更
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 改質アスファルト・アスファルト乳剤で国内首位。舗装材・防水材と工事施工を合わせた提案が強み
- 競争優位性
- 全国ネットワークと施工機能を活かした一貫対応、橋梁床版防水や補修材など高付加価値製品群、調査・診断の技術蓄積
- 課題
- 原油価格・為替動向に伴う原材料コスト変動と価格転嫁のタイムラグ
- 建設技能者の需給逼迫・人件費上昇、天候・災害による工期影響(季節性)
- 公共投資・入札環境の変化
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/方向性(開示情報の要旨)
- 高付加価値製品の設計・受注活動を強化
- 防災・減災、国土強靭化の需要に対し、工法提案から受注、着実な施工執行と価格転嫁を推進
- 調査・診断と材料・施工を連携させたライフサイクル提案を拡充
- 中期計画
- 具体的な数値計画の開示は未確認(当四半期の進捗は要確認との会社見解)
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 材料販売(マージン確保)+工事受注(ボリューム・季節性)で収益源を多様化
- メンテナンス・更新需要(橋梁床版防水、補修材、舗装補修)は中長期で底堅い需要が見込まれる分野
- 変化適応力
- 価格転嫁や高付加価値製品へのシフト、施工効率の改善によりコスト上昇へ対応
- 調査・診断技術の活用で予防保全・最適更新需要の取り込みが可能
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性
- 改質アスファルト・乳剤の配合技術、橋梁床版防水工法、路面・床版の非破壊診断システムなど
- 収益を牽引する製品・サービス
- 改質アスファルト・乳剤、防水・補修材などの高付加価値製品
- 道路舗装・橋梁床版防水の施工受注
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提データ
- 株価 2,757円、EPS(会社予想)168.35円、BPS 2,602.86円
- 配当予想 80円、配当利回り約2.90%
- 指標と比較
- PER(予想): 16.38倍(業界平均約8.0倍)
- PBR(実績): 1.06倍(業界平均約0.9倍)
- EV/EBITDA(概算): 約8.1倍
- EV ≒ 時価総額873.6億 + 有利子負債205.3億 − 現金292.2億 = 約786.7億円
- EBITDA(TTM)約97億円
- コメント
- 同業平均と比べPER・PBRは高めの水準。ネットキャッシュ(約87億円−ではなく約86.9億円の現金超過)と自己資本比率の高さが財務面の支え
7. テクニカル分析
- トレンド
- 50日移動平均 2,622円、200日 2,449円。現値は両移動平均を上回るが、直近10営業日で3,150円高値から調整局面
- 52週レンジ: 1,945〜3,150円の中上位帯(現値は高値の約88%水準)
- モメンタム
- 8/6〜8/8に出来高増で上昇後、8/12以降は出来高を伴い下落→足元は出来高減で下げ一服
- 信用倍率1.34倍、信用買残は前週比+1,500株、売残は微減でやや買い優勢
- 需給
- 10日平均出来高6.2万株は3カ月平均4.0万株を上回り、直近は投資家関心が高めだった局面
8. 財務諸表分析
- 売上・利益(連結、百万円)
- 売上高: 78,001(2022)→ 78,397(2023)→ 73,832(2024)→ 75,745(TTM)
- 営業利益: 8,566 → 7,566 → 6,020 → 6,268
- 当期純利益: 6,811 → 6,284 → 4,488 → 4,848
- 収益性
- 粗利率: 約22.9%(TTM)
- 営業利益率: 約8.3%(TTM)
- 純利益率: 約6.4%(TTM)
- ROE: 6.37%、ROA: 3.64%
- キャッシュフロー・財務
- 現金等: 292.2億円、有利子負債: 205.3億円(ネットキャッシュ約86.9億円)
- 自己資本比率: 68.8%(前期末)→ 69.9%(25/6末)
- 流動比率: 3.73と厚めの流動性
- 四半期動向(2026年3月期1Q)
- 売上 137億円(前年同期比+1.3%)
- 営業損失 3.17億円、経常損失 1.14億円、四半期純利益 0.03億円
- 原材料・人件費の上昇や季節性の影響。道路舗装事業の売上は+5.0%でセグメント利益も増加、一方で製品事業は減収・減益
- コスト要因
- 原油価格・為替による材料費、人手不足・賃上げ、災害・天候による工程影響が収益を圧迫
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2025/3期: 年間75円
- 2026/3期会社予想: 年間80円(利回り約2.9%)
- 配当性向(実績ベース)約45.5%、予想ベースでは約47%(80円/予想EPS168.35円)
- 自己株式
- 2026/1Q末の自己株式数は2,711,247株(発行済31,685,955株)。自己株式比率は期末ベースで約8.6%相当(データ時点により変動)
- その他
- 次回権利落ち予定日: 2025-09-29(会社開示ベース)
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 52週騰落は+16.1%と堅調推移
- 直近は決算発表(8/8)後に調整しつつ、移動平均線上は維持
- 信用動向は買い超過、出来高は直近で平常時より高めの推移から足元落ち着き
11. 総評
- 事業面
- 改質アスファルト・乳剤での首位と、材料×施工×診断の一体提案力が強み。公共インフラの維持更新、防災・減災需要は中長期で底堅い
- 一方で、原材料・人件費上昇と価格転嫁のタイムラグ、天候・季節性、労働力制約が収益ボラティリティ要因
- 財務面
- 高い自己資本比率とネットキャッシュの健全性。ROEは6%台、利益率は直近でやや回復傾向
- 株価面
- PER・PBRは業界平均より高い水準。配当利回りは約2.9%で実績平均並み。EV/EBITDAは概ね8倍台
- テクニカルには移動平均線上での推移ながら、直近はイベント後の調整局面
注記:
– 本資料は公開情報に基づく企業分析であり、投資勧誘や特定の投資判断の推奨を目的とするものではありません。
– 数値は原則として連結ベース・過去12か月(または会社予想)に基づいています。データ時点の違いにより数値が異なる場合があります。
企業情報
銘柄コード | 5011 |
企業名 | ニチレキグループ |
URL | https://www.nichireki.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | エネルギー資源 – 石油・石炭製品 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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