フジミインコーポレーテッド(5384)企業分析レポート
株価: 2,128円(2025-08-20 引け付近)/市場: 東証プライム/33業種: ガラス・土石製品(半導体材料)
1. 企業情報
- 概要: 半導体ウエハー用研磨材・CMPスラリーを中核とする精密研磨材メーカー。ウエハーラッピング・ポリシング材で世界首位級。CMP(化学機械研磨)製品は先端ロジック向けが伸長。HDD用研磨、特殊材料(ダイヤモンド製品等)、溶射材料も展開。
- 主要顧客分野: 半導体(ウエハ製造・デバイス製造工程)、HDD基板、電子部品、航空機・エネルギー等(溶射)。
- 事業構成(2025/3期 連結売上内訳): CMP向け52%、ウエハー・ポリシング22%、ウエハー・ラッピング13%、HDD向け4%、自社品他9%。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション: ウエハー研磨材・CMPスラリーでグローバルトップクラス。先端ノード対応の高純度・高選択性スラリーに強み。
- 競争優位性:
- 長期的な工程認定と切替コストの高さ(歩留まり・表面品質に直結)による粘着性。
- 高い品質管理・材料設計力(粒子制御、スラリー配合)。
- 財務健全性が高く、研究開発・設備投資を継続しやすい基盤。
- 課題:
- 半導体産業の在庫調整・メモリ循環による需要変動。
- 為替影響(直近は台湾ドル高による為替差損が利益を押し下げ)。
- HDD向けの構造的縮小傾向。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・方針(公開情報要旨):
- 先端半導体分野向けCMPの拡販・高付加価値化。
- ウエハー用途(ラッピング・ポリシング)の世界的地位強化。
- 地域分散とサプライチェーン強靭化。
- 直近(2026/3期1Q)トピックス:
- 日本・欧州でCMP/ウエハー向けが好調。アジアではHDD向け減少も先端ロジック向けCMPが増加。
- 経常・純利益は為替差損で減少。
- 会社計画(2026/3期予想):
- 売上高 653億円、営業利益 121億円、経常利益 121億円、純利益 88.5億円(据え置き)。
- 2Q累計の進捗目標も明示(売上 318億円等)。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 消耗材(CMPスラリー・研磨材)中心で、ウエハ出荷・デバイス生産に連動。工程認定の粘着性によりリピート性が高い。
- 需要適応力:
- 先端ロジック需要(AI・HPC)に対応した製品群を拡充。
- 地域別・用途別のポートフォリオで分散(HDD向け弱含みを他用途で補完)。
- 財務基盤: 自己資本比率が高水準(実績83.7%、直近Qは76%)で景気循環期でも投資継続余力。
5. 技術革新と主力製品
- 技術の独自性: 粒子径・分布制御、化学組成最適化、表面欠陥低減技術などのコア技術。先端ノードで要求される選択性・欠陥密度の厳格な仕様に対応。
- 主力・成長ドライバー:
- CMP製品(売上構成比52%): 先端ロジック向けが拡大。
- ウエハー向け研磨材(ラッピング・ポリシング): 世界首位級の地位。
- 溶射材料: 航空機・エネルギー向け等でニッチ貢献。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提: 株価 2,128円、会社予想EPS 119.30円、実績BPS 1,025.69円、現預金 270.2億円、総有利子負債 100億円、EBITDA 144.2億円。
- 指標(2025-08-20時点):
- PER(会社予想): 17.8倍(業界平均 18.3倍)。
- PBR(実績): 2.07倍(業界平均 1.4倍)。
- 配当利回り(会社予想): 約3.45%(年73.34円)。
- EV/EBITDA(概算): 約10.6倍[EV ≒ 時価総額1,703億 − 現金270億 + 借入100億 ≒ 1,533億;1,533/144.2]。
- PSR(概算): 約2.7倍(売上約625億円ベース)。
- 参考: ROE実績 12.68%。配当性向 57.7%。
7. テクニカル分析
- トレンド系:
- 50日移動平均: 2,056円、200日: 2,098円。現株価は両線上方。
- 52週レンジ: 高値 2,449円(約-13%下)、安値 1,536円(約+39%上)。
- ベータ(5年): 0.24(相対的に低ボラティリティ)。
- 足元の値動き(直近10営業日):
- 8/6終値 2,189円 → 8/20 2,127円へ小幅軟化。出来高は平準(3カ月平均約27.9万株)。
- 信用状況:
- 信用倍率 5.98倍。信用買残は前週比▲18.6千株でやや整理。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益(連結、単位: 百万円)
- 売上高: 2022年 51,731 → 2023年 58,394 → 2024年 51,423 → 2025年(TTM)62,503。
- 営業利益: 12,060 → 13,243 → 8,252 → 11,781。
- 純利益: 9,156 → 10,594 → 6,499 → 9,428。
- 傾向: 2024年に半導体循環で調整後、2025年に回復基調。
- 収益性(TTM目安)
- 粗利率 ≈ 43.9%(粗利 27,451/売上 62,503)。
- 営業利益率 ≈ 18.9%。
- 当期純利益率 ≈ 15%前後(参考: 指標データ 14.36%)。
- 効率・資本
- ROE: 12.68%、ROA: 8.43%。
- EBITDA: 144.2億円、減価償却 約20億円。
- 財務健全性
- 自己資本比率: 実績83.7%(直近Q 76.0%)。
- 流動比率: 直近Q 4.96倍。
- ネットキャッシュ: 約+170億円(現金270億 − 借入100億)。
- キャッシュフロー: 詳細データ記載なし(1Q単独CFは非開示)。
9. 株主還元と配当方針
- 配当: 年間予想 73.34円(期末36.67円×2期相当)、配当利回り約3.45%。
- 配当性向: 57.7%(予想ベース)。
- 自己株式: 自己株保有あり(有価証券報告書・短信開示に基づく)。比率は時期により変動。
- 今後のイベント: 権利落ち予定 2025-09-29。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:
- 52週変化率: -17.27%(ベンチマーク比で見劣り)。
- 直近は移動平均線上でのもみ合い〜小反落局面。
- 注目材料:
- 先端ロジック向けCMPの伸長、HDD向けの弱含み。
- 為替(特にTWD)による損益影響。
- 11/5 決算発表予定(ガイダンス進捗)。
- AI/HPC需要動向、ウエハ出荷・設備投資のトレンド。
11. 総評
- 事業: 消耗材中心で粘着性の高いビジネス。先端CMP・ウエハ研磨材で強み。
- 業績: 2024年の調整から回復。1Qは増収・営業増益だが為替差損で純利益は減少。
- 財務: 高い自己資本比率とネットキャッシュで安定。
- バリュエーション: 予想PERは業界平均並み、PBRは平均上回り。EV/EBITDAは約10倍台前半。
- 株価: 50日・200日線上に位置しつつ、52週高値からは一定距離。信用買いはやや整理。
企業情報
銘柄コード | 5384 |
企業名 | フジミインコーポレーテッド |
URL | https://www.fujimiinc.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 建設・資材 – ガラス・土石製品 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。