多木化学(4025)企業分析レポート
最終更新: 2025-08-21 15:40
本資料は提供データに基づき整理した情報であり、投資助言を目的とするものではありません。最終判断はご自身の責任でお願いします。
1. 企業情報
- 事業概要
- アグリ(化学肥料等)、化学品(水処理薬剤PAC、アルミニウム系機能材、シリカ、タンタル・ニオブ高純度酸化物等)、建材、石油、不動産賃貸、運輸を展開。
- 水処理薬剤は上水・工業用水・下水・産業排水向けに供給。機能材料はアルミン酸塩・リン酸アルミ結合材、コロイド材料、高純度金属酸化物など。
- 医療用途の生分解性ポリマー・ナノ粒子コロイドなどの研究開発も推進。
- 1885年創業の肥料先駆企業。兵庫県加古川市に本社。
- 連結事業構成(売上構成/営業利益率、2024年12月期)
- アグリ 28%(営業利益率 約2%)
- 化学品 47%(同 約17%)
- 建材 10%(同 約1%)
- 石油 5%(同 約1%)
- 不動産 3%(同 約55%)
- 運輸 7%(同 約11%)
2. 業界のポジションと市場シェア
- 競争優位・課題
- 水処理薬剤(PAC)やアルミ系機能材は官需・産業向けに安定需要があり、品質管理・供給安定性が競争要素。
- 機能材料(高純度酸化物、結合材)は用途特化・高付加価値で収益性に寄与。
- アグリ(肥料)は国際市況・為替・原料価格の影響を受けやすく、収益変動が生じやすい。
- 不動産は小規模ながら高採算で全社利益の安定化に寄与。
- 市場シェアは公開情報から特定できず。不明。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・方針(中期経営計画2028)
- 既存事業の収益力向上と成長事業への投資、新事業の創出。
- サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)とGRC推進。
- 2028年度目標:連結売上高420億円、営業利益30億円、ROE 6%以上。
- 具体施策
- 洛東化成工業の株式取得によるアグリのバイオスティミュラント強化、水処理薬剤の環境配慮型開発、R&Dシナジー創出。
- 化学品(PAC・機能材)の高付加価値化、設備や品質基盤の強化。
- 不動産・運輸など安定セグメントの効率性維持。
- 2025年(令和7年)会社計画
- 売上410億円(+5.4%)、営業利益13億円(-51.3%)、当期純利益16.5億円(-28.2%)、EPS 194.60円を見込む。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益源の多様化(化学品の高採算+不動産の安定収益)により、肥料サイクルの変動をある程度緩和。
- 水処理・機能材料は規制・品質要求が高く参入障壁が相対的に存在。需要は景気の影響を受けにくい側面。
- リスク:原料・エネルギー価格、為替、官需・設備投資動向、天候・災害(雹被害の特別損失計上実績あり)。
- 財務安全性は高水準(自己資本比率64.9%、純有利子負債は小さく実質的にネットキャッシュ)。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性
- PAC等の水処理薬剤、アルミン酸系・リン酸アルミ結合材、含水シリカ、タンタル/ニオブ高純度酸化物など、無機化学・微粒子制御に強み。
- 生分解性ポリマー(医療用途)やナノコロイド材料など先端領域のR&D。
- 収益牽引
- 化学品セグメントが利益柱(営業利益20.86億円、利益率約17%)。
- 不動産は小規模だが高収益(営業利益7.36億円、利益率約55%)。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提:株価 3,745円、時価総額 354.7億円、BPS 4,602.96円、EBITDA LTM 約45.2億円
- 指標
- PBR(実績):約0.81倍(提供指標と一致)
- PER
- 会社予想EPS 353.77円ベース:約10.6倍(提供指標と一致)
- LTM希薄化EPS 316.75円ベース:約11.8倍
- 翌期会社予想EPS 194.60円ベース(短信):約19.2倍
- EV/EBITDA:約6.5〜6.9倍(現金57〜75億円、借入13.5億円のレンジを考慮した概算)
- 参考比較
- 業界平均 PER 20.4倍、PBR 1.1倍
- 補足
- 配当予想に関し、データ間で差異あり(75円 vs 60円)。短信では年間60円予想。
7. テクニカル分析
- 価格位置
- 年初来高値:3,750円(本日更新)、52週高値:4,085円、52週安値:2,804円。
- 50日移動平均:約2,978円、200日:約3,218円。株価は両移動平均を上回る上昇トレンド。
- モメンタム
- 直近10営業日で3,050円→3,745円まで上昇。出来高は8/7に急増、その後も3カ月平均(約1.8万株)を上回る日が多い。
- 信用動向:信用買残39,100株・信用倍率11.5倍、買残は前週比▲8,100株とやや整理。
- 位置づけ
- 年初来高値圏で推移。上は52週高値(4,085円)付近が過去の価格帯。
8. 財務諸表分析
- 成長性(売上/利益)
- 売上高:2021年328億→2022年358億→2023年349億→2024年389億(+11.7%)→LTM 403.6億(企業財務指標)。
- 営業利益:2021年26.6億→2022年27.5億→2023年9.1億→2024年26.7億。2023年から大幅回復。
- 当期純利益:2021年19.2億→2022年20.6億→2023年13.6億→2024年23.0億→LTM 約26.8億。
- 収益性
- 2024年営業利益率:6.9%。LTM営業利益率:9.1%、LTM純利益率:6.65%。
- ROE:実績ベース6.41%、LTM 7.03%。ROA LTM 3.46%。
- キャッシュフロー・財務
- 営業CF:2024年 43.43億円(前年16.20億円)。投資CF:▲16.13億円。財務CF:▲3.52億円。
- 現金同等物:2024年末 74.58億円 → 直近四半期 57.3億円。総借入 13.5億円、D/E約3.4%。
- 自己資本比率:64.9%。
- セグメント(2024年)
- 化学品:売上約120億・営業利益20.86億(利益率約17%)で牽引。
- アグリ:売上約108億・営業利益2.30億(同約2%)。価格下落の影響も数量回復。
- 不動産:売上13.38億・営業利益7.36億(同約55%)。安定的に高採算。
- 運輸:売上28.13億・営業利益2.96億(同約11%)。
- 建材・石油:売上は一定、利益率は低位。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2024年実績:期中・期末各55円(うち記念配当5円含む)。
- 2025年(短信)年間予想:60円。現在株価ベース利回り約1.6%。
- 別データでは会社予想配当75円・利回り2.0%との記載あり。最新の短信ベースでは60円予想。
- 直近のPayout Ratio(LTM):約15.8%。翌期EPS予想194.60円を用いた場合の想定配当性向:約31%(60円前提)。
- 自己株
- 自己株保有:約10.3%。新規の自己株買い実施有無は不明。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 直近の変動
- 短期的に上昇の勢いが強い一方、52週ベースでは前年比▲9.33%(指標値)と、過去高値には未到達。
- 投資家構成・流動性
- 浮動株:約623万株、内部者保有10.56%、機関投資家保有28.08%。ベータ 0.27と低位。
- 3カ月平均出来高 約1.8万株、直近はそれを上回る日が多く関心は上向き。
- 近々のイベント
- 決算発表予定ウィンドウ:2025/7/29〜8/4。
- 権利落ち予定:2025/12/29。
11. 総評
- 収益の柱は化学品(PAC・アルミ系機能材・高純度酸化物)と高採算の不動産。アグリは市況影響で収益性が相対的に低いが数量回復の動き。
- 財務体質は堅健(高自己資本比率、実質ネットキャッシュ、営業CF改善)。2024年は売上・利益とも回復、LTMも増益基調。
- バリュエーションはPBR約0.81倍、LTM PER 12倍弱、EV/EBITDA約6.5〜6.9倍。翌期の会社計画ではEPSが低下見込みで、前提EPSにより見かけのPERが変動。
- 株価は年初来高値圏で上昇トレンド。52週高値(4,085円)が上方の過去節目。信用買残はやや整理。
- 中計2028は売上420億円・営業利益30億円・ROE6%以上を掲げ、買収・R&Dで成長領域を強化。翌期は慎重な業績見通しが示されており、原料価格や需要動向など外部要因の影響に留意が必要。
出所:提供データ(決算短信、株価・指標、セグメント情報等)を基に作成。
企業情報
銘柄コード | 4025 |
企業名 | 多木化学 |
URL | http://www.takichem.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 素材・化学 – 化学 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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