宮地エンジニアリンググループ(3431)企業分析レポート
株価:2,023円(2025-08-21終値)/市場:プライム/業種:金属製品(17業種:建設・資材)
1. 企業情報
- 概要と事業内容
- 橋梁・鉄骨の設計・製作・架設・保守・補修を中核とするインフラエンジニアリング企業。吊橋など長大橋梁に強み。プレストレストコンクリート(PC)、沿岸構造物、鋼構造物の設計・製作・据付に加え、ボルト・溶接材料販売、人材派遣、機器荷役・保全、太陽光発電等を展開。
- グループ主要セグメントは「宮地エンジニアリング」「エム・エム ブリッジ」。旧三菱重工系エンジ会社を傘下に持ち、重厚長大型案件の施工力が特徴。
- 1908年創業、東京本社。連結従業員813名。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 国内橋梁・鋼構造の大手。長大橋梁や高難度の補修・補強工事、鉄道関連・都市再開発関連など安全性・品質が重視される領域でプレゼンス。
- 競争優位性
- 設計~製作~架設~維持管理まで一貫対応できる総合力、吊橋などの施工実績、品質・安全管理ノウハウ、グループ体制(MMブリッジ含む)。
- 課題
- 新設橋梁の受注競争激化、発注時期の遅れによる売上平準化の難しさ、資材価格・人件費上昇への対応、熟練人材確保。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・方向性
- 中期経営計画の超過達成を掲げ、収益基盤の強化と企業価値向上を重視。グループ経営管理の高度化、働き方改革、DX推進、安全最優先の施工体制の維持・強化。
- 重点分野(短信より)
- 大規模更新・保全関連工事の獲得強化(高速道路等の更新需要)。
- 鉄道・都市インフラ(連続立体交差、再開発)関連の深耕。
- 高難度・高付加価値案件への選択と集中。
- 業績見通し(2026/3期 会社計画)
- 通期:売上高5,800億円、営業利益40億円、経常利益41億円、親会社株主に帰属する当期純利益25億円(修正なし)。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 受注産業(プロジェクト型)。高難度案件や保全・補修の比率拡大で利益率の安定化を図る。設計・製作・架設・維持管理の一貫体制は品質・工程管理面での強み。
- 市場ニーズへの適応
- 老朽インフラの更新・延命化需要は中長期的に底堅い。一方で新設は競争が厳しく、案件選別や原価管理、価格転嫁の徹底が鍵。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性
- 吊橋等の長大橋梁の設計・架設技術、鋼構造の高精度製作、耐震・補強、塗装・防食などライフサイクル・メンテナンス技術。
- 主力領域
- 橋梁(新設・大規模更新・補修)、鉄道関連構造物、都市インフラ。セグメント利益は宮地エンジニアリング、エム・エム ブリッジの2社が中核。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 指標(会社予想ベース)
- 株価:2,023円
- EPS(会社予想):94.27円 → PER:約21.46倍
- BPS(実績):1,516.16円 → PBR:約1.33倍
- 1株配当(会社予想):97.5円 → 予想配当利回り:約4.82%
- 補足比較
- 業界平均 PER:17.5倍、PBR:0.7倍。会社のPER・PBRは平均を上回る水準。
- LTMベースの参考:EBITDA約108.8億円、現金65.2億円・有利子負債18億円 → ネットキャッシュ約47.2億円。EV概算=時価総額約560億円-ネットキャッシュ約47億円≒約513億円 → EV/EBITDA≒約4.7~4.8倍。
- 配当性向
- LTM EPS(約181.7円)に対する配当97.5円 → 配当性向約54%(参考データ:53.6%)。
7. テクニカル分析
- トレンド
- 50日移動平均:1,921円、200日移動平均:1,878円。終値2,023円は両移動平均を上回る。
- 年初来レンジ:1,520~2,058円。直近終値は高値圏に近い位置。
- 直近の値動き
- 直近10日間は2,000円前後でのもみ合い。高値2,058円接近後はやや上値重い推移。
- 信用動向
- 信用買残12.34万株、信用倍率24.2倍と買い越し。短期の需給は買い方優位の構図。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益(連結)
- 売上高(億円):2022/3 580、2023/3 603、2024/3 694、過去12か月 747。
- 営業利益(億円):2022/3 58.1、2023/3 51.3、2024/3 79.0、過去12か月 91.7。
- 純利益(億円):2022/3 34.1、2023/3 30.8、2024/3 43.5、過去12か月 48.6。
- 収益性の推移:営業利益率は2023/3 8.5% → 2024/3 11.4% → LTM 12.3%へ改善。純利益率も5~6%台に改善。
- 2026/3期1Q(短信)
- 売上▲6.1%ながら、営業利益+19.0%、純利益+28.4%。案件構成・採算改善が寄与。
- 効率・安全性
- ROE:実績12.13%(LTM参考14.65%)、ROA(LTM)7.83%。
- 自己資本比率:実績44.7%、1Q時点51.6%へ改善。
- 流動比率:2.09、有利子負債/自己資本:3.8%と低位。ネットキャッシュ。
- キャッシュフロー
- 減価償却費(LTM)約12.8億円、EBITDA増加傾向。営業CF詳細は未記載。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 年間予想配当:97.5円(中間42.5円、期末55円)。予想利回り約4.8%。
- 5年平均利回り:3.82%(参考)。
- 自社株
- 自己株式保有比率:4.19%(期末)。過去の自己株取得・持株活用の余地を示唆。
- 主要株主
- 機関投資家の保有あり(信託銀行等)。事業会社として日本製鉄、JFEスチール、三菱重工業等が名簿にあり、業界内の関係性が見られる。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 株価は50日・200日線を上回り、年初来高値圏で推移。Beta(5年)0.35と低ボラティリティ。
- 直近出来高は3カ月平均(約8万株)程度で推移。10日平均はやや増加。
- 関心材料・イベント
- 2025/8/5~8/12の決算発表予定、2025/9/29の権利落ち日(配当)。公共投資の動向、発注時期、資材・人件費の推移が注目点。
- 参考
- 52週騰落は▲4.36%(参考指標)。S&P500比では劣後。
11. 総評
- まとめ
- 吊橋を含む長大橋梁・高難度案件に強みを持つ国内大手で、設計~製作~架設~維持管理までの一貫体制が収益性改善に寄与。LTMでは売上・利益ともに拡大し、利益率も改善。1Qは売上減でも増益。
- 市場環境は、新設橋梁の競争激化に対し、大規模更新・保全・鉄道関連の需要が底堅い。発注時期の遅れ・案件平準化、原価上昇、人手不足が主な留意点。
- バリュエーションは、会社予想ベースでPER・PBRともに業界平均を上回る。LTM基準ではEV/EBITDAは4.8倍程度。配当利回りは約4.8%で、LTMベース配当性向は約54%。
- テクニカル面では移動平均上での推移かつ高値圏に近いレンジ。信用買い越しが強め。
- 留意事項
- 2026/3期会社計画はLTMと比較して売上・利益水準が抑制的(案件進捗・発注時期の影響などが背景)。決算・IRでのガイダンス更新に留意。
本資料は公開データに基づく情報整理であり、投資判断を目的とした助言ではありません。不明点・未開示項目は記載を控えています。
企業情報
銘柄コード | 3431 |
企業名 | 宮地エンジニアリンググループ |
URL | http://www.miyaji-eng.com/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 建設・資材 – 金属製品 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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