小津産業(7487)企業分析レポート

1. 企業情報

小津産業は、江戸時代から続く老舗の紙問屋を起源とする企業です。現在は不織布事業を主力とし、電子部品製造用のクリーンルーム向け、医療用、化粧品用、産業資材用など多岐にわたる分野で不織布の輸入、加工、販売、輸出を手掛けています。特に半導体向け不織布では国内で高いシェアを有しており、旭化成との共同開発も行っています。連結事業では、不織布事業が売上高の98%を占め、その他に除菌関連事業や不動産賃貸事業も展開しています。

2. 業界のポジションと市場シェア

同社は半導体向け不織布で国内首位クラスのシェアを持ち、医療用不織布でも実績があります。これは、高度な衛生管理が求められる分野や、精密な製造プロセスを支える分野において、専門性の高い製品を提供できる技術力と供給体制があることを示唆しています。江戸時代創業という歴史と、旭化成との共同開発といった実績は、業界における信頼性と安定した供給基盤の強みと考えられます。特定の産業向けに特化した高いシェアは競争優位性となりますが、特定の産業動向に業績が左右される可能性も存在します。

3. 経営戦略と重点分野

決算短信によると、不織布事業は「クリーン分野(電子・食品・製薬等)」「ウェルネスケア分野(医療・介護・コスメ等)」「エコプロダクツ分野(鉄鋼・電力・建設等)」「コンシューマー分野(一般消費者向け)」の4つの領域に展開していることが示されています。これらの分野での事業拡大を目指しているとみられ、多様な市場ニーズに対応することで事業基盤の強化を図っていると考えられます。

4. 事業モデルの持続可能性

不織布事業は、エレクトロニクス、医療、化粧品、産業資材といった幅広い分野に製品を供給しており、特定の産業に完全に依存するリスクを軽減していると考えられます。特に半導体産業や医療・ヘルスケア分野は継続的な成長が見込まれるため、これらの分野における高い競争力は事業の持続可能性に貢献し得る要素です。また、不動産賃貸業も収益の一部を支えることで、事業ポートフォリオの分散に寄与しています。

5. 技術革新と主力製品

同社は「旭化成との共同開発」という形で技術開発に取り組んでおり、外部との連携を通じて製品開発を進めていることが示唆されます。これにより、不織布分野における技術的な競争力を維持・向上させていると考えられます。主力製品は、半導体分野向けの不織布製品であり、高度なクリーン環境に対応する製品は同社の収益を牽引する重要な要素と考えられます。

6. 株価の評価

  • PER(会社予想): 48.48倍
  • PBR(実績): 0.73倍
  • EPS(会社予想): 34.49円
  • BPS(実績): 2,275.05円
  • 現在の株価: 1,672.0円

現在のPER48.48倍は、市場平均や業界平均PER10.1倍と比較して高水準にあります。これは将来の成長に対する期待、あるいは一時的な利益水準の低さを示唆している可能性があります。一方、PBR0.73倍は業界平均PBR0.7倍と同程度で、株価が1株当たり純資産価値(BPS2,275.05円)を下回っている状態です。これは、企業の資産価値から見て割安であると評価されることがあります。

7. テクニカル分析

  • 現在の株価: 1,672.0円
  • 年初来高値: 1,800円
  • 年初来安値: 1,621円
  • 50日移動平均線: 1,650.94円
  • 200日移動平均線: 1,701.66円

現在の株価は、年初来高値(1,800円)と年初来安値(1,621円)のほぼ中央に位置しています。50日移動平均線よりは上にありますが、200日移動平均線よりは下にあります。直近10日間の株価は1,651円から1,672円の間で推移しており、比較的安定した動きで、大きな価格変動の勢いは見られません。

8. 財務諸表分析

  • 売上高: 過去数年間は100億円台で推移しています。2021年5月期の売上高が一時的に高かったデータがありますが、これは特異な変動と見られます。直近12か月の売上高は約101億円で、前年比で微減傾向にあります。
  • 営業利益・純利益: 過去数年間で変動が見られます。直近12か月の営業利益は528百万円、純利益は546百万円で、前年同期と比較して改善しています。ただし、直近四半期の純利益は前年同期比で約63%減益となっており、通期の純利益予想も下方修正されている点に留意が必要です。
  • キャッシュフロー: 過去12か月の営業キャッシュフローは849百万円、フリーキャッシュフローは519.5百万円と、収益を伴うキャッシュ創出はできています。
  • 収益性: ROE(実績)2.19%およびROA(過去12か月)1.05%は、一般的に見て低い水準にあります。これは、自己資本や総資産に対して利益を効率的に生み出せていない可能性を示唆しています。
  • 安全性: 自己資本比率は72.4%と非常に高く、財務の健全性が保たれています。流動比率(Current Ratio)も3.61と高く、短期的な支払能力に問題はないと見られます。総負債に対する株主資本の割合(Total Debt/Equity)も13.37%と低い水準にあり、有利子負債への依存度が低い強固な財務体質であることがうかがえます。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り(会社予想): 1.50%
  • 1株配当(会社予想): 25.00円
  • 配当性向: 39.15%

同社は年間配当として1株あたり25.00円を予想しており、配当性向は39.15%です。この配当性向は、企業の利益水準を考慮すると中程度の水準と考えられます。特筆すべき自社株買いなどの株主還元策に関する具体的な記載は、今回のデータからは読み取れません。

10. 株価モメンタムと投資家関心

直近の株価は1,600円台後半で安定的に推移していますが、大きな上昇や下降の勢いは見られません。出来高は非常に少なく、直近10日間の平均出来高は約6,000株、3ヶ月平均でも約20,000株に留まります。これは市場からの注目度が比較的低いこと、または流動性が低い銘柄であることを示唆しています。また、β値が0.08と非常に低く、市場全体の変動に対して株価が連動しにくい、安定した特性を持つ銘柄と言えます。

11. 総評

小津産業は、江戸時代創業の歴史を持つ、不織布事業を主力とする企業です。特に半導体や医療向けといった専門性の高い分野で国内トップクラスのシェアを誇り、安定した事業基盤と技術的な強みを有しています。財務状況は非常に堅固で、高い自己資本比率と低い有利子負債比率が特徴です。
しかしながら、収益性指標(ROE、ROA)は低い水準にあり、売上高は横ばいから微減傾向が見られます。利益は変動があり、直近四半期では純利益が前年同期比で減少するなど、今後の利益動向には注意が必要です。
株価はPBRが1倍を下回る水準で、資産価値から見ると割安感がある一方で、PERは業界平均と比較して高めであり、将来の成長期待や現在の利益水準の影響を受けている可能性があります。株価のモメンタムは限定的で、出来高も少ないため、市場からの注目度は現状では高くないと考えられます。企業は強固な財務基盤を背景に、主要事業分野でのポジション維持・強化を図っていると見られますが、収益性向上と成長戦略の具体化が今後の注目点となるでしょう。


企業情報

銘柄コード 7487
企業名 小津産業
URL http://www.ozu.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 商社・卸売 – 卸売業

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.1)」によって自動生成されました。

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