太平洋工業(7250)企業分析レポート
株価:2,245円(2025-08-22終値)/市場:東証プライム(輸送用機器)
1. 企業情報
- 概要
- タイヤバルブ・バルブコアで世界首位級。TPMS(タイヤ空気圧監視システム)も展開。
- 自動車向けプレス・樹脂部品(ルーフ/ピラー補強、バックドア部品、EV電池ケース等)はトヨタ向けが中心。
- バルブ製品はタイヤ、熱マネジメント(ヒートポンプ向け空調用バルブ等)、充電・リリーフバルブなどへ拡大。
- 事業構成(連結):プレス・樹脂製品 72%(営業利益率約5%)、バルブ製品 28%(同約10%)。海外売上比率 67%(2025/3)。
- 主要顧客・市場
- 自動車・タイヤ・家電・航空機部品メーカー。北米・アジア・欧州に生産・販売拠点を展開。
- 基本データ
- 設立:1938年、本社:岐阜県大垣市、従業員:5,138人、平均年齢41.0歳、平均年収596万円。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- タイヤバルブ・バルブコアは世界首位級。TPMSは各国の装着義務化(米国、EU、中国など)が追い風。
- プレス・樹脂は大手完成車向け量産品で安定需要、一方で価格競争・原材料コストの影響を受けやすい。
- 競争優位性
- バルブ領域の高シェアと量産ノウハウ、品質要求の高い自動車向けでの長年の取引実績。
- TPMSや熱マネジメント用バルブなど法規・電動化トレンドに沿った製品群。
- 課題
- 完成車・特定顧客(トヨタ)への依存度、原材料価格・為替変動、地域貿易政策(関税等)の影響。
- EV化で一部エンジン関連樹脂部品の構成減少リスク。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・基本方針
- 収益性重視のモノづくり強化、電動化・安全領域での製品拡大、グローバル生産最適化。
- 施策(短信・会社計画等より)
- コスト・生産性改善の継続(Q1で営業利益率改善に寄与)。
- プレス・樹脂:軽量化、EV電池ケースなど新領域対応を強化。
- バルブ:TPMS・熱マネジメント関連でのラインアップ拡充、材料高騰への対応が課題。
- 通期見通し(会社予想)
- 2026/3期:売上高2,020億円、営業利益130億円、経常利益155億円、純利益110億円(予想に変更なし)。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 大量生産の自動車向け部品+高シェアのバルブ/TPMSで安定的な受注基盤。アフターマーケット需要も一定。
- 持続性・適応力
- TPMS義務化・安全規制が中長期の下支え。EV化に伴う熱マネジメント、電池ケースなどへの適応でポートフォリオ転換を進める。
- リスク
- 原材料・エネルギー価格高騰、為替、米国関税・地政学、完成車の生産変動と価格プレッシャー。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性
- バルブ・シール技術、圧力・温度検知(TPMS)などに強み。量産精度・品質管理が競争力。
- 主力製品
- タイヤバルブ/バルブコア、TPMS、熱マネジメント用各種バルブ、プレス補強部品、EV電池ケース、樹脂加飾部品 等。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提:株価2,245円、BPS(実績)2,899.79円、EPS(会社予想)192.27円
- PER(予想):約11.6倍(会社公表11.57倍と整合)
- PBR(実績):約0.77倍
- EV/EBITDA(目安):約5.0倍
- EV ≈ 時価総額1,364億円 + 有利子負債601億円 − 現金399億円 ≈ 1,567億円
- EBITDA(直近12カ月)≈ 315〜343億円(データ差あり)
- 相対評価(業界平均:PER 13.3倍、PBR 0.8倍)
- PER・PBRともに業界平均比でややディスカウント水準。
- 補足
- 2024/3期は一時要因(特別要因計上)もあり、平準化視点での比較が必要。
7. テクニカル分析
- トレンド
- 52週高値:2,278円(本日到達)、52週安値:1,068円。株価は50日移動平均1,626円、200日1,407円を大幅に上回る上昇トレンド。
- 位置づけ
- 高値圏推移。直近10日で2,130円→2,266円と上昇、出来高も3カ月平均27万株に対し10日平均57万株と増加。
- 需給
- 信用買残36.6万株、信用倍率約37倍と買いに偏在。前週比では買い残減少・売り残減少。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益(億円)
- 売上高:1,644(22/3)→1,912(23/3)→2,073(24/3)→2,061(直近12カ月)
- 営業利益:108(22/3)→93(23/3)→145(24/3)→137(直近12カ月)
- 親会社純利益:98(22/3)→93(23/3)→170(24/3)→132(直近12カ月)
- 傾向:22→24で増収増益、24/3は特別要因寄与、直近はやや常態化へ。
- 収益性
- 直近12カ月営業利益率:約6.6%(Q1 FY26は8.5%と改善)。
- ROE:約7.9%(実績)、ROA:約3.3%。
- 安全性・資本効率
- 自己資本比率:57.2〜57.4%と良好。D/E(総負債/自己資本):約36%。流動比率1.47。
- 現金約399億円、有利子負債約601億円でネットデット約202億円。
- キャッシュフロー
- 直近期のCF詳細開示なし。減価償却は年160〜190億円規模で投資余力は確保。
- セグメント(2026/3期Q1)
- プレス・樹脂:売上382億円、利益34億円(利率約8.9%)
- バルブ:売上144億円、利益11億円(利率約7.8%)。材料市況の影響で利益率は選別的。
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績・予想
- 2025/3期:年間58円
- 2026/3期:短信では年間58円予想(修正なし)と記載。同日付で配当予想の修正に関する開示がある旨の注記あり。
- 外部データではフォワード年間64円の記載もあり、情報に不整合。最新の会社公表資料の確認が必要。
- 利回り(参考)
- 株価2,245円:年間58円なら約2.6%、64円なら約2.9%。
- 配当性向
- 直近実績ベースで約25.3%。
- 自社株
- 自己株式保有は約6%台。直近自己株数の増加が示唆され、取得実績がある可能性。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 1年で+62.7%。低ベータ(0.32)ながら、直近は出来高増を伴う上昇。
- 需給・関心
- 直近10日・3カ月平均出来高の乖離拡大。信用買い残は高水準。
- 重要イベント
- 2025/7/25にMBO実施に関する取締役会決議・TOB賛同の開示。企業行動(MBO)が株価・出来高に影響した可能性。
- 権利落ち(予定):2025/9/29(配当権利関係は会社最新開示の確認が前提)。
11. 総評
- 事業面
- バルブ・TPMSの高シェアと、電動化に資する熱マネジメント/EV電池ケース等へ展開し、規制・構造変化に対応。顧客集中や原材料・為替の影響は引き続き留意点。
- 財務・収益
- 自己資本比率57%台、ROE約8%と財務は健全。24/3期の高利益には一時要因が含まれ、直近は平準化。Q1では原価改善で営業率改善が確認できる。
- バリュエーション
- PER約11.6倍、PBR約0.77倍、EV/EBITDA約5倍と、業界平均比でややディスカウント水準。配当は実績利回り2.6%前後(データ不整合あり)。
- マーケット
- 株価は52週高値圏で上昇トレンド。信用買い偏在により短期的な値動きには留意。MBO関連の企業行動が今後の株価形成に与える影響は会社開示の動向次第。
注記:
– 本資料は公開情報に基づく客観的整理です。配当予想(58円 vs 64円)等、一部でデータ不整合があるため、最終判断には最新の会社公表資料をご確認ください。
企業情報
銘柄コード | 7250 |
企業名 | 太平洋工業 |
URL | http://www.pacific-ind.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 自動車・輸送機 – 輸送用機器 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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