日本セラミック(6929)企業分析レポート
株価:3,225円(2025-08-22終値)
市場:東証プライム/電気機器
1. 企業情報
- 概要
- 日本セラミックは、赤外線(焦電・サーモパイル)センサー、超音波センサー、磁気(ホール)素子・IC、NDIR方式CO2センサーなどのセンシングデバイスおよびモジュールを開発・製造・販売。
- 用途は自動車(ADAS・安全)、家電、住宅(照明・見守り)など。フィリピン等の海外拠点で生産。
- 特徴
- 赤外線センサーで国内約9割、世界約6割のシェア。超音波センサーも主要製品。
- 事業構成:電子部材・関連製品100%。海外売上比率44%(2024.12)。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 焦電型赤外線センサーで世界的上位シェア(国内約90%、世界約60%)を有し、技術・製造の累積による参入障壁がある分野で優位。
- 競争優位性
- コア材料・素子設計からモジュール化までの垂直統合、車載品質対応、量産対応力(海外工場)など。
- 課題
- 自動車・住宅・家電のサイクル影響、価格競争、関税や地政学によるサプライチェーン変動。車載では認証・品質コストの継続的負担。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・重点
- センシング領域の深掘りと用途拡大。ADAS向け車載安全製品、照明・家電向け(人感・環境)で需要取り込み。
- 具体的施策(公表情報に基づく)
- ADAS・車載安全用途の拡販(上期実績で堅調)。
- 住設・家電(照明、人検知)向けの拡大。
- フィリピンの新工場建設による生産能力・コスト競争力強化(建設仮勘定の増加を開示)。
- 株主還元の強化(自己株式の取得継続)。
- 通期見通し(会社予想据え置き)
- 売上高2,700億円?ではなく27,000百万円、営業利益6,000百万円、経常利益6,180百万円、当期純利益6,250百万円。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- センサー素子~モジュールの設計・量産供給。車載や住宅向けで長期採用(設計固定)のストック性が一部期待できる一方、価格改定圧力も存在。
- 市場変化への適応
- ADAS・安全、エネルギー管理・空気質(CO2)など構造的需要分野に注力。海外生産と高い財務余力で供給・投資の柔軟性を確保。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性
- 焦電型IR、サーモパイルIR、超音波、ホール素子/IC、NDIR CO2等のセンシングコア技術。人検知・炎検知、磁気検知など多用途。
- 収益牽引領域
- ADAS向け車載安全、照明・家電向け人感センサー、NDIR CO2(空気質・省エネ関連)。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 株価:3,225円
- 会社予想EPS:287.76円 → PER約11.2倍(会社開示PER 11.24倍と一致)
- 実績BPS:2,100.66円 → PBR約1.54倍(開示PBRと一致)
- 参考(LTMベースの社外集計値)
- LTM EPS:290.86円、ROE:12.85%、純利益率:23.81%(関係会社清算益など一過性要因の影響含む)
- EV/EBITDA(概算)
- 時価総額約88,093百万円、現金28,380百万円、負債149百万円、EBITDA 7,210百万円
- EV ≒ 88,093 + 149 − 28,380 = 59,862百万円 → EV/EBITDA ≒ 8.3倍
- 業界平均との比較(参考)
- 業界平均PER 24.2倍、PBR 1.6倍。日本セラミックのPERは平均より低水準、PBRは概ね近い水準。
7. テクニカル分析
- トレンド
- 直近終値3,225円は50日移動平均2,938円、200日移動平均2,738円を上回る上昇基調。
- 年初来高値3,260円に接近(52週高値も3,260円)。価格帯としては高値圏に位置。
- モメンタム
- 直近10営業日で緩やかな上昇。出来高は3カ月平均(約7.7万株)に比べやや低めの日が多い。
- 信用動向
- 信用倍率8.50倍。買残は前週比減(−4.7千株)、売残も減(−1.0千株)。ロング優位な需給。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益の推移(連結, 百万円)
- 売上高:2021 21,358 → 2022 23,258 → 2023 24,449 → 2024 25,037(着実増)
- 営業利益:2021 3,386 → 2022 4,183 → 2023 4,576 → 2024 4,962(増益基調)
- 当期純利益:2021 2,817 → 2022 5,022(特別要因計上)→ 2023 3,693 → 2024 4,162
- 粗利率:約28.7%(2024)、営業利益率:約19.8%(2024)
- 収益性・効率性
- 実績ROE:8.29%、ROA(LTM):6.49%
- LTM純利益率:23.81%(一過性益の影響に留意)
- キャッシュフロー・安全性
- 営業CF(LTM):4,980百万円、レバードFCF:3,900百万円(プラス)
- 現金同等物:28,380百万円、D/E(直近):0.32%、流動比率:7.80
- 自己資本比率:85.5%(期末)、直近中間期84.0%と高水準維持
- 中間期(2025/6)
- 売上+12.8%、営業益+40.1%、純利益+107.1%(関係会社清算益寄与)
- 自己株取得や投資増により現金残高は期末比減少
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- トレーリング配当:100円(トレーリング利回り約3.1%)
- 会社予想(2025/12期):中間125円・期末125円の年250円(前提に基づく)→ 現在株価で利回り約7.7〜8.0%
- 配当性向:トレーリング約34.8%(データ値)、前提どおり年250円の場合は会社予想EPSベースで約87%
- 自己株式
- 自己株比率21.11%(約574.9万株)。2025年中間期に追加取得(57.5万株)を実施。
- 総還元
- 配当+自己株取得の両面で株主還元を実施。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 52週騰落率:+24.7%(上昇トレンド)。出来高は直近10日平均約5.9万株と平常並み〜やや低下。
- 需給・関心
- 浮動株約1,509万株、インサイダー保有21.87%、自己株21.11%と流通株は相対的に限定的。
- 信用買い優位の需給。直近は上期好決算や通期見通し据え置き、還元策、ADAS需要などが関心材料。
11. 総評
- センシング領域での高シェア(特に赤外線)と車載・住設向けの需要取り込みにより、売上・営業利益は中期的に堅調に拡大。生産能力強化(フィリピン新工場)と高い財務健全性が実行力の裏付け。
- 2025年上期は関係会社清算益の一過性要因で純利益が膨らんでおり、LTMの高い利益率・ROEを評価する際は特殊要因を区別する必要がある。
- バリュエーションは会社予想ベースでPER約11倍、PBR約1.5倍。業界平均PER(24.2倍)と比べ低水準、PBRは近い。EV/EBITDAは約8.3倍(概算)。
- テクニカル面では52週高値圏で推移し、移動平均線上方でモメンタムは良好。信用買い残が相対的に多い点や、出来高の伸び・イベント前後の変動には留意が必要。
- 配当はトレーリング100円から、会社予想では年250円(中間・期末各125円)とされており、実施されれば配当性向は上昇。自己株取得も継続され、総還元の厚みが見られる。
注記
– 本資料は提供データに基づく事実整理・計数整理を目的としたものであり、投資勧誘や特定の投資判断を目的とするものではありません。
– 一部の指標(EPS、配当、ROE等)はトレーリング・会社予想・LTMの定義差や一過性損益により数値が異なります。比較の際は前提の違いにご留意ください。
企業情報
銘柄コード | 6929 |
企業名 | 日本セラミック |
URL | http://www.nicera.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 電機・精密 – 電気機器 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。