王将フードサービス(9936)企業分析レポート
最終更新: 2025-08-22
1. 企業情報
- 概要
- 「餃子の王将」ブランドで中華料理レストランを全国展開。関西地盤、直営中心だが社員のれん分けによるFCも併用(連結売上構成: 直営約91%、FC約9%)。
- 主力メニューは焼餃子(生姜餃子、にんにく増し等の派生含む)、炒飯、天津飯、鶏の唐揚げ、ラーメンなど。
- 1967年創業、京都本社。プライム市場上場。17/33業種分類ともに小売(Restaurants / Consumer Cyclical)。
- 特色
- 単一セグメント(中華事業)。調達・製造(製造ライン、異物選別機等)やQSC(品質・サービス・清潔)を重視。
- 2024/10/1に1→3の株式分割を実施。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション(定量的な市場シェアは非開示)
- 中華系カジュアル外食で全国的な知名度と店舗網を持つ有力チェーン。
- 競合はバーミヤン(すかいらーく)、日高屋(ハイデイ日高)、大阪王将(イートアンドHD)等。
- 競争優位性
- 知名度の高いブランド力、直営主体によるオペレーション管理、のれん分けFCによる人材・多店化の両立。
- サプライチェーン整備(製造ライン更新、異物選別機導入等)とQSC向上の継続投資。
- 課題
- 原材料・人件費・建築内装費の上昇、労働力不足。外食需要は回復傾向だがコスト上昇圧力が強い。
- 同業他社との価格・品質・提供スピードの継続的な競争。
3. 経営戦略と重点分野
- 方針・ビジョン(短信より)
- QSCの維持・向上、効果的な販促、人的資本投資(研修・賃上げ)、設備投資(異物選別機・製造ライン更新)、DX(IT基盤最適化・スマホアプリ連携)。
- 中期施策(開示範囲)
- 明確な中期計画の数値目標は短信に記載なし。
- 2026年3月期の通期計画:売上1,197.31億円、営業利益112.71億円、経常利益114.17億円、純利益80.85億円(修正なし)。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 直営主体で客数×客単価×店舗数の積み上げ。FCはのれん分け中心で補完。
- 仕入・製造の内製化や規模の活用で品質・コストを管理。
- 変化への適応
- 41か月連続で月次売上最高更新(短信記載)等、需要回復を捉える一方、コスト上昇に対応するための価格・メニュー構成見直し、オペレーション効率化、DXを推進。
- 高い自己資本比率(期末76.8%、Q1時点73.9%)により投資・還元の選択肢を確保。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・オペレーション
- 製造ライン更新、異物選別機導入など食品安全・品質向上の投資。
- スマホアプリ連携やIT基盤最適化による販促・会員施策・業務効率化。
- 主力商品
- 看板の焼餃子(生姜餃子、にんにく調整等の派生)、炒飯、天津飯、ラーメン、唐揚げなど。テイクアウト需要にも対応。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提
- 株価(終値): 3,860円
- 予想EPS: 148.59円、実績BPS: 1,155.90円
- 予想PER: 25.98倍、実績PBR: 3.34倍
- 配当予想: 年間56円、配当利回り: 約1.45%
- 相対比較(業界平均: PER 21.3倍、PBR 1.8倍)
- PERは業界平均比で約+22%のプレミアム、PBRは約+86%のプレミアム。
- 参考計算(単純指標換算、前提の違いに注意)
- 業界平均PERを適用: 148.59円 × 21.3倍 ≈ 3,160円
- 業界平均PBRを適用: 1,155.90円 × 1.8倍 ≈ 2,081円
- 参考指標
- 予想益回り: 約3.85%(=1/25.98)
- 予想配当性向(概算): 約37.7%(=56円/148.59円)
(注)指標比較は、成長性・収益性・資本政策・会計基準の差異等を織り込まない単純比較。
7. テクニカル分析(短期)
- 年初来レンジ: 2,861円〜3,975円。現値は年初来高値から約2.9%下、上限付近のレンジ内。
- 直近10営業日
- 終値推移は3,940→3,965→…→3,860と、年初来高値圏での持ち合いから足元はやや軟化。
- 5日移動平均(概算)≈3,879円、10日移動平均(概算)≈3,900円。現値は両移動平均をやや下回る水準。
- 信用需給
- 信用買残 46,200株(前週比+6,500)、信用売残 34,600株(前週比-4,300)、信用倍率 1.34倍。買い残増・売り残減で、需給はややタイト化。
8. 財務諸表分析(傾向)
- 成長
- 売上高(百万円): 84,775(2022)→93,022(2023)→101,401(2024)→111,033(TTM)
- 2022→TTMの年平均成長率(CAGR): 約+9〜10%
- 営業利益(百万円): 6,966→7,989→10,293→10,910(TTM)
- 2022→TTMのCAGR: 約+16%
- 収益性(TTMベース目安)
- 売上総利益率 ≈ 68.1%(外食は人件費等が販管費に含まれるため高めに見える構造)
- 営業利益率 ≈ 9.8%(=10,910/111,033)
- 当期純利益率 ≈ 7.3%(=8,071/111,033)
- ROE(実績): 11.3%
- 安全性・資本構成
- 自己資本比率: 76.8%(期末)、Q1は自己株取得等で73.9%へ。有利子負債は小さく、利息費用も限定的(TTM 37百万円)。
- 賃借料補足: 年間約46.4億円(TTM)と店舗賃料負担は一定規模。
- キャッシュフロー(2026年3月期Q1)
- 営業CF: +29.89億円、投資CF: ▲12.86億円、フリーCFは概ねプラス。
- 財務CF: ▲165.72億円(自己株式取得・消却等による)。
- EPS・シェア
- EPS(基本): 2022 156.34 → 2023 110.17 → 2024 140.15 → 2025 142.88、TTM 132.57。
- 自己株式比率が高く(19.11%)、実効フロートは相対的に小さめ。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2025年3月期: 年間75円(分割後換算、分割前225円に相当)
- 2026年3月期(会社予想): 年間56円(中間28円・期末28円、分割後換算)
- 予想配当利回り: 約1.45%(株価3,860円前提)
- 自社株買い等
- 2026年3月期Q1に自己株式を取得(420万株、約144.9億円)・消却(500万株)を実施。期末の自己株比率は19.11%。
- 直近イベント
- 権利落ち日(予定): 2025-09-29。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 直近は高値圏での保ち合いから短期的な押し目局面。年初来パフォーマンスはレンジ上限近辺。
- 関心材料
- 月次売上高の最高更新継続、インバウンド・外食需要回復、自己株取得・消却による資本政策。
- 一方で、原材料・人件費・建築内装費などコスト上昇、労働力不足は収益性の不確実性要因。
11. 総評
- 需要面では外食・インバウンド回復を追い風に、売上・営業利益は過去最高水準を更新。QSCやサプライチェーン、DXへの継続投資でオペレーションの質を高めている。
- 財務面は自己資本比率が高く、キャッシュ創出力も堅調。自己株式の取得・消却を通じた資本政策を機動的に実施。
- バリュエーションは業界平均比でPER・PBRともにプレミアム。ROEは二桁水準。短期的な株価は年初来レンジの上限圏で推移し、直近は移動平均をやや下回る押し目。
- コスト上昇・人材確保などの構造的課題は継続。運営効率・価格政策・商品力のバランスが中期的な収益性の鍵。
(注)本資料は公開情報と提示データに基づく客観的整理であり、投資勧誘や個別の投資助言を目的としません。数値は概算を含みます。
企業情報
銘柄コード | 9936 |
企業名 | 王将フードサービス |
URL | http://www.ohsho.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 小売 – 小売業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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