都築電気(8157)企業分析レポート

更新日: 2025-08-22 / 株価: 3,235円(終値)

1. 企業情報

  • 概要
    • 独立系SIer。ネットワーク・情報システムのコンサル、設計、開発、構築、運用・保守、月額クラウド/マネージドサービスまで一気通貫で提供。
    • 1932年創業、東京本社。2024年1月に電子デバイス事業を売却し、情報ネットワークソリューションへ経営資源を集中。
    • 大株主に麻生グループ、富士通。富士通製品の取り扱い・協業など、パートナーエコシステムを活用。
  • 事業内訳(2025年3月期、連結)
    • 情報ネットワークソリューション(単一セグメント)
    • 機器: 41%
    • 開発・構築: 16%
    • サービス: 43%(運用・保守、クラウド/サブスクを含む)

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション
    • 独立系の中堅SIerとして、ネットワーク/インフラ領域と運用サービスに強み。ベンダー中立の提案力と保守運用までの一貫提供で差別化。
  • 競争環境・課題
    • 大手SIer(NTTデータ、SCSK、CTC、TISなど)や専門特化型(ネットワン、マクニカ等)と競合。
    • 課題はエンジニア採用・育成競争、価格競争、クラウド/セキュリティの技術進化スピードへの継続的対応。

3. 経営戦略と重点分野

  • 中期計画「Transformation 2026」
    • 成長領域へのリソースシフト(ハード販売から、開発・構築、サービス/クラウド、マネージド運用へ配分強化)
    • プライシングマネジメントの徹底(採算性改善)
    • 受注・受注残の積み上げによる安定成長(Q1で機器受注+50.8%、開発・構築受注+22.9%、サービス受注残+13.3%)
  • DX・生成AI・セキュリティ・ゼロトラスト、クラウド/ネットワーク統合運用(SASE/SD-WAN等)を重点領域に据える方針。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル
    • 一括案件(機器・構築)に加え、クラウド/運用・保守などの月額サービス比率が高く、ストック型収益がベースの安定性を補完。
  • 適応力
    • 事業売却によりポートフォリオを簡素化し高収益領域へ集中。DX投資継続、セキュリティ/クラウド需要の構造的増加に対応。
  • リスク
    • 人材獲得・単価上昇、プロジェクト採算管理、ハード調達環境の変動、クラウドネイティブ領域での競争激化。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術開発・独自性
    • ネットワーク設計・運用、クラウド移行・運用、セキュリティ(ゼロトラスト/SASE)、マネージドサービスの統合提供を強化。
  • 収益牽引
    • サービスビジネス(43%)が安定収益を牽引。Q1では機器の収益性改善、開発・構築/サービスの売上伸長を確認。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 主要指標(連結、会社予想/実績ベース)
    • 株価: 3,235円
    • 時価総額: 613.9億円
    • EPS(会社予想): 248.19円 → PER約13.0倍
    • BPS(実績): 2,402.6円 → PBR約1.35倍
    • 配当: 年100円予定 → 配当利回り約3.09%、配当性向約37.6%
    • EV/EBITDA(概算): EV約295億円(613.9 − 現金412.9 + 有利子負債94.2、単位:億円換算)/ EBITDA約80.6億円 ≈ 約3.7倍
    • PSR(LTM売上ベース): 約0.62倍(613.9/983.2)
  • 相対比較
    • 業界平均(PER 23.2倍、PBR 2.3倍)に対し、同社は両指標とも低位水準。
    • 株価とBPS×PBRの整合: 2,402.6円 × 1.35 ≈ 3,243円(概ね現株価水準と整合)。

注)EPS予想(248円)は前期実績EPS(263円)を下回る水準。事業売却やミックスの影響に留意。

7. テクニカル分析

  • トレンド
    • 50日移動平均: 2,953.7円、200日: 2,654.5円。株価は両線を上回り上昇トレンド継続。
    • 52週高値: 3,295円に接近(現値は約1.8%下)。高値圏での推移。
  • 短期動向
    • 直近10日で上昇基調を維持しつつ、3,200~3,260円レンジでのもみ合い。
    • 出来高は3カ月平均(約2.84万株)と同程度。信用倍率1.27倍で需給は中立寄り。

8. 財務諸表分析

  • 損益(連結)
    • 売上高: 2025/3期 9,826億円(前期 1兆2,486億円)※電子デバイス売却の影響で減収
    • 営業利益: 64.8億円(前期 64.4億円)で横ばい
    • 親会社株主に帰属する当期純利益: 47.6億円(前期 54.8億円)
    • 粗利率: 約23.1%(前期 約20.3%)に改善、営業利益率: 約6.6%
    • Q1(2026/3期): 売上+0.3%、営業利益1.6%(前年微益)と改善傾向
  • 安全性・効率性
    • 自己資本比率: 55.2%(2025/3期実績)→ 57.7%(2026/3期Q1)
    • 流動比率: 2.36倍
    • 総有利子負債: 94.2億円、現金等: 412.9億円でネットキャッシュ
    • ROE: 11.27%、ROA: 5.67%
  • キャッシュフロー
    • 四半期CFは未作成(短信記載)。手元流動性は厚い水準。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当
    • 2025/3期: 年99円(中間45円、期末54円)
    • 2026/3期予想: 年100円(中間50円、期末50円)
    • 5年平均配当利回り: 3.28%(現状は概ね同水準)
  • 自社株買い
    • 現時点で公表情報は確認できず。
  • 株主構成
    • インサイダー等保有比率 45.66%、浮動株 952万株程度。安定株主比率が高く、株価変動の平準化要因。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • モメンタム
    • 52週騰落率 +44.5%、低ベータ(0.23)ながら堅調なトレンド。
    • 年初来高値圏での推移。テクニカル的には上値3,295円付近がレジスタンスとして意識されやすい一方、3,150~3,200円帯に短期サポート感。
  • 関心材料
    • DX/生成AI/セキュリティ需要の継続、受注積み上がり、機器ビジネスの収益性改善。
    • リソースシフトと価格戦略の進捗、四半期ごとの受注/受注残の開示が注目点。

11. 総評

  • 事業ポートフォリオを情報ネットワークソリューションに集中し、サービス/クラウド・運用の比率を高めることで、収益性・安定性の改善を図っている。前期は減収ながら粗利率・営業利益率は改善、Q1も採算と受注でポジティブな進捗が確認できる。
  • 財務はネットキャッシュで堅健、自己資本比率も上昇。ROEは約11%と資本効率は一定水準。
  • バリュエーションはPER/PBRともに業界平均を下回る一方、株価は52週高値圏で推移。配当利回りは約3.1%で安定的。
  • 中期計画「Transformation 2026」における成長領域へのシフト、プライシング管理の継続、受注残の積み上げが今後の業績トレンドに影響。人材確保・プロジェクト採算・競争環境などのリスク管理が注目ポイント。

注記
– 本資料は公開データに基づく客観的な企業分析であり、投資判断を勧誘・助言するものではありません。
– 一部の指標には四半期時点と通期実績の混在があるため、比較の際は期間差異に留意してください。


企業情報

銘柄コード 8157
企業名 都築電気
URL http://www.tsuzuki.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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