クリナップ(証券コード: 7955)企業分析レポート

最終更新: 2025-08-23
本資料は公開情報をもとに作成した企業分析であり、投資助言ではありません。数値は特記なき限り連結・円ベースです。

1. 企業情報

  • 概要
    • 住設機器の大手メーカー。主力はシステムキッチン(CENTRO、STEDIA、Lacucella、corti など)。バス(clear bath、Yuasis/SELEVIA、rakuvia)や洗面化粧台も展開。
    • 高級システムキッチンに強み。従来のいわき集中から岡山と合わせた東西2極の生産体制へ移行し、供給の強靭性と生産性向上を図る。
    • 事業構成(2025/3):厨房81%、浴槽・洗面11%、その他8%。
  • 基本情報
    • 本社:東京都荒川区
    • 代表者:竹内 宏
    • 設立:1954年
    • 従業員:3,516人(平均年齢41.0歳)
    • 上場市場:東証プライム
  • 特色・販売チャネル
    • 好採算の「市販ルート」(リフォーム店・工務店・流通経由)で存在感。
    • 全国ショールーム網と会員制ネットワーク「水まわり工房」を活用した提案力。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション
    • 国内システムキッチン市場で第3位クラスのポジション。高付加価値帯(ステンレス等)に強み。
  • 競争環境
    • 主な競合:LIXIL、パナソニック、タカラスタンダード等。大手各社が価格改定・デザイン性・機能性で競合。
  • 競争優位性
    • ステンレスキャビネット等の素材・加工ノウハウ、高単価帯のブランド力、ショールーム起点の提案営業、会員ネットワークによる地域密着が強み。
  • 課題
    • 住宅着工の景気感応度が高い。原材料・物流・人件費の継続的上昇、販管費の抑制と原価低減の両立が収益面の焦点。

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン・中期方針(2024-2026年度「2024中期経営計画」)
    • キーワード:「ファン化促進」「専業力強化」。
  • 具体施策
    • 高付加価値キッチン(CENTRO、STEDIA)の拡販・付加価値提案強化。
    • バス(SELEVIA、rakuvia)の定着・販売強化。
    • ショールーム価値向上、オンライン相談との併用、「水まわり工房」とのイベント展開。
    • 東西生産拠点の生産性向上、VE活動(設計段階の原価低減)継続。
    • 情報システム・ショールーム改装・生産設備改修への選択的投資。
  • 業績見通し(会社計画:2026/3期)
    • 売上高 1,380億円(+6.2%)、営業利益 25億円(+20.7%)、純利益 18.5億円(+7.6%)、EPS 51.30円(据え置き)。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル
    • BtoC色の強いリフォーム需要と、BtoB(住宅メーカー・工務店)向け新設需要に依存。高付加価値商品の構成比を高めることで粗利率を改善。
  • 需要特性
    • リフォームは更新サイクル(概ね10〜20年)に支えられ、着工動向より相対的に安定。一方で新設は法改正・金利・景況の影響を受けやすい。
  • 適応力
    • 価格改定効果の浸透、VE活動、生産二極化による供給リスク低減、ショールーム・デジタル接点強化により需要変化へ対応。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術・独自性
    • ステンレス素材の活用(耐熱・耐久・清掃性)と意匠性の両立、収納・静音・清掃性に関わる機能開発。
  • 主力製品
    • キッチン:CENTRO(高級帯)、STEDIA(中高級)、Lacucella(ミドル)、corti 等。
    • バス:clear bath、SELEVIA、rakuvia。
    • 洗面化粧台:Yuasis など。
  • 収益牽引
    • 高付加価値帯のキッチンが売上・利益の中心。Q1では粗利率上昇(約32.4%)が確認。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 前提
    • 株価 761円、EPS(会社予想)51.30円、BPS 1,582.02円、時価総額 約284.9億円。
  • マルチプル比較
    • PER(予想):約14.8倍(業界平均 14.5倍と同水準)。
    • PBR(実績):約0.48倍(業界平均 1.3倍を下回る水準)。
    • EV/EBITDA(概算):EV ≒ 284.9億 − 純現金約119.7億 = 約165億、EBITDA約76.1億 → 約2.2倍(参考値)。
    • PSR(時価総額/売上):約0.22倍(売上約1,305億円LTM)。
  • 配当
    • 年間配当(会社予想):31円 → 配当利回り約4.07%(761円換算)。
    • 予想配当性向:31円/51.3円 ≒ 約60%(外部データでは65%の表記もあり、期間差異による)。
    • 注:一部外部データに「予想36円」の記載あり。会社開示は31円据え置き(2026/3期予想)。

(注)相対指標は単純比較であり、業績変動・財務構成の差を反映しません。

7. テクニカル分析

  • トレンド
    • 株価は50日線(約709円)、200日線(約672円)を上回る推移で上昇トレンド。
    • 52週高値 779円に対し現在 761円(約2.3%下方)で高値圏に近い位置。
  • 直近10日
    • 8/8の770円台から一時740円台に調整後、再び760円台へ回復。出来高は3万株前後で平常域。
  • 需給
    • 信用倍率 3.17倍。信用買残は前週比減少(-4.8千株)で過熱感はやや後退。

8. 財務諸表分析

  • 損益(年度・LTM)
    • 売上高:2022/3 1,133億 → 2023/3 1,240億 → 2024/3 1,280億 → LTM 約1,300億。
    • 営業利益:2022/3 38億 → 2023/3 30億 → 2024/3 12.8億 → LTM 約20.7億(改善傾向)。
    • 当期純利益:2022/3 31.6億 → 2023/3 25.2億 → 2024/3 14.7億 → LTM 約17.2億。
    • 利益率(LTM):営業約1.8%、純利益約1.5%。
  • 直近四半期(2026/3期 1Q)
    • 売上 321億(+1.5%)、営業利益 5.76億(+111%)、純利益 4.58億(+151%)。価格改定と原価低減で粗利率改善。
  • 安全性・効率性
    • 自己資本比率:63.1% → 1Q時点 64.4%。
    • 流動比率:約204%。
    • 有利子負債/自己資本:約0.09倍。現金同等物 172億、総有利子負債 52.6億で実質ネットキャッシュ。
  • ROE・ROA
    • ROE 実績 3.02%(LTMベースでは約3.5%)、ROA 約1.6%。資本効率は中位〜低位水準。
  • キャッシュフロー(LTM)
    • 営業CF +55億、フリーCF +10.4億(投資CF▲、財務CF▲は借入返済と配当による)。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当
    • 2025/3期実績:年31円(中間13円、期末18円)。
    • 2026/3期会社予想:年31円(据え置き)。予想配当利回り約4.07%(株価761円)。
  • 自己株式・買戻し
    • 自己株口 137.7万株(発行株式の約3.68%)。足元で新規の自社株買い開示は確認情報なし。
  • 株主構成
    • インサイダー・関係者の保有が厚く(内在者・関係者合計で高比率)、浮動株は相対的に少ない。機関保有は約11%。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • モメンタム
    • 50日・200日移動平均を上回る上昇基調。年初来高値(779円)近辺での推移。
  • 関心材料
    • 粗利率の改善持続、価格改定の浸透度、原材料コスト(ステンレス・樹脂等)と物流費、人件費動向。
    • 住宅着工の動き(法改正反動含む)とリフォーム需要の強さ。
    • 東西生産体制の効果(生産性・供給安定化)。
  • 予定イベント
    • 権利落ち日(予定):2025-09-29。

11. 総評

  • 事業面
    • 高付加価値キッチンを核に、ショールーム起点の提案力と市販ルートの強さを活かすモデル。価格改定とVE活動が収益改善に寄与。
  • 財務面
    • ネットキャッシュで財務健全性は高い。ROEは3%台で資本効率は限定的だが、粗利率改善と固定費吸収が進めば利益率の底上げ余地。
  • バリュエーション
    • PERは業界平均並み、PBRは下方水準。EV/EBITDAの概算は低位。評価は利益水準・資本効率・需要環境の持続性に左右されやすい局面。
  • 注目ポイント
    • 原価上昇環境下での価格政策・ミックス改善の継続、リフォーム需要の取り込み、二極生産の成果。短期的には年初来高値圏での推移と需給の変化に留意。

企業情報

銘柄コード 7955
企業名 クリナップ
URL http://cleanup.jp/
市場区分 プライム市場
業種 情報通信・サービスその他 – その他製品

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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