PILLAR(6490)企業分析レポート

株価: 4,030円(2025-08-22終値)
市場: 東証プライム/機械

1. 企業情報

  • 概要
    • 流体制御分野の専業メーカー。起源は流体漏れを防ぐパッキンで、現在はメカニカルシール、バルブステム部品、フッ素樹脂(ピラフロン)製フィッティング・ポンプ等を展開。
    • 主要顧客分野は半導体・液晶・医療等(電子機器関連)と、精密機械・船舶等(産業機器関連)。
    • 1924年創業。2024年6月に日本ピラー工業からPILLAR Corporationへ社名変更。
  • セグメント構成(参考)
    • 電子機器関連 約67%
    • 産業機器関連 約33%
    • その他(不動産等)僅少
  • 海外売上比率:約30%(2025年3月期)
  • 直近イベント
    • 2026年3月期1Q決算発表:2025年8月6日
    • 予告:決算期発表ウィンドウ 2025年8月4日~8日、権利落ち日 2025年9月29日

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション
    • 国内のメカニカルシール有力メーカー。半導体製造装置向けの高純度・耐薬品性を要するフッ素樹脂部材で高い専門性。
  • 競争優位性
    • 半導体装置分野での厳格なクオリフィケーション(採用認定)が参入障壁。
    • 漏れ許容度が極めて低い用途における材料・加工・設計ノウハウ。
    • アフターマーケット(消耗・更新需要)による一定の安定収益。
  • 課題
    • 半導体循環の変動影響、原材料(フッ素樹脂等)価格や為替の変動。
    • 中国・中東情勢等の外部環境不確実性(短信開示の範囲)。

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン・方向性(短信・会社開示の範囲)
    • 電子機器関連(ピラフロン等):スマホ・PC・車載半導体の需要回復動向を注視しつつ、海外向け堅調領域の深耕。
    • 産業機器関連:精密機械用メカニカルシール、船舶関連製品の需要取り込み。
  • 重点施策(示唆)
    • 高付加価値材(高純度・耐薬品性)の開発・品質強化。
    • 海外販売の拡大、供給体制の強化。
    • 研究開発費:1Qで3.44億円(重要な方針変更なし)。
  • 株主還元
    • 通期配当予想は年間105円(前年実績125円)。自己株式の取得を実施(期末自己株式約186.9万株)。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益源
    • 半導体向け部材(継手・ポンプ・シール等)が利益の柱。産業機器向けメカニカルシールは更新・補修需要の下支え。
  • 適応力
    • セグメント分散とアフターマーケットで循環耐性を一定程度確保。一方、半導体設備投資サイクルの影響は残存。
    • 高付加価値材への集中で価格転嫁・収益性維持の余地。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術・独自性
    • ピラフロン(フッ素樹脂)製品:高純度・低溶出・耐薬品性・耐熱性が要求されるプロセス用途に対応。
    • メカニカルシール:漏れ抑制・耐久性・摺動材料技術。
  • 収益牽引
    • 半導体製造装置向けの継手・シール類等が主要な利益貢献。
    • 1Qは産業機器関連も伸長(メカニカルシール・船舶関連)。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 指標(現在株価 4,030円)
    • 予想PER:13.03倍(会社予想EPS 309.32円)
    • 実績PBR:1.27倍(BPS 3,164.92円)
    • 予想配当利回り:2.61%(年105円)
    • 参考EV/EBITDA(LTM概算):約5.9倍
    • 時価総額約1,009億円、現金約216.7億円、借入約123.1億円、EBITDA約155.2億円ベース
  • 業界平均との比較(機械)
    • PER:同社 13.0倍 vs 業界平均 16.6倍
    • PBR:同社 1.27倍 vs 業界平均 1.4倍
  • 補足
    • EPS利回り(予想):約7.7%
    • ROE(実績):約11.5%

7. テクニカル分析

  • 位置関係
    • 50日移動平均:約3,850円、200日移動平均:約3,877円 → 現在株価は両線を上回る水準。
    • 52週高値:4,875円、年初来高値:4,520円、52週安値:2,810円。
  • 直近10日レンジ
    • 概ね3,980~4,115円でのもみ合い、出来高は3カ月平均(約6.4万株)をやや下回る傾向。
  • 総括
    • 中期移動平均線上での保ち合い圏。高値圏(直近52週)からは一定距離。

8. 財務諸表分析

  • 収益・利益(通期)
    • 売上高:2022/3 406.7億円 → 2023/3 487.0億円 → 2024/3 586.1億円 → 2025/3 579.9億円。
    • 営業利益:2022/3 113.9億円 → 2023/3 138.4億円 → 2024/3 142.1億円 → 2025/3 113.4億円。
    • 当期純利益:2022/3 82.9億円 → 2023/3 104.3億円 → 2024/3 107.8億円 → 2025/3 83.0億円。
    • 2025/3期は半導体関連の調整やコスト上昇から減益。
  • マージン推移
    • 粗利率:2024/3 41.3% → 2025/3 38.7%。
    • 営業利益率:2024/3 24.2% → 2025/3 19.5%。
    • 1Q(2026/3期):売上総利益率40.8%、営業利益率20.0%へ持ち直し。
  • 効率性・収益性(LTM)
    • ROE:約11.6%、ROA:約7.4%。
  • 財務安全性・流動性
    • 自己資本比率:75.3%(前期末)→ 76.6%(1Q末)。
    • 流動比率:約560%。現金216.7億円、有利子負債123.1億円でネットキャッシュ。
    • D/E(有利子負債/純資産):約16~17%。
  • キャッシュフロー
    • 四半期CF計算書は未作成(注記開示)。減価償却費は1Qで約8.0億円。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当
    • 2025/3期実績:年125円。
    • 2026/3期予想:年105円(中間50円・期末55円)。予想配当性向:約34~35%。
    • 5年平均利回り:3.05%(現状利回りは2.61%)。
  • 自社株買い
    • 期中に自己株式を取得。期末自己株式:約186.9万株(発行済の約7.5%相当)。
  • 株主構成(上位)
    • 信託銀行等の機関保有が一定比率。自己株・持株会・経営陣関連も一定比率。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • モメンタム
    • 52週騰落率:-5.73%(S&P500対比では相対的に弱含み)。
    • 直近の価格は移動平均線上で推移。ボラティリティは低め。
  • 需給
    • 信用倍率:0.56倍(売り長)。信用売残の増加、買残の微減。
    • 出来高:10日平均約5.4万株(3カ月平均約6.4万株を下回る)。
  • イベント
    • 次回決算ウィンドウ(8月上旬)・配当権利落ち(9/29)が短期需給に影響する可能性。

11. 総評

  • 半導体装置向けの高付加価値フッ素樹脂製品と、産業機器向けメカニカルシールの二本柱。半導体循環の影響を受けつつも、1Qは産業機器の伸長で営業利益率が改善。
  • 財務体質は堅健(高自己資本比率、ネットキャッシュ、流動比率高位)。ROEは10%超を維持。
  • バリュエーションは業界平均と比べPER・PBRともにやや割安水準に位置。EV/EBITDAも中庸~低位のレンジ。
  • テクニカル面では移動平均線上での保ち合い。52週高値からは距離があり、需給は売り長。
  • 配当は予想で前年実績からの減額。一方で自己株取得を継続しており総還元の観点は意識されている。

本資料は公開情報に基づく客観的な企業分析であり、投資勧誘・助言を目的とするものではありません。数値はLTM・会社計画・短信等の混在であるため、評価の際は最新の決算短信・有価証券報告書等の一次情報をご確認ください。


企業情報

銘柄コード 6490
企業名 PILLAR
URL https://www.pillar.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 機械 – 機械

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。

本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。

本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。

投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。

なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。

By シャーロット

ジニーは、Smart Stock NotesのAIアシスタントです。膨大なデータとAIの力で、企業や市場の情報をわかりやすくお届けします。投資に役立つ参考情報を提供することで、みなさまが安心して自己判断で投資を考えられるようサポートします。