セイノーホールディングス(9076)企業分析レポート
株価: 2,321円(2025-08-22 終値)
市場区分: プライム/陸運業
1. 企業情報
- 概要: 路線トラック(特積み)輸送の大手で「カンガルー便」による全国幹線・支店網を保有。物流(定時配送、代金引換・決済、引越・買物・3PL、リバース物流等)を主軸に、自動車販売(新車・中古車・整備)、物品販売(燃料・紙製品等)、不動産賃貸、情報・建設・人材など周辺事業も展開。
- 連結事業構成(売上比率・営業利益率目安): 輸送 75%(約4%)、自動車販売 16%(約6%)、物品販売 5%(約2%)、不動産賃貸 0%台(約74%)、その他 4%(約5%)(2025.3期)
- 従業員: 31,432人、本社: 岐阜県大垣市
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション: 路線トラック(特積み)分野で国内上位・最大級のネットワークを保有。全国カバレッジと中継拠点力が強み。
- 競争環境: 大手物流・宅配各社(例: 大手宅配・総合物流グループ)との競合・協業環境。積載効率、幹線・集配網の最適化、価格転嫁(燃料・人件費)対応が競争力の鍵。
- 課題: 2024年問題(時間外労働規制)に伴うドライバー確保と労務・運賃体系の見直し、燃料・人件費の上昇、BtoB貨物動向の影響。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・方針: 「中長期の経営の方向性〜ありたい姿とロードマップ2028〜」。特積み輸送の優位性を維持しつつ、効率化と収益性改善を推進。
- 重点施策:
- 輸送: 幹線・集配の効率化、積載率向上、共同化・協業(MDロジス社のグループイン等)、品質維持と2024年問題対応。
- ロジスティクス: 倉庫・3PLの拡大、リバース物流やEC関連機能強化。
- 自動車販売: 中古車・アフターサービスの伸長で収益補完。
- 物品販売・不動産: 既存強化と高採算の維持(不動産は高マージン)。
- 資本政策: 自己株式取得・公開買付けの決議実施。浮動株縮小と資本効率意識の表れ。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: ネットワーク型の特積み輸送を核に、3PL/付帯サービスで付加価値を上乗せ。自動車・不動産等のポートフォリオで景気変動リスクを分散。
- 適応力: 運賃改定・燃料サーチャージの浸透、幹線・中継の高度化、DX(配車・需要予測・可視化)で労働制約下の生産性を補完。
- 留意点: 労務規制・人材確保、燃料高、需要サイクルへの耐性が持続性の焦点。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・運用: 幹線・中継拠点の運用設計、輸送品質維持、ロジスの高度化(WMS/TMS等のデジタル活用を前提とする効率化)。
- 主力サービス: 「カンガルー便」を中心とする特積み輸送群、3PL/リバース物流、BPO(事務・出荷支援)等。自動車は中古・整備が収益を下支え。
6. 株価の評価
- 前提データ:
- 株価: 2,321円、時価総額: 約4,356億円
- 予想EPS: 147.55円(市場提供値)、BPS: 2,643.40円
- 予想PER: 15.73倍、PBR: 0.88倍、配当: 102円(予想)
- 参考: 決算短信の通期予想EPS 117.08円との乖離あり(データ差異に留意)
- 相対評価(業界平均: PER 13.9倍、PBR 1.0倍):
- PER: 業界平均比で約+13%(やや高位)
- PBR: 業界平均比で約-12%(低位)
- イールド視点:
- 益回り(予想EPS基準): 約6.36%
- 配当利回り: 約4.39%
- 配当性向: LTM EPS(約107円)基準で約95%(データ提供値)、予想EPS(147.55円)基準では約69%程度
- EV/EBITDA(概算): EV ≈ 4,356 + 1,147 – 752 ≈ 4,751億円、EBITDA ≈ 596.9億円 → 約8.0倍
7. テクニカル分析
- トレンド位置: 株価2,321円は50日線2,259.9円、200日線2,301.0円の上に位置。中期・長期線上方で足元は中立〜やや強めの位置取り。
- 52週レンジ: 2,147.5〜2,502.5円の中間帯(約49%レンジ位置)。年初来高値2,444円には未達。
- 直近10日: じり安基調(戻り売り優位)。出来高は10日平均(約54万株)に対し当日約33万株とやや細り。
- 需給: 信用倍率16.79倍と買い長。買残は前週比減少(-98千株)で整理進行。
8. 財務諸表分析
- 売上高(連結):
- 2025.3: 7,373.8億円(前年比+14.7%)
- 2024.3: 6,428.1億円、2023.3: 6,315.1億円
- 営業利益:
- 2025.3: 298.9億円(+27.6%)
- 2024.3: 234.1億円、2023.3: 285.0億円
- 親会社株主に帰属する純利益:
- 2025.3: 192.5億円(+32.3%)
- 2024.3: 145.6億円、2023.3: 190.1億円
- マージン・効率:
- 営業利益率(過去12か月): 約4.6%、当期純利益率: 約2.8%
- ROE: 実績4.65%/LTM 5.49%、ROA: 2.79%
- キャッシュフロー・財務:
- 営業CF(LTM): 475.5億円、レバードFCF: 62.4億円
- 第3四半期累計 営業CF: 408.4億円(前年同期251.6億円)
- 投資CF: △703.9億円(M&A/設備投資などで支出増)
- 自己資本比率: 51.5%、D/E(有利子): 約27%、流動比率: 0.95
- セグメント動向(2025年3月期3Q累計):
- 輸送: 売上+13.0%、営業益+24.1%
- 自動車販売: 売上+7.6%、営業益+29.1%(中古・整備が寄与)
- 物品販売・不動産・その他: いずれも増収増益。不動産は高採算で安定
9. 株主還元と配当方針
- 予想配当: 年間102円(中間43円、期末57円想定)
- 配当利回り: 約4.39%(5年平均利回り3.21%を上回る水準)
- 配当性向: データ基準で約95%(LTM)、予想EPS基準では約69%程度
- 自社株買い: 自己株式の取得・公開買付けを決議済み(自己株保有比率約18%)。株主還元と資本効率意識がうかがえる。
- 参考イベント: 権利落ち日(予定)2025-09-29
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム: 短期は戻り売り優位だが、中期では移動平均線上で底堅さも見られる。
- ボラティリティ: β(5年)0.41と市場比で低め。
- 投資家構成: インサイダー約28%、機関約26%、浮動株約6,728万株。自己株・財団等の影響で流動性は相対的に限定されやすい。
- 需給要因: 信用買い偏重ながら買残整理進展。決算や運賃改定・協業/M&A進捗、原油・人件費動向が短期材料。
11. 総評
- 事業: 全国ネットワークを活かした特積み輸送が中核。2024年問題を織り込みつつ、幹線効率化・協業・3PL強化で収益性を改善。
- 財務: 売上・利益は増収増益基調。営業CFは堅調だが、投資CFは大型支出でマイナス。資本構成は保守的で、ROEは一桁台。
- バリュエーション: 予想PERは業界平均を上回る一方、PBRは1倍を下回る水準。高配当(予想)と自社株取得が株主還元面の特徴。
- 株価・需給: 中期は移動平均線上で推移。短期は戻り売り気味。信用買い偏重だが整理進行。
- リスク・注目点: 労務・燃料コスト、需要動向、協業・投資の収益化タイミング。予想EPSの情報源差異(147.55円 vs 117.08円)には留意。
本レポートは公開情報に基づく企業分析であり、投資勧誘や特定銘柄の推奨を目的とするものではありません。情報の正確性には留意していますが、数値にはデータソース間で差異が存在する場合があります。最新の開示をご確認ください。
企業情報
銘柄コード | 9076 |
企業名 | セイノーホールディングス |
URL | http://www.seino.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 運輸・物流 – 陸運業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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