芝浦電子 (6957) 企業分析レポート

個人投資家の皆様へ、芝浦電子の企業分析レポートをお届けします。

1. 企業情報

芝浦電子は、1959年設立の日本の企業で、サーミスタ素子およびそれを利用した製品の開発・製造・販売を主要な事業としています。特に温度センサー部品においては、業界トップクラスのシェアを誇ります。同社の製品は、自動車、エアコン、家電製品、住宅設備、産業機器、プリンターなど、幅広い分野で使用されています。温度センサー事業のうち約8割が海外で生産されており、グローバルな供給体制を構築しています。
連結事業の売上構成比(2025年3月期)では、ホームアプライアンス部門が44%、オートモーティブ部門が39%、インダストリアル部門が12%となっており、これらの分野が収益の大部分を占めています。最近では、ミネベアミツミやヤゲオによるTOB合戦が報じられるなど、注目を集めています。

2. 業界のポジションと市場シェア

芝浦電子は、温度センサー部品において最大手の地位を確立しており、特にエコ給湯器や電動車(EV/HV)向け、調理・空調家電用といった環境関連や効率化が求められる分野に強みを持っています。これは、幅広い製品群と技術力に基づいています。センサーの約8割を海外生産することで、グローバル市場への対応力とコスト競争力を確保しているとみられます。しかし、電子部品業界は技術革新が早く、新たな競合も出現しやすいため、常に競争環境への適応が求められると考えられます。TOB合戦の報道は、同社の技術力や事業基盤が市場から高く評価されていることの表れとも解釈できます。

3. 経営戦略と重点分野

同社は、中期経営計画(2024–2026)に基づき、以下の重点分野に取り組んでいます。
* 製品開発の強化: 新製品の開発を通じて、市場ニーズに応じたソリューションを提供。
* 生産性向上: AIやロボットの導入、海外工場へのライン移管、生産体制の多直化などにより、効率的な生産体制を構築。
* グローバル営業の強化: EV/HV向けや環境規制・省エネ関連分野でのマーケティング強化と拡販に注力。
* 本社移転: 2026年1月を目途に自社保有社屋へ移転計画があり、事業拡大、働き方改善、人材確保を目指しています。
* 人的資本とESGへの取り組み: 働き方の多様化、人材育成、ダイバーシティ推進、健康経営、ガバナンス強化、CO2削減など、持続可能な企業価値向上に向けた取り組みを推進しています。

4. 事業モデルの持続可能性

芝浦電子の事業モデルは、多岐にわたる産業分野で不可欠な温度センサーを提供することで、高い持続可能性を保持していると考えられます。ホームアプライアンス、オートモーティブ、インダストリアルといった生活や産業の基盤を支える分野において、省エネ化や高機能化を支えるキーデバイスとしての役割は今後も重要性を増すと予想されます。特に、電動車(EV/HV)化の進展や、エコ給湯器に代表される環境配慮型製品への需要増加は、同社の成長ドライバーとなり得ます。定期的な新製品開発への投資とグローバルな生産・供給体制により、市場ニーズの変化に適応する能力が高いとみられます。

5. 技術革新と主力製品

同社の技術力の核心は、サーミスタおよび各種温度センサーの開発・製造技術にあります。これらの技術は、温度を正確に検知し制御することを可能にし、多種多様な電子機器の性能向上に貢献しています。
主力製品としては、以下のものが収益を牽引しています。
* エコ給湯器向けセンサー: 環境意識の高まりとともに需要が拡大。
* 電動車(EV/HV)向けモーター用センサー: 自動車の電動化進展に伴い、重要な部品として成長。
* 調理・空調家電用センサー: 日常生活に密着した家電製品の高機能化をサポート。
* 汎用インバータ向け素子: 産業機器の省エネ化に貢献。

同社は、中期経営計画において新製品開発の強化を掲げており、継続的な技術革新を通じて市場競争力を維持していく方針です。

6. 株価の評価

現在の株価6260.0円に対し、各種指標は以下の通りです。
* PER(会社予想): 26.96倍
* 業界平均PER(電機・精密):12.9倍
* PBR(実績): 2.72倍
* 業界平均PBR(電機・精密):0.8倍
* EPS(会社予想): 232.17円
* BPS(実績): 2,302.90円

同社のPER、PBRともに業界平均と比較して高い水準にあります。このことは、市場が同社の将来の成長性や収益力に対して、業界平均を上回る期待を織り込んでいる可能性を示唆していると考えられます。

7. テクニカル分析

現在の株価は6260.0円であり、年初来高値6,510円(かつ52週高値)に近い水準で推移しています。直近10日間の株価推移を見ると、6,400円台で推移していましたが、本日(2025年8月22日)は6,260円とやや下落しています。
本日の出来高は780,000株と直近の平均を大きく上回っており、株価変動に注目が集まっていることがうかがえます。
現在の株価は50日移動平均線(6,049.40円)および200日移動平均線(4,771.58円)を上回っており、中長期的な上昇トレンドが継続している可能性を示しています。

8. 財務諸表分析

指標 過去12か月 2025.3期(通期) 2024.3期(通期) 2023.3期(通期) 2022.3期(通期)
売上高 (百万円) 34,028 34,028 32,401 33,193 30,612
純利益 (百万円) 3,749 3,749 3,822 3,830 3,654
  • 売上高: 過去数年間は概ね増加傾向にあり、堅調な推移を示しています。直近12か月(2025年3月期)も前年比で微増となりました。
  • 利益: 純利益は過去数年間、36億円~38億円台で比較的に安定して推移しています。
  • ROE(実績): 過去12か月8.52%(連結10.41%)。株主資本を効率的に活用し、堅実な利益を出していることが示唆されます。
  • ROA(実績): 過去12か月7.69%。総資産を活用した収益性も良好です。
  • 自己資本比率(実績): 82.8%。非常に高い水準を維持しており、財務基盤が極めて安定していることを示しています。

2026年3月期 第1四半期決算(連結)概要

  • 売上高: 8,442百万円(前年同期比 +2.4%)と増収を達成しました。
  • 営業利益: 1,159百万円(同 -15.7%)と減益。
  • 親会社株主に帰属する四半期純利益: 140百万円(同 -85.1%)と大幅な減益となりました。これは、公開買付関連費用798百万円などの特別損失計上や為替差損が主な要因とされています。

通期業績予想(2026年3月期)

通期では、売上高35,000百万円(前年比+2.9%)、営業利益6,000百万円(同+10.2%)、親会社株主に帰属する純利益3,500百万円(同-6.6%)を見込んでいます。第1四半期は特別損失の影響で大幅減益となりましたが、通期では回復基調にあるとの会社見解が示されています。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当実績(2025年3月期): 年間150.00円
  • 配当予想(2026年3月期): 未定
    • 決算短信では配当予想が「未定」とされています。これは、TOB(公開買付け)の状況など、不確実性の高い状況を反映している可能性があります。
  • 配当性向(過去12か月): 60.47%

会社としての正式な配当予想は未定ですが、過去の配当実績や配当性向から、利益水準に応じた株主還元を意識していることがうかがえます。自社株買いについては、株主名簿に「自社(自己株口) 2.03%」との記載がありますが、直近での積極的な自社株買いの発表はありません。

10. 株価モメンタムと投資家関心

過去52週での株価変動率は+102.82%と、S&P500の同時期間の変動率(+13.05%)を大きく上回っており、強い上昇モメンタムが見られます。
過去3ヶ月の平均出来高130,270株に対し、直近10日間の平均出来高は224,410株と増加傾向にあり、投資家の関心が高まっていることが示唆されます。特に、直近ではミネベアミツミとヤゲオによる「TOB合戦」が報じられており、このM&Aを巡る動きが株価の大きな変動要因となり、投資家の注目を集める主要因となっている可能性が高いです。信用買残は増加傾向にあり、信用売残は0株であることから、買い意欲が強い状況とみられます。

11. 総評

芝浦電子は、温度センサーという広範な産業で需要のある基幹部品の最大手であり、堅固な事業基盤を有しています。エコ給湯器や電動車といった成長分野への注力や、グローバルな生産体制により、事業の持続可能性は高いと考えられます。
財務面では、高い自己資本比率を維持しており盤石な状況です。直近の第1四半期決算では、TOB関連費用などの特別損失計上により大幅な減益となりましたが、通期では利益回復を見込んでいます。
現在の株価は、PER、PBRともに業界平均を上回る水準で推移しており、市場は同社の将来性に対して高い期待を寄せていると推察されます。直近の株価は、TOB合戦による影響が大きく、投資家の高い関心を集め、出来高も増加しています。今後も、TOBの行方や中期経営計画の進捗、各事業分野の動向が株価に影響を与える要因となる可能性があります。


企業情報

銘柄コード 6957
企業名 芝浦電子
URL http://www.shibaura-e.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 電機・精密 – 電気機器

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.1)」によって自動生成されました。

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By ジニー

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