NTN(6472)企業分析レポート
株価: 326.1円(2025-08-22終値)/市場: 東証プライム/業種: 機械
本資料は公開情報に基づく客観的な情報整理であり、投資助言ではありません。
1. 企業情報
- 概要
- 1918年創業の軸受(ベアリング)・等速ジョイント(CVJ)大手。ハブベアリングは世界首位、CVJは世界シェア2位のポジション。
- 主要製品: 転がり軸受(ボール・ローラー、ラジアル・スラスト、特殊用途、リニア)、ハブユニット、スライド軸受、CVJ、オートテンショナー、アクチュエータ、モーター、センサー、パーツフィーダ、電動ブレーキ、状態監視、複合材、発電機ほか。
- 需要業界: 自動車(四輪・二輪・EV)、鉄道、風力、建機・鉱山、農機、工作機械、産機、紙・食品機械、ロボット、航空・医療など。
- 事業セグメント(連結、2025.3期ベース)
- 売上構成: 軸受他 41%、CVJ・アクスル 59%
- 海外売上比率: 74%
- 基本データ
- 本社: 大阪府大阪市北区中之島
- 従業員: 21,996人、平均年齢42.1歳、平均年収724万円
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 日本のベアリング大手3社の一角。ハブベアリング世界トップ、CVJ世界2位の高シェア。
- グローバル競合: SKF、Schaeffler、Timken、NSK、JTEKTなど。
- 競争優位性
- 自動車輪軸(ハブユニット)・CVJでの高シェアと量産・品質実績、アフターマーケット網。
- 広範な産業用途への展開とグローバル生産体制。
- 課題
- 自動車向け比率が高く、需要サイクル・電動化移行・OEM価格要請の影響を受けやすい。
- 為替・原材料価格、欧州係争(ルノー関連)などの不確実性。
3. 経営戦略と重点分野
- 方針・ビジョン
- 中期計画「DRIVE NTN100 Final」に基づく事業構造の変革と再生の完了を目指す。
- SQCCD(安全・品質・法令順守・コスト&キャッシュ・納期&開発)強化で収益力改善。
- 具体施策
- 生産再編・固定費削減、変動費効率化、売価転嫁の継続。
- セグメント別では、CVJの収益性回復、軸受他は産機・アフター強化と価格対応。
- 地域別最適化(米州・アジアの改善継続、欧州の損失縮小)。
- 業績見通し(会社計画、修正なし)
- 2026年3月期予想: 売上高 7,900億円、営業利益 240億円、経常利益 110億円、当期純損失 ▲60億円(EPS ▲11.33円)。
- 配当予想: 未定。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- OEM向け(自動車)+アフターマーケット(補修・保全)+産機向けの分散。高シェア製品の量産メリットと保守需要が収益基盤。
- 構造変化への適応
- EVでもハブベアリングやCVJ(特に軽量・低フリクション品)の需要は継続。状態監視・メカトロ製品などで付加価値領域を拡大。
- 需要サイクルに備え、コスト・キャッシュ軸の体質改善と生産再編を推進。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発
- 低トルク・高信頼性ハブユニット、軽量CVJ、センサー内蔵ユニット、状態監視(Condition Monitoring)など。
- 風力向け大型軸受、メカトロニクス(モーター・アクチュエータ、電動ブレーキ)領域の拡充。
- 収益牽引
- ハブベアリング、CVJが主要利益ドライバー。アフター品と産機向けの安定収益化が進展。
6. 株価の評価(定量比較)
- 指標ベース
- 時価総額: 約1,736億円
- BPS(実績): 435.92円 → PBR 約0.75倍(業界平均PBR 1.4倍)
- EPS(会社予想): ▲11.33円(PERは算出困難)
- EV/EBITDA(過去12か月ベース概算): EV ≒ 1,736 +(有利子負債3,569−現金1,402)= 約3,904億円、EBITDA ≒ 672億円 → 約5.8倍
- 売上高倍率(P/S、TTM): 約0.21倍
- 補足
- 純損失見通しのためPER比較は参考性が限定的。PBRやEV/EBITDAなど資産・キャッシュ創出力に基づく比較が用いられる。
7. テクニカル分析(短期形状の把握)
- トレンド
- 直近終値 326.1円は年初来高値337.6円圏。50日線 253.55円、200日線 240.41円を上回る上昇トレンド。
- 出来高
- 当日出来高 844万株は3カ月平均約439万株を上回る。上昇局面での出来高増加が観測。
- 位置づけ
- 52週高値(337.6円)近辺で推移。信用倍率0.94倍で買い・売りが拮抗。
8. 財務諸表分析
- 損益
- 売上高: 2022/3 6,420億 → 2023/3 7,739億 → 2024/3 8,363億 → 過去12か月 約8,256億円。
- 営業利益: 2022/3 68億 → 2023/3 171億 → 2024/3 281億 → 過去12か月 230億円前後。営業利益率はおおむね3%前後。
- 純利益: 2024/3は105.7億円の黒字、2025/3は▲238億円。特別要因・税金計上の影響が大きい期間あり。
- 2026/3期1Q: 売上1,990億円(▲5.6%)、営業利益69.8億円(率3.5%)、純利益11.9億円。
- キャッシュフロー・財務
- 営業CF 過去12か月 633億円、レバードFCF 578億円と正の水準。
- 現金等 1,401億円、有利子負債 3,569億円、D/E 144.8%、自己資本比率 27.0~27.2%。流動比率 1.24倍。
- 収益性・効率
- ROE(実績)▲9.57%、ROA(過去12か月)1.77%。Q1で地域別は日本・欧州の採算が相対的に弱く、米州・アジアが牽引。
- 事業別(1Q):軸受他は減益、CVJはコスト改善で大幅増益。
9. 株主還元と配当方針
- 実績
- 2025年3月期: 年間配当11円(中間5.5円、期末5.5円)。権利落ち日 2025/3/28。
- 2026年3月期
- 会社予想は未定。データ上のフォワード配当は年11円・利回り約3.37%とされるが、会社開示は未定となっている点に留意。
- 直近の自己株買いの開示は確認できず。自己株式は期末約303万株(発行済の約0.6%)。
- 配当性向
- 過去12か月は純損失のため一般的な配当性向の解釈は難しい。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 直近10営業日で高値更新、終値ベースも上昇基調。52週騰落+18.1%。
- 投資家属性
- 機関投資家保有比率 約42.3%、インサイダー約10.5%。フロート約4.98億株。
- 需給・イベント
- 信用買残121.1万株、売残128.9万株で拮抗。次の決算予定: 2025/10/30(会社予定)。
- 価格変動要因
- 為替、原材料、欧州係争の動向、北米・アジア需要、構造改革の進捗・固定費削減効果が株価感応度高め。
11. 総評(要点整理)
- 製品・市場: ハブベアリング世界首位、CVJ世界2位の高シェアを保有。自動車向けが中心だが、産機・アフターも有する。
- 収益・財務: 営業利益は改善傾向だが、純損失期を含みROEはマイナス。営業CF・フリーCFはプラス。有利子負債水準は高く、自己資本比率は27%台。
- 戦略・進捗: 「DRIVE NTN100 Final」に基づく生産再編・コスト/キャッシュ重視で収益構造の再構築を推進。1QはCVJが収益を牽引。
- バリュエーション・需給: PBR約0.75倍、EV/EBITDA約5.8倍、P/S約0.21倍。株価は52週高値圏で出来高増を伴う上昇基調。PER比較は損失見通しにより参考性が限定的。
- 注目点: 構造改革の定量成果、欧州係争の帰趨、需要(特に北米・アジア)と為替、配当方針の更新、10月決算のガイダンス。
(注)本レポートは提供データに基づき作成。不明点は記載を控え、価値判断・投資助言は行っていません。
企業情報
銘柄コード | 6472 |
企業名 | NTN |
URL | http://www.ntn.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 機械 – 機械 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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