1. 企業情報
- 概要: 電動工具・空気工具、園芸・清掃機器の製造販売をグローバルに展開。海外売上高比率は83%(2025.3)。1915年創業、本社は愛知県安城市。
- 事業構成(連結): 製品 78%、部品・修理・アクセサリー 22%(リカーリング性を内包)
- 主な地域: 日本、欧州、北米、アジア、中南米、オセアニア、中東・アフリカ
- 特徴: 現地生産・販売網の先行、充電式(コードレス)製品の拡充。総還元性向35%以上を基本方針。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション: 電動工具のグローバルトップクラス。プロ向けからDIY、園芸・清掃まで幅広いラインアップ。
- 競争優位の要素
- バッテリープラットフォーム(例: 40Vmax XGT)による製品群の拡張性・互換性
- 世界各地の生産・販売拠点と高い海外比率によるスケールメリット
- 部品・修理・アクセサリー比率22%による継続収益
- 課題
- 欧州の高金利・北米住宅着工の影響、価格競争の激化
- 為替変動感応度が高い収益構造
- 中国不動産市況の低迷など地域別の需給差
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/方針
- 充電式の高付加価値製品へ注力(40Vmax XGT、充電式園芸機器)
- コスト低減と原価率改善の継続
- 総還元性向35%以上、年間配当下限20円+機動的な自己株式取得
- 具体策(2026年3月期1Q 決算資料より)
- 地域別強化: 欧州・日本でXGTと園芸機器を拡販、北米は競争対応、アジアはインフラ・基幹産業向け高付加価値品の拡大
- 生産: 海外生産比率92.3%(台数ベース、1Q)
- 設備投資/開発: 1Qの設備投資49.6億円、減価償却60.9億円、研究開発39.2億円
- 通期想定(会社計画)
- 2026年3月期予想: 売上7,000億円(前年比-7.1%)、営業利益740億円(-30.9%)、EPS 201.83円
- 為替前提: USD140円、EUR160円、CNY19.5円
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 製品販売に加え、部品・修理・アクセサリー(22%)の継続収益。広い製品群とバッテリー互換性が再購買・買い増しを促進。
- 需要特性: 建設/住宅、園芸、清掃など多用途。プロ向け比率が高く、機器の更新需要が存在。
- 適応力: 充電式へのシフト、製品の高付加価値化、地域分散で需給変動に対応。
5. 技術革新と主力製品
- 技術/製品動向
- 40Vmax XGTプラットフォーム(大出力・プロ用途)
- 18V系統(LXT)など既存プラットフォームの厚み
- 充電式園芸(ロボット芝刈機、ポールヘッジトリマー、剪定ばさみ、背負ブロワ 等)
- 清掃(コードレスクリーナー、背負式クリーナー 等)
- 現場周辺機器(バッテリー式一輪車、クーラー&ウォーマー 等)
- 特徴: バッテリー共用化によるエコシステム強化、プロユースのラインアップ充実。
6. 株価の評価(バリュエーション比較)
- 株価: 5,150円、時価総額: 約1.44兆円
- 予想PER: 25.52倍(EPS予想 201.83円)
- 業界平均PER 16.6倍を上回る水準
- 実績ベース(過去12か月)
- EPS約295.09円 → 実績PER約17.5倍
- BPS 3,439.11円 → PBR 1.50倍(業界平均PBR 1.4倍近辺)
- EV/EBITDA約8.7倍(EV ≒ 時価総額1.44兆 + 有利子負債0.23兆 – 現金0.24兆 ≒ 1.23兆円、EBITDA ≒ 0.14兆円)
- PSR(時価総額/売上) ≒ 1.9倍(売上TTM ≒ 0.75兆円)
- 財務余力
- ネットキャッシュ約2,136億円(現金同等物2,365億円 – 総債務229億円)
- 自己資本比率83.7%、D/E 2.49%
※ 評価水準は市場金利・業績見通し等により変動します。
7. テクニカル分析
- トレンド指標
- 50日移動平均: 4,616.8円、200日移動平均: 4,625.96円
- 現在値は両移動平均を上回る水準
- レンジ
- 年初来高値: 5,539円、年初来安値: 3,674円
- 現在値は高値から約-7%、安値比で約+40%の位置
- 直近10日
- 終値は5,048円→5,150円と底堅い推移
- 出来高は本日94.6万株と3カ月平均(約81.5万株)を上回る
8. 財務諸表分析
- 売上・利益(連結)
- 売上高: 2022/3 7,392億 → 2023/3 7,647億 → 2024/3 7,414億 → TTM 約7,531億円(横ばい~微増)
- 営業利益: 2023/3 282億 → 2024/3 662億 → TTM 1,070億円(改善)
- 当期純利益: 2023/3 117億 → 2024/3 437億 → TTM 793億円(改善)
- 収益性
- 粗利率: 2023/3 約24.7% → 2024/3 約30.2% → TTM 約36.0%
- 営業利益率: TTM 約14.0%
- 純利益率: TTM 約11.1%
- ROE(実績): 8.84%
- キャッシュフロー・財務
- 営業CF TTM 約1,132億円、EBITDA TTM 約1,412〜1,442億円
- 現金同等物 2,365億円、総債務229億円(ネットキャッシュ)
- 流動比率 約5.5倍、自己資本比率83.7%(財務健全性は高水準)
- 四半期動向(2026年3月期1Q)
- 売上 -3.8%(為替影響)、営業利益 +22.1%(原価率改善)
- 地域別(販売先ベース): 欧州-5.6%、北米-11.7%、日本+6.0%、アジア+9.9%、中東・アフリカ+24.1%
9. 株主還元と配当方針
- 方針: 年間配当下限20円、総還元性向35%以上(配当+自己株取得)
- 実績
- 2025年3月期: 年間110円(中間20円、期末90円)(会社開示)
- トレーリング配当 104円、利回り約2.03%(データプロバイダ)
- 予想/進捗
- 2026年3月期: 中間20円、期末未定(4月取締役会で決定予定)
- 1Qに自己株式取得約154億円実施(自己株増加: 1,097万株→1,449万株)
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 52週騰落率 +6.76%、β 0.72(市場連動性は相対的に低め)
- 信用倍率 0.62倍(売り超過)、信用売残増・買残減(短期的な需給はやや重めのサイン)
- 出来高/イベント
- 出来高は直近活発化(本日94.6万株 > 3カ月平均)
- 予定イベント: 権利落ち日 2025/9/29、決算発表 2025/10/31
11. 総評
- 収益面では、原価率改善・高付加価値品比率の上昇により利益率が回復。TTMで粗利率・営業利益率ともに改善が確認できる一方、会社計画は為替・建設需要の不透明感を織り込んだ保守的な前提。
- 財務はネットキャッシュ、自己資本比率83.7%、流動比率約5.5倍と余力がある。株主還元は総還元性向35%以上を明示し、自己株取得も実行。
- バリュエーションは、予想PERが業界平均を上回る一方、実績PERでは中位水準。EV/EBITDAは約8.7倍。技術・製品面では40Vmax XGTや充電式園芸機器が拡販の柱。
- マクロ環境(欧州金利、北米住宅、中華圏不動産)と為替が主な外部リスク。地域分散と製品の高付加価値化、リカーリング収益比率が下支え要因。
(ご留意)本資料は提供データに基づく客観的な整理であり、投資勧誘や特定の投資判断を推奨するものではありません。条件未確定の配当等は会社決定により変更される可能性があります。
企業情報
銘柄コード | 6586 |
企業名 | マキタ |
URL | http://www.makita.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 機械 – 機械 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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